ヘリ空母「いずも」がアジアの軍拡を加速する

※①〜は報道の抜書要点です。

護衛艦「いずも」は日本帝国海軍で中枢的な役割を演じた攻撃空母「飛龍」や英国の「インヴィンシブル級空母」に匹敵するか上回る。安倍政権は憲法9条に抵触し、旧連合国から「攻撃空母」の保有を禁じられているから、遠洋航海が可能な護衛艦に過ぎないと詭弁を弄している。

しかし、オスプレイは搭載可能と言う。戦闘機F35は甲板の耐熱性不足から搭載できず、「ヘリ専用」だと。これも嘘である。オスプレイのエンジンはターボプロップジェットエンジン。このエンジンとF35のターボファンジェットエンジンの違いは、主たる推力をプロペラかファンかの違いだけ。

F35戦闘機も短期間の改造で搭載が可能になるだろう。ただし、垂直離陸になるから、戦闘行動半径と搭載兵器重量が制限される。その制限を解除するためには船首にジャンプ台かカタパルトを設置すればよい。改造は不可能ではない。ゼロ戦や急降下爆撃機を70機も搭載した飛龍型を上回る船体だから。

中国はすでにジャンプ台を装備した訓練空母「遼寧」を就役させている。更に大型の空母も数隻同時建造に入っていると噂されている。失敗したと言われてきたミサイルを水中発射できる原子力潜水艦も数隻就航しており、その姿を公開し、米海軍提督を乗艦させたりした。

横須賀を母港とする米国の原子力空母や原子力潜水艦黄海や東中国海や南中国海で中国沿岸に迫ることを阻止するだけでなく、原潜に匹敵する長時間潜航が可能な日本の潜水艦と空母に対抗する目的でもある。そんな空母や潜水艦の開発は中国軍に軍備近代化を余儀なくさせ、少なくともその口実になる。

(参照報道)
◆日本の「いずも」就役が示すもの(人民日報)
http://j.peopledaily.com.cn/n/2015/0327/c94474-8869976.html
◆日本のヘリ空母「いずも」就役 地域の平和・安定にとって無益(人民日報)
http://j.peopledaily.com.cn/n/2015/0327/c94474-8869993.html
①全長248m、満載排水量2万7千トン、艦体は全通甲板で右舷側に寄せたアイランドなど空母同様配置で、ヘリコプター5機が同時に発着艦でき、少なくとも14機のヘリコプターを搭載でき、兵士400人余りを輸送できる。
②満載排水量は第2次大戦時の日本海軍中型攻撃空母「飛龍」を上回るだけでなく、イタリア海軍の空母「ジュゼッペ・ガリバルディ」、スペイン海軍の空母「プリンシペ・デ・アストゥリアス」、英国海軍のインヴィンシブル級空母をも上回る。日本は2隻目の同型艦も建造中だ。
③「平和憲法」の制約上、日本政府は「ヘリコプター搭載護衛艦」と称し続けているが、日本メディアは「いずも」はヘリ空母であり、『対中抑止』が建造の目的だと指摘している。
憲法9条は「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」「前項の目的を達するため、陸海空軍その他戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」としている。日本は攻撃的兵器を保有できない。
⑤「いずも」によって、海自は専守防衛型部隊から海上攻撃型部隊へと発展し、日本の世界的な『軍事干渉』能力を高め、『軍事的冒険』を行う可能性を高める。
ヘリ空母「いずも」を釣魚島(日本名・尖閣諸島)の中日紛争とリンクさせるのは、中日関係の改善および地域の平和・安定にとって有害無益だ。同艦を利用して中国を威嚇するとなると、全く愚か者の夢物語である。
⑦中国軍は次のように戦力を分析している;「いずも」は戦略上は対中抑止能力を持たないが、戦術上は中国の潜水艦部隊に一定の影響を与える。また、指揮艦、兵力輸送艦として、自衛隊海上作戦能力向上にとって大きな助けとなる。
⑧日本の海上部隊は、従来のP3C等哨戒機が日本軍の防空識別圏である東中国海に制限されていたが、「いずも」や他の大型軍艦の保有によって南中国海やマラッカ海峡にまで拡大する。中国は対抗上、ミサイル駆逐艦や強制上陸艦の大型化や原子力潜水艦の増強や性能向上を余儀なくされる。
⑨「いずも」とは日帝装甲巡洋艦『出雲』と同名である。日露戦争に参加し、日中全面戦争化後は、中国侵略艦隊の旗艦として、黄浦江上に長期停泊した。侵略戦争の象徴である旧艦名を「復活」させるとは一体どういう意味なのか、日本にさんざん侵略されたアジアの人々は問わずにはいられない。
安倍氏は軍拡主義者である。彼はあらゆる手を尽くして集団的自衛権の行使容認を図り、「防衛計画の大綱」「自衛隊法」「武力攻撃事態法」など関係する法律を改正し、3年連続で軍事費は過去最高となり、専守防衛を逸脱する「攻撃的武器」の増強に力を入れている。
イタル・タス通信「日本政府は侵略発動の準備をし、質と量で自衛隊の力を積極的に強化している。日本はすでに軍国主義の道を歩み出した」。
⑫ロシアのウェブサイトdeita「ロシアは日本の『準空母』問題を強く注視している。第2次大戦の敗戦国である日本の海上自衛隊は、国際条約によって空母保有を禁じられている。現在日本は潜水艦を含め各種艦船を100隻余り保有しており、海軍力はすでに世界トップレベルだ」