米国の破綻は不可避(田中宇)

(1) 米国の破綻は不可避 (田中宇
(2) トランプの制裁関税は中国にそよ風しか吹かない(ロイター)
※1 ◆は参照報道
※2 ①〜は参照報道の要点で、論旨明確化と背景説明を加えた「意訳」です。敬称略。
※3 ❶〜や※で始まる文章は私見です。
※4 Web登録後も関連報道などを追記します。

(1) 米国の破綻は不可避 (田中宇

田中宇‏ @tanakanews_com 8月6日
新しい無料記事「米国の破綻は不可避」を配信しました。 http://www.tanakanews.com/180805japan.htm
➀米国が中国などに輸入関税引き上げの貿易戦争を仕掛けるなか、7月末にBRICS諸国(中露印ブラジル南ア)の年次サミットが南アフリカで開かれた。

BRICSは米国に輸出して経済成長してきたが、トランプによる米国の保護主義化に伴ってこの従来モデルをあきらめて離脱した。

➂世界の総人口の4割を占めるBRICSの消費市場としての潜在的な力を利用し、BRICS内部や他の新興市場諸国との貿易で経済成長していくモデルに移行していくことにした。その主導役は中国だ。

④米国経済のバブル崩壊を予期して、BRICSはまた、加盟諸国間の貿易で使う通貨を、米ドルから、人民元など加盟諸国の5つの通貨に替える。外貨備蓄も米国債を減らす。

➄米国が金融崩壊すると、金地金がドルに代わるが、金地金の国際的な価格管理の主役は、今年初めに中国政府に交代し、国際金相場は人民元の為替と連動している。

BRICSには世界最大の金消費国である中国とインド、世界最大の金生産国である南アフリカとロシアがあり、生産と需要で金相場を支配できる。

⑦米国の経済覇権の根幹にある債券金融システムがいずれバブル崩壊し、それが米国覇権の終わりになる。だから、中国やBRICSは「ノアの方舟」を建造し始めている。

⑧米国の上層部は、覇権を維持したい『軍産複合体』と、放棄破壊したい『トランプ』との激しい暗闘が続いている。軍産は窮地にたつ度に戦争を起こして抜け出してきたが、トランプは言葉とは裏腹に産軍の戦争を阻止しており、産軍はジリ貧状態。

➒米国の中間選挙(11月6日の上下院議員選挙)は民主党が有利で、トランプの共和党は議会で少数政党ないしは捻じれ政党に陥るだろう。

➓躍進する民主党では、サンダースとウォーレンに象徴される、リベラル派が中間選挙候補の44%と三倍増して最大勢力となり、クリントンオバマの産軍複合体制派は弱小化した。

中間選挙でトランプが勝てば、彼はTPPとNAFTAに大幅譲歩して、「米英加豪日」同盟の盟主として縮小された覇権を維持する。

⓬しかし、真のリベラルが主流となった民主党中間選挙で勝利すれば、米国内は内乱状態(米国のリビア化)に陥ることすら懸念される。それが回避されても、いずれ米国の金融が再破綻し、米国のリビア化が現実味を帯びる。

⑬米国覇権が失われると、「中国敵視」が必要だという軍産の論理も消失し、日本や豪州は中国敵視をやめ、日豪亜やTPPは中国とも協調するようになる。すでに安倍晋三は、その手の親中国的なことを何度も表明している。


(2) トランプの制裁関税は中国にそよ風しか吹かない(ロイター)

◆Commentary: Trump tariffs only a weak blow to China (ロイター)
https://www.reuters.com/article/us-andelman-china-commentary/commentary-trump-tariffs-only-a-weak-blow-to-china-idUSKCN1LX2HN?utm_campaign=trueAnthem:+Trending+Content&utm_content=5ba075f504d3012ed777f41a&utm_medium=trueAnthem&utm_source=twitter

➀9月24日から中国への追加制裁関税を輸入額2000億ドルに対して10%課税するとトランプが発表。当初の25%課税から後退し、中国の妥協を懇請する形。

②トランプの制裁課税は中国にとってささやかな被害しかもたらさない可能性。

➌逆に中国は
・同率の報復課税
・米国以外の国からの輸入関税を半減して、消費者に米国以外の国への買い替えを促す
・米国企業への原材料と部品輸出の制限という切り札を準備している。

習近平政権は、トランプが中間選挙で敗北し、議会少数派に転落し、2020年の大統領再選は有り得ないと予測している。それまでは上げすぎた人民元のレートが適切に下がるまで放置すれは制裁関税の大部分が相殺されることもある。

➎2007年胡錦涛が米国で激しい抗議に直面したとき、中国のGDPに占める輸出は35%に達していた。

➏だが、2017年には輸出依存度が18.5%に半減し、全輸出額に占める対米輸出の比率も18%に激減しているから、トランプ制裁関税の影響はGDP比で1%を超えることはない。

➐激しい抗議を受けた胡錦涛は日本の1985年に学んで、輸出依存の経済成長を内需依存経済成長へと大規模に切り替えながら、ASEAN各国に投融資してASEANの購買力を高め、ASEANとの貿易を倍増させ、その政策を強化するために人民元の対ドルレートを40%切り上げた。

胡錦涛温家宝内需依存政策を引き継いだ習近平李克強は、ASEANから広くユーラシア大陸全体への投融資を拡大し、ユーラシア全域の購買力と高めている(「一帯一路」新経済ベルト建設)。

➒「一帯一路」21世紀のシルクロード建設が始まって5年が過ぎた。行き過ぎもあるが成果は着実で、ロシアとの同盟関係が親密となり、反中国的であったベトナムやフィリピンやモンゴルも反旗をしまい込んだ。

➓トランプの貿易戦争は多少の困難を中国企業に与えるだろうが、その困難がむしろ中国企業をスリム化させ生産性を高めさせて、広くユーラシア全体へと広がってゆくとみられる。


◆トランプによる追加2000億ドルへの制裁関税は中国に進出した米企業を窮地にたたせるだろう(環球時報https://twitter.com/globaltimesnews/status/1041896885223477248
➊中国の米企業は中国内需に依存するだけでなく、完成品や部品を米国工場に輸出して、米国工場でのコストを下げているが、それができなくなるからだ。


◆China, Russia agree to further improve energy cooperation (中国中央電視台
https://news.cgtn.com/news/3d3d514f7a636a4d7a457a6333566d54/share_p.html

➀中国とロシアはシベリアやサハリンの石油・天然ガスの供給を拡大する大規模なプロジェクトに調印した。

②中露の緊密化はこの20年来着実に準備され、日本保守権力の在りざまを反面教師として中露緊密化は政治と軍事だけでなく経済でも非常な緊密さに至っている。サハリンと南クリルの中露開発プロジェクトでけでも2兆円を超える。


(再掲)ポツダム宣言、無条件降伏、国連憲章敵国条項、日中共同宣言

1) ポツダム宣言
2) 無条件降伏
3) 国連憲章敵国条項
4) 日中国交回復共同宣言以降
5) 安倍の願望は「中国との軍事衝突」
※敬称略 ◆は参照報道、①〜はその要点

………(1) ポツダム宣言………

昭和天皇は外務省や陸軍参謀の瀬島龍三をスイスやモスクワに派遣して、半年以上もの間日本降伏の条件交渉を試みた。それは全て無視され、1945年3月にソ連が日ソ平和友好条約の破棄を通告。だが、日本は特攻を重ねた。

日本は➊国体護持(天皇専制国家の継続)➋日清戦争日露戦争で得た植民地の維持➌満州帝国は放棄やむなしという条件を連合国側に伝えたが、それは1943年のカイロ宣言で拒否されていた。そして日本人の「特攻精神」の怖さを思い知れと数千人の若者に「自爆攻撃」を強制していた。

連合国にとって「特攻自爆攻撃」が恐怖であったのは最初だけ。すぐに「七面鳥を散弾で落とす」防御に成功していた。日本は戦艦大和沖縄戦に「特攻」させたが、無残で残酷な殲滅に遭った。

沖縄が陥落し、ナチスドイツが消滅しても、日本は「国体護持」だけを唯一の条件に和解協定を成立させようと意図し、それを連合国に飲ませるために、婦女子にまで「竹槍特攻」を訓練し、それは連合国に「異様で理性の通じない日本人」と思わせた。

「特攻」で屍を積み重ねる「異様で理性の通じない日本人」に対しては、国際戦争法は通用しないと連合国は結論し、➊原爆投下➋ソ連参戦の準備を完了させ、1945年7月26日に最後通告。これがポツダム宣言の発出である。無条件で受け入れないなら、原爆を投下し、ソ連が参戦すると。

ポツダム宣言(1945年(昭和20年)7月26日連合国首脳)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%84%E3%83%80%E3%83%A0%E5%AE%A3%E8%A8%80
①日本国に対して今次の戦争を終結する機会を与える
②日本国に最終的な打撃を加える軍事態勢が整った。その軍事力は日本の全抵抗が止むまで戦争を遂行する決意によって構築されたものだ
③5月に「ナチス」ドイツが荒廃に帰した結果よりも更に重大な攻撃(原爆投下とソ連軍参戦)が日本に対して準備された。連合国の軍事力を最高度に使うなら、日本本土は完全に壊滅することを日本は認識すべきだ。
④日本の決断は二者択一である。
無分別な打算を今後も繰り返し、日本帝国が滅亡の淵に陥るまで、傲慢なる軍国主義者に寄りかかるのか/又は理性を回復して日本の国カ再建に転じるのか
⑤連合国の日本に対する条件を次に述べる。連合国は以下の条件からの一切の逸脱や遅延を認めない。条件の一部を否定することや、条件の解釈変更を認めない。これは最後通牒である。
⑥連合国は、日本国国民を騙し、世界征服の挙に出るという過誤を犯させた者の権力と勢力を永久に除去する。
➆(軍国主義者と同調者が駆除され、理性的で平和主義の)新日本に生まれ変わるまで、連合国は日本占領を続ける。
⑧「カイロ」宣言の条項は履行されねばならない。また、日本国の主権は本州、北海道、九州及四国並に「連合国が決定する諸小島」に局限される。
⑨日本軍は完全武装解除されたのち、兵隊の各自には家庭に戻り平和で生産的な生活を営む機会が与えられる。
⑩連合国は、連合国の俘虜を虐待した者を含む一切の戦争犯罪人は厳重に処罰する。日本政府は国民の民主主義的傾向を復活させ強化するための一切の障礙を除去し、言論・宗教・思想の自由並に基本的人権の尊重を確立しなければならない。
⑪日本の経済を維持し、公正なる賠償金を支払うための産業は維持を許可される。ただし、再軍備につながる産業の維持は認めない。これらが実現された将来において日本は貿易に復帰を許可されるだろう。
⑫以上の諸目的が達成され、かつまた、日本国民が自由に表明できるようになり、更にまた、平和的傾向のある責任政府が樹立されたならば、連合国は占領を解除し撤退する。
⑬日本政府が自ら完全武装解除し、無条件降伏を宣言し、かつまた、完全武装解除と無条件降伏の諸条件を遵守し履行する誠意を行動で示し、その完全達成を保障する証拠を提出することを要求する。この要求に応じないことは、日本国が完全なる壊滅を自ら選択したことになる。

カイロ宣言(1943年)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%83%AD%E5%AE%A3%E8%A8%80
①米英中の三首脳が以下に述べる対日戦争方針を協定した。
②米英中は野蛮な敵国に仮借なき弾圧を加える決意を表明した。その体制は整いつつある。
③日本国の侵略を制止し処罰する戦争をしているのであって、利権や領土の獲得を目的としていない。
④日本国が1914年の第一世界大戦開始以降において奪取か占領した太平洋の島嶼の全てを剥奪する。また、満洲・台湾・澎湖島のような、日本国が清国人より盗取した一切の地域を中華民国に返還させる。
⑤また、暴力と貧慾によって略取したすべての地域から、日本は駆逐されなければならない。
⑥米英中は朝鮮人民の奴隷状態に留意し、朝鮮を自由な独立国にする決意である。
➆米英中は日本と交戦中の諸国と協調して、日本が無条件降伏するまで長期戦争を持続させる。


………(2) 無条件降伏………

日本はポツダム宣言の中に「国体護持」が無いので、これを無視すると短波で回答した。原爆が投下され、ソ連軍が進撃した。昭和天皇はようやく無条件降伏―ポツダム宣言の無条件受諾を決断し、8月14日にNHK短波放送で受諾を声明し、「玉音」を録音し、8月15日正午にNHKが放送した。

昭和天皇の「玉音」は現在の安倍晋三と同じであり、「侵略」と認めず、「謝罪」もせず、ただ「お前たち国民の努力不足で戦況不利に陥り、降伏のやむなきに至った。だが朕は赤子である国民を思ってこの屈辱に絶える故に、国民は更に一層の困苦に耐えるべし」などと無責任な内容だった。

問題は、この昭和天皇の「玉音」に反発の一つも起きなかったことである。それが今になって、安倍晋三を二度目の最高権力者に押し上げたと言える。安倍晋三とは、70年前に日本人が本質的な個人反省を忘却した咎が産み落とし育てた、極めて危険な毒物である。

安倍は虎の威(米国)を借りなければ、強がり一つ言えない脆弱さがあり、それを認識している。故に狡猾な手段を弄して米国を籠絡し、米国流の「民主主義」「国際平和」「国際法」を鎧の上に羽織っている。その羽織は安倍の過去発言の訂正を要求されるとそれを拒否することで暴露される。

安倍は鎧を強化し直し、偽りの平和で羽織を纏った。過去発言の訂正を拒否し、鎧の正体をちらつかせて、執拗に陰湿に攻撃する。中国と韓国とロシアは、安倍と日本民衆を峻別して分断するほかに有効な手が無い。いや、無視して「ユーラシア新経済ベルト」建設に邁進するだけでも安倍には致命的だが。

安倍が憲法破壊計画を言いだすと、WWⅡの連合国であり、国連安保理事会で拒否権を持つ中露は、抗日戦勝と反ファシズム撲滅戦勝70周年を大規模に祝うことにした。9月2日がその日。昭和天皇大本営の代表が戦艦ミズーリ甲板でポツダム宣言無条件受諾に署名した日なのだ。

9月2日はロシアも参加して中国で記念式典と閲兵式が挙行される。そのために、中国軍は数百機の戦闘機を出動させる訓練を実施した。

両国の式典目的は『ポツダム宣言』を安倍に受諾させることにある。宣言の核には「侵略戦争と虐殺の犯罪性断定」「日本領土の局限化」があり、前者は慰安婦問題や南京大虐殺などの犯罪性の認定と八紘一宇戦争犯罪性を指弾し、後者は南千島竹島尖閣の領土主張権を放棄させたからだ。

1945年8月15日、天皇ポツダム宣言を受諾し、無条件降伏する詔書を全国放送で伝えた。安倍氏ポツダム宣言をつまびらかに読んでいようといまいと、日本は当時ポツダム宣言の一字一句を受け入れたことで降伏が認められ、初めて再生の道を得たのだ。

◆日本無条件降伏文書(1945年9月2日 東京湾の戦艦ミズーリ号甲板にて)
①米中英首脳が1945年7月26日に発し、後にソ連首脳も参加した『ポツダム宣言』の各条項が、日本の天皇・日本政府・大本営よって受諾され、それらの名代によって署名された。以下、米英中ソを「連合国」と記述する。
②日本帝国大本営は、国の内外を問わず一切の日本国軍および日本国の支配下に在る一切の軍隊に対して、連合国に無条件降伏を命令すること。
③連合国は、日本国の内外を問わず、一切の日本軍と日本人に対する敵対行動を直ちに終止する。全ての船舶・航空機ならびに軍用/非軍用の財産を保全し毀損を防止する。本国政府の諸機関は連合国最高司令官が命じ又は指示する一切の要求応じること。
④日本帝国大本営は、各軍隊の指揮官に対して、無条件で降伏する旨の命令を直ちに発すること。
⑤日本の全ての官庁・陸軍及海軍の職員に対して、連合国最高司令官の命令およびその委任機関が発した全ての布告を遵守し施行することを命じる。日本の全ての官庁・陸軍及海軍の職員は連合国最高司令官の命令およびその委任機関が解職を布告するまで、現状の地位に留まり、非戦闘的任務が命じられる。
⑥『ポツダム宣言』の各条項を誠実に履行すること。ならびに、『ポツダム宣言』を履行するために、連合国最高司令官または他の特定の連合国代表に要求された事項の一切の措置を天皇日本国政府および其の後継者に命じ、履行させることを約束する。
➆日本帝国政府および大本営に対して、全ての連合国俘虜および被抑留者を直に解放することを命じる。かつまた、その保護・手当・給養および指示された場所への即時輸送措置を命じる。
天皇日本国政府の国家統治権限は、本降伏条項を実施する為に適当と認められる措置を執るところの、連合国最高司令官の制限下に置かれる。
【以下、署名】
(1) 千九百四十五年九月二日午前九時四分日本国東京湾上ニ於テ署名ス
大日本帝国天皇陛下日本国政府ノ命ニ依リ且其ノ名ニ於テ 重光葵
・日本帝国大本営ノ命ニ依リ且其ノ名ニ於テ 梅津美治郎
(2) 千九百四十五年九月二日午前九時八分東京湾上ニ於テ合衆国、中華民国、聯合王国及「ソヴィエト」社会主義共和国聯邦ノ為ニ竝ニ日本国ト戦争状態ニ在ル他ノ聯合諸国家ノ利益ノ為ニ受諾ス
聯合国最高司令官 ダグラス、マックアーサー
・連合国代表 合衆国、中華民国大英帝国ソ連、豪州、カナダ、フランス、オランダ、ニュージーランド


………(3) 国連憲章敵国条項」………

安倍による「尖閣実効支配」はポツダム宣言に違反する。広大な大陸棚の半分を分捕ろうとする軍事行為もポツダム宣言違反である。それらを「中国に取られる、攻めてくる」と日本国民のナショナリズムを煽る。その行為は国連憲章が予想した日本帝国主義の再発である。

ポツダム宣言に違反する行為は日本の降伏を無効にする。WWⅡの戦争状態が、国際法上は再現されることになる。それを国連憲章は想定し、「敵国条項」として憲章の数十か所に埋め込み、「敵国条項」の廃止を不可能にしている。

国連憲章敵国条項」:
➊敵国=日、独、伊、ブルガリアフィンランド(タイは日本に脅迫されて加盟を余儀なくされたと認定)
➋敵国が戦争の結果確定した事項に対する違反や侵略政策の再現行動等を起こしたら、国連加盟国や地域安全保障機構は安保理の許可なく、当該国に軍事的制裁を課すことが容認され、この行為は安保理も制止できない。
➌日本に関して戦争の結果確定した事とは、カイロ宣言遵守、ポツダム宣言遵守、日本全面降伏文書遵守、ポツダム宣言に規定した日本領土局限化の遵守、極東軍事法廷判決遵守、再軍備禁止、平和憲法の遵守等

◆“日米同盟揺るぎないもの”示す必要性強調(NHK)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150728/k10010169191000.html
佐藤正久元防衛政務官「日本を取り巻く環境が厳しくなったという認識は、多くの政党が共有しており、いかに国民のリスクを下げ、そのためにいかに自衛隊に動いてもらうかという法案を出すべきだ。プラカードではなく法案を掲げるべきだ」。

安倍総理「中国が南シナ海において大規模な埋め立てを行っており、東シナ海におけるガス田の問題についても2008年の合意が守られておらず、尖閣諸島周辺の領海には中国の公船が侵入を何回も行っている状況にある」。

③安倍「こうした力による現状変更は行うことはできないということを、相手方に『理解させ』、平和的発展を進めていくことが重要。そのためにもしっかりと平和安全法制を整備し、日米同盟が揺るぎないものであることを内外に示して、この海域も含めてわが国の平和と安全を守り抜いていく」

安倍の国会答弁は大転換である。もしこの「本音」を春の国会で答弁していたら、日中関係は非常に険悪になり、中国は国連憲章敵国条項を発動し、自粛していた釣魚実効支配を上陸し軍を駐留させていたであろう。そのとき米軍は口だけで手も足も出せなかったであろう、クリミア半島のように。

尖閣」と「東中国海油ガス田」の実効支配を行えば、日本は国連から追放され、最悪は戦争である。日本に国際法大義は全くない。米国も常任理で中国を拒否できない。それが敵国条項であり、故に米国は腰が引けている。

そこで安倍は「戦場」を「南中国海」に移動させたのだ。中国の膨張主義の横暴さを南中国海で国際世論に晒し、日本は白馬の騎士を装って軍事介入する。中国軍と小競り合いでも発生すれば、国際世論を騙すことができる。そうなれば、東中国海の大陸弾でも自由にふるまえると皮算用

安倍は南中国海で中国に勝った気でいる。その証拠は「力による現状変更を、国際法ではなく、軍事力で威圧して、中国に不可能だと『理解させる』」という極めて威圧的な『砲艦外交』をすることが今回安保法案の目的であり、その動機は憲法制約を無視できる高度な政治判断だと言ったに等しいからだ。

そもそも「尖閣」を軍事的に「実効支配状態」に変えたのは日本である。中国は寝たふりをして、中国領土であると日本政府に公言させた場合の日本国内での苦境を救うための温情(棚上げ)であった。その温情の代償はガス田の開発負担であり、生産したガスの日本側の取り分であった。恩を仇で返す日本

◆政府 集団的自衛権は事前同意でも行使可能(NHK)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150728/k10010169311000.html
安倍『日本への攻撃の意思がない相手でも法律的には武力行使可能』と国会答弁。完璧なる憲法9条違反である。

日中国交回復共同声明(1972) 6.日本国政府及び中華人民共和国政府は、主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉、平等及び互恵並びに平和共存の諸原則の基礎の上に両国間の恒久的な平和友好関係を確立することに合意する。

日中平和友好条約(1978) 第一条 2.両締約国は、前記の諸原則及び国際連合憲章の原則に基づき、すべての紛争を平和的手段により解決し及び武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認する。

この日中間の公約で、「中国が軍事力などで尖閣や大陸棚ガス田の実効支配を行えば、日本政府には軍事攻撃する個別的自衛権が生じ、その際、米軍と共に中国を攻撃する集団的自衛権の行使も国際法上許可される」と安倍側は戦争の開始を正当化できると考えている。

この公約があるから、中国側は釣魚に海警船を巡航させたものの、中国軍の展開は控えてきた。しかし、自衛隊尖閣海域に入ると立場逆転。日本側が日中間公約違反の軍事的威圧を開始したと認められ、中国軍を釣魚に出動できる。だから、安倍側は米軍が居ないと負けるから集団的自衛権を持ち出す。

米国政府も米軍もアーミテージらもその点を調べており、安倍の傲慢さ丸出しの砲艦外交に腰が引けている。米国には巨大な経済損失にもかかわらず、何ら得るところなく、米兵士を犬死させるだけ。それに中国は米国と対等の拒否権を持つ安保理事会常任国。そして最後には、米国憲法の縛り。


………(4) 日中国交回復共同宣言以降………

中国はロシアや米国ほどには軍事に依存しない。軍に金を使わない。厳密な意味で現政権は宋や明と同様に侵略意図が無い。南中国海も宋と明時代にアジアからインド洋へと広がる定期貿易船の為に領有した島をフィリピンやベトナムにこれ以上盗られたくないという専守防衛に過ぎない。

いわゆる「尖閣」(釣魚)領有権の棚上げという日本人を誤解させた言動も、軍事に使う金を経済興隆に回す中華民族の歴史的伝統の継続。ポツダム宣言の無条件受諾をした日本には主権を主張する権利も放棄させている。釣魚も該当するが、安倍が中国主権を認め共同開発に応じるなら中国にもメリット。

「安倍が釣魚の中国主権を認める」が共同開発に応じる大前提。認めないのなら、中国は堂々と単独開発する国際法上の権利がある。安倍に中国主権を認めさせるには、安倍が得意げに声高に叫ぶ「国際法遵守」を逆手にした「ポツダム宣言無条件受諾(全面降伏)」を活用できる。

ポツダム宣言」と「無条件降伏文書」とそれらを再確認した「日中国交回復共同声明」や「日中平和友好条約」等の日中基本4文書と、昨年末に習―安倍会談実現の条件としての「日中4項目共通認識」など、国際法に基づく日中公式文書に事欠かない。ポツダム宣言は日中政府間で綿々と繋がっている。

だから安倍に「ポツダム宣言」の無条件受諾を追認させることから全てが始まる。同宣言を追認させたら、「侵略戦争の犯罪性」も「南京大虐殺否定の犯罪性」も「釣魚の国際法違反の実効支配」も「南中国海への不当介入」も国際法大義で打破できるからだ。

ポツダム宣言は「中日関係の法律的基礎」だ。同宣言の否定は「(1972年の日中国交回復共同声明や日中平和友好条約など)四つの政治文書の基礎を否定することになる」。その否定は、日本の無条件降伏から現在まで70年の長きに及ぶ平和と繁栄の停止をも意図するものである。

そして、安倍政権が進める安保法制は「日本の戦争権を制限したポツダム宣言戦争放棄を定めた日本国憲法に違反する動き」である。日本の侵略戦争敗北70周年にあたる今年、日本右翼は蠢動し、歴史への挑戦を企て、白黒を逆さまにしている。身の程知らずの悪事である。

◆日中基本4文書1 日中国交回復共同声明(1972年 田中角栄首相と周恩来首相)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/china/nc_seimei.html(外務省HP)
①日本国と中華人民共和国との間のこれまでの不正常な状態は、この共同声明が発出される日に終了する。
日本国政府は、中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認する。
中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、『ポツダム宣言第八項』※に基づく立場を堅持する。※日本国の主権は本州、北海道、九州及四国並に連合国が決定する諸小島に局限。
中華人民共和国政府は、中日両国国民の友好のために、日本国に対する戦争賠償の請求を放棄することを宣言する。
日本国政府及び中華人民共和国政府は、主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉、平等及び互恵並びに平和共存の諸原則の基礎の上に両国間の恒久的な平和友好関係を確立することに合意する。
両政府は、右の諸原則及び国際連合憲章の原則に基づき、日本国及び中国が、相互の関係において、すべての紛争を平和的手段により解決し、武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認する。
日本国政府及び中華人民共和国政府は、両国間の平和友好関係を強固にし、発展させるため、平和友好条約の締結を目的として、交渉を行うことに合意した。
1972年9月29日、北京にて
日本国内閣総理大臣    田中角栄(署名)
日本国外務大臣      大平正芳(署名)
中華人民共和国国務院総理 周恩来(署名)
中華人民共和国 外交部長 姫鵬飛(署名)

(補足)日中国交回復共同声明の③項に「台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部である・・・日本国政府は・・・『ポツダム宣言第八項』に基づく立場を堅持する」と書き込まれた経緯;

中華民国台湾は国連から除名され、中華人民共和国が国連の中国代表となり拒否権を持つ常任理事国政府になった。しかし周恩来蒋介石と戦争する気はなかった。時間が解決してくれるだろう。だが、大原則として「台湾は中国の不可分の一部」は譲歩できないという中国内部事情の理解を田中に求めた。

田中はそれを理解し、台湾との国交断絶を約束した。同時に台湾と日本の非政府組織交流は黙認する、ただし中国政府機関の視界の中にその組織が見えないようにしてほしいと周恩来。その結果、台湾の中華航空は羽田に、北京の中国国際航空は成田になった。

「釣魚」「尖閣」についても議論された。田中角栄は「尖閣日本領」を認めてもらえないかと一応主張したが、大陸棚の端にある同島を日本領と認めるわけにはいかない周恩来。田中は自民党内の右翼が「日中国交回復共同声明」の中で約束する「日中平和友好条約」の批准を拒否すると実情説明。

周恩来は「釣魚」を北京の一存で決めると蒋介石も煩いと中国内部事情を説明した。ここで後の「主権論争棚上げ」の原型が成立している。「釣魚」「尖閣」の対立を明示せず、「日本はポツダム宣言第8項を遵守する」とだけ共同声明に書き込まれた。

ポツダム宣言8項は❶「カイロ宣言履行(WWⅠ以降の日本植民地放棄)」と➋「日本領土を比較的に大きい4島に局限し、付属する小島の帰属は連合国が決定する」に分かれている。日本の右翼は❶のカイロ宣言の無効性に戦術を絞って理屈の構築に熱中していたから、➋は盲点となっていたからだ。

田中首相の失脚後を継いだ福田赳夫岸信介の派閥に属し「タカ派」であった。彼は台湾を重視し、韓国の軍事政権と大陸棚油田の共同開発を打ち出して北京を怒らせた。北京の怒りは尋常ではなく、国際法違反だと問い詰められ、福田赳夫は誤りを認めて、日中平和友好条約の締結に漕ぎついた。

その日中平和友好条約の冒頭に「1972年9月29日に北京で日本国政府及び中華人民共和国政府が発出した共同声明が両国間の平和友好関係の基礎であり、その共同声明に示された諸原則が厳格に遵守されること」と明記された背景には、政権が代わると約束した前提を翻す日本政界への警戒がある。

その後の、日中共同宣言(1998年小渕恵三首相と江沢民国家主席)(2008年福田康夫首相と胡錦濤国家主席)と昨年の共通認識表明(楊潔篪国務委員と谷内正太郎国家安全保障局長)でも1972年日中共同声明日中関係の大原則として忠実なる遵守を再確認している。

後になって➋に気づいた右翼は「尖閣実効支配」に乗り出し、中国のナショナリズムを怒らせた。しかたなく訒小平が「棚上げ」を明示したが、日本右翼は納まりがつかないどころか、それを対中国戦争の口実に利用しようと考え、国連憲章敵国条項」と衝突し、安倍が南中国海に戦場を移動させた。

◆日中基本4文書2 日中平和友好条約(1978年)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/china/nc_heiwa.html(外務省HP)
①日本国及び中華人民共和国は、次の事項を確信した
・1972年9月29日に北京で日本国政府及び中華人民共和国政府が発出した共同声明が両国間の平和友好関係の基礎であり、その共同声明に示された諸原則が厳格に遵守されるべきこと
国際連合憲章の原則(敵国条項を含む)が十分に尊重されるべきこと
②双方は次の希望において一致した
・アジア及び世界の平和及び安定に寄与すること
・両国間の平和友好関係を強固にし、発展させるため平和友好条約を締結する
③双方の全権委員は、互いにその全権委任状を示し、それが良好妥当であると認められた後、次のとおり協定した。 (以下省略)

◆日中基本4文書3 平和と発展のための友好協力パートナーシップの構築に関する日中共同宣言(1998年 小渕恵三首相と江沢民国家主席
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/china/nc_sengen.html(外務省HP)
◆日中基本4文書4 戦略的互恵関係の包括的推進に関する日中共同声明(2008年 福田康夫首相と 胡錦濤国家主席
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/china/visit/0805_ks.html(外務省HP)
◆日中4項目共通認識(楊潔篪国務委員と谷内正太郎国家安全保障局長;2014年11月7日 )
http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/2014/647.html
・・・ここでも1972年日中共同声明からの4声明をに日中関係の大原則として忠実なる遵守を再確認している。


………(5) 安倍の願望は「中国との軍事衝突」………

ASEAN外相会議始まる 中国への対応焦点(NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150804/k10010177531000.html
①「中国と対立するフィリピンが共同声明の中に埋め立てを厳しく非難する内容を盛り込むことを目指している一方、中国に配慮を示している国も」
・日米菲の三国だけが中国非難
・他の国は中国との摩擦警戒
・南沙問題は中国が宋明以来の領土をマレーシアや菲国やブルネイなどに実効支配された問題であり、関係漁民の生活保護問題としてASEANと中国で協議
・西沙問題は越南と中国の二国間問題で議論対象外
・東沙問題も菲国と中国の二国間問題でこれも南中国海問題から切り離すべしがASEAN大勢

安倍は「後方支援は安全」と断言したが、後方支援こそ中心戦場。WWⅡで米軍は日本軍の兵站を2年で殲滅した。戦場に残された日本兵には弾薬も食料も届かず、餓死・病死140万人(戦死者の6割)。現代のゲリラ戦も先端武器を持つ日米の精鋭兵など相手にせず、その兵站をゲリラ攻撃する。

安倍は「日本を取り巻く安保環境の激変」も説明できない。アーミテージレポートを金科玉条にするが、ホルムズ海峡では米ミサイル駆逐艦がイラン領海侵犯し小戦闘。アーミテージはイラン沿岸軍港の機雷封鎖を自衛隊にやらせろと間接的表現で要求したものであり、掃海ではなく機雷敷設だ。

安倍の「積極的平和主義」も曖昧模糊としている形容詞句に過ぎない。安倍は本心を言えないのだ。安倍は東中国海の大陸棚の半分を分捕りたい、そのためには大陸棚の東端にある「尖閣」実効支配が大前提になる。日中中間線を、沖縄〜中国沿海の中間でなく、7割を日本の領域にできるからだ。

しかし、中国側が乗ってこない。「釣魚」実効支配を海警船で日本から取り戻したが、中国軍を出さない。自衛隊が「尖閣」防衛出動すれば、ポツダム宣言(無条件降伏)違反、国連憲章敵国条項」違反となり、中国が派兵できる。安保理も米国も「敵国条約」違反なら、口先だけで手出しできない。

安倍は矛先を南中国海問題に移して「中国の膨張主義と横暴」を国際宣伝したが、菲国だけが乗って、他のASEANは越南も含めて、日本を部外者と忌避している。安倍は南中国海での米軍核空母と核潜水艦の不自由航行云々を煽り、哨戒機を出動させ、更には中国の島を機雷封鎖するとまで言った。

安倍はまた『日本への攻撃の意思がない相手でも法律的には武力行使可能』と国会答弁。そして中国海での『臨検』という戦争行為まで言い出した。完璧なる憲法9条違反である。

安倍は結局、中国と軍事衝突を起こし、即座に米軍が加勢して、中国軍を現地で殲滅することを夢見ている。彼の「積極的平和主義」とは、最初に哨戒、次に機雷封鎖、その後軍事衝突、最後に米軍加勢で中国に勝ち、中国を黙らせたいのだろう。非常に危険な人物である。

(再掲)大日本帝国の侵略戦争と無条件降伏

(1) 徒然草百七段「愚かな政治家」ばかり
(2) 徒然草百十二段「日は暮れ、道は遠し」
(3) 終戦詔勅
(4) 無条件降伏とはポツダム宣言を全て受け入れること
(5) 平和憲法の制定で夢ふくらませた
(6) しかし軍隊はまたもや作られた
(7) 日中国交回復共同声明でポツダム宣言八項遵守を誓約している
(8) 自衛のための戦争の正体「三光作戦
(9) 安倍晋三の「貧国強兵」
(補足) 堀田善衛「上海にて」1959年 他


(1) 徒然草百七段「愚かな政治家」ばかり

むかし、戦争をすることによって生きる人たちがいた。侵略が唯一の王道楽土への道と思い込み、反戦や侵略批判の道義こそが日本社会の閉塞感の原因だといきり立ち、その勢いで国内を制圧し、中国を侵略し、王道楽土を満州に築こうとした。そんな人たちがまた、日本を支配している。

戦争犯罪の責任に頬かむりした連中の末裔が権力中枢に居座り、国内政局を有利にするための道具に中韓に対する無用な刺激を利用してきた。安倍は愚かだが危険人物。狡猾で陰湿で攻撃的なストーカー。

人我の相深く、貧欲甚だしく、物の理を知らず。ただ、迷いの方に心も速く移り、詞も巧みに、苦しからぬ事をも問ふ時は言はず。用意あるかと見れば、また、あさましき事まで問はず言ひ出だす。深くたばかり飾れる事は、知恵にもまさりたるかと思へば、その事、跡より顕はるるを知らず

・・・と、徒然草百七段にいう愚かな政治家ばかり


(2) 徒然草百十二段「日は暮れ、道は遠し」

人間の儀式、いづれの事か去り難からぬ。世俗の黙し難きに随ひて、これを必ずとせば、願いも多く、身も苦しく、心の暇もなく、一生は、雑事の小節にさへられて、空しく暮れなん。

日暮れ、途遠し。吾が生既に蹉跎たり。諸縁を放下すべき時なり。信をも守らじ。礼儀をも思はじ。この心をも得ざらん人は、物狂ひとも言へ、うつつなし。毀るとも苦しまじ。誉むとも聞き入れじ。(徒然草百十二段)

この段は白居易の詩の日本語訳である。その現代語解釈;
人の世の習わしとかしきたりとかは、人生に纏わりついて離れない。世間があれこれ煩いから仕方なく付き合っていると、あれも必要、これも欲しいと、体を痛めつけて、こころまでストレスに苛まれる。

そうやって、ひとつしかない人生は暮れてゆく。齢を重ねて人生の夕暮れとなったが、よくここまで生きてきたという感慨が湧いてこない。

私の人生は躓きの積み重ねであって、決断できる人生などとは全く無縁。決断する人をあさましいとは思っても、うらやましいとはついぞ思わなかった。

世間のしきたりのほとんどは、決断できるさもしい人間のあさましくも慇懃無礼な強制にすぎないから、世間との諸縁を虚空に投げ飛ばしたとしても、吾が人生に悔いは残らない。

世間の言う信用も礼儀も糞喰らえだ。残り少ない人生を、そんな無駄な付き合いに邪魔されたくない。えい! いまこそ放り投げるぞ。

そんな私をキチガイと罵る方が居ても気にしない。そんな人は他人が死ぬまで世間体に縛られ悶え死ぬることを善だと思い込んでいるのだから死神と同じだ。


(3) 終戦詔勅

“無条件降伏日”にして“国体護持記念日”
‥‥‥めでたさも中くらいなり俺らが夏

終戦詔勅”(玉音放送

原発爆発被曝や千兆円国債や3百兆円国家予算に象徴される『責任転嫁』の元祖のようで白々しいが、少々怒りを込めて意訳してみた。

『曩ニ米英二國ニ宣戰セル所以モ亦實ニ帝國ノ自存ト東亞ノ安定トヲ庶幾スルニ出テ他國ノ主權ヲ排シ領土ヲ侵スカ如キハ固ヨリ朕カ志ニアラス』

……米英に宣戦布告したのは東アジア諸国を欧米植民地の搾取から救わんがためであったと都合の良い言い逃れをしているが、中国との戦争はその存在すら認めていない。

『戰局必スシモ好轉セス世界ノ大勢亦我ニ利アラス加之敵ハ新ニ殘虐ナル爆彈ヲ使用シテ頻ニ無辜ヲ殺傷シ慘害ノ及フ所眞ニ測ルヘカラサルニ至ル』

……米英戦4年、中国との戦争12年に及んだが、7年前から中国戦線が膠着し、3年前からは敗戦に次ぐ敗戦で玉砕の連鎖。その責任に頬かむりして、国民の意識と努力が十分ではなかったと言い、米国が空襲と原爆で民間人を無差別殺戮しはじめたと、米国も非難。

『而モ尚交戰ヲ繼續セムカ終ニ我カ民族ノ滅亡ヲ招來スルノミナラス延テ人類ノ文明ヲモ破却スヘシ斯ノ如クムハ朕何ヲ以テカ億兆ノ赤子ヲ保シ皇祖皇宗ノ神靈ニ謝セムヤ是レ朕カ帝國政府ヲシテ共同宣言ニ應セシムルニ至レル所以ナリ』

……国民が戦争継続を要求し、さらに継続するなら、日本民族は滅亡まで戦うだろうし、日本民族の力は人類文明をも破滅させかねない。そうなったら、自分は代々の天皇の御霊にどのように謝罪したらよいのか? とアジアや国民への謝罪を露骨に拒否し、靖国で国民洗脳した犯罪を隠す。

『朕ハ帝國ト共ニ終始東亞ノ解放ニ協力セル諸盟邦ニ對シ遺憾ノ意ヲ表セサルヲ得ス帝國臣民ニシテ戰陣ニ死シ職域ニ殉シ非命ニ斃レタル者及其ノ遺族ニ想ヲ致セハ五内爲ニ裂ク且戰傷ヲ負ヒ災禍ヲ蒙リ家業ヲ失ヒタル者ノ厚生ニ至リテハ朕ノ深ク軫念スル所ナリ』

……東アジアの解放戦争に協力してくれた同盟諸国には遺憾の意を表する。日本国民の戦死者、公務殉職者、戦災被害者を悼み、遺族、戦傷者、家財職業喪失者の再起を祈念する、と言いながら莫大な数の中国やフィリピン国民が虐殺されたことには謝罪も無い。

『惟フニ今後帝國ノ受クヘキ苦難ハ固ヨリ尋常ニアラス爾臣民ノ衷情モ朕善ク之ヲ知ル然レトモ朕ハ時運ノ趨ク所堪ヘ難キヲ堪ヘ忍ヒ難キヲ忍ヒ以テ萬世ノ爲ニ太平ヲ開カムト欲ス』

……最後まで戦い抜きたいと言うお前たち国民の本心を私はよく理解している。しかしながら、私は時の巡り合せに逆らわず、堪えがたくまた忍びがたい思いを乗り越えて、未来永劫のために平和な世界を切り開こうと思うのである、とまあ、戦争継続責任も国民に責任転嫁して逃げた。

『朕ハ茲ニ國體ヲ護持シ得テ忠良ナル爾臣民ノ赤誠ニ信倚シ常ニ爾臣民ト共ニ在リ若シ夫レ情ノ激スル所濫ニ事端ヲ滋クシ或ハ同胞排擠互ニ時局ヲ亂リ爲ニ大道ヲ誤リ信義ヲ世界ニ失フカ如キハ朕最モ之ヲ戒ム』

……国体が護持されるなら自分と国民は共に過ごすことができる。だから、欧米に反抗したり、共産主義に国を乗っ取らせようとする輩を出現させないよう、お前たちも心せよ。

『宜シク擧國一家子孫相傳ヘ確ク神州ノ不滅ヲ信シ任重クシテ道遠キヲ念ヒ總力ヲ將來ノ建設ニ傾ケ道義ヲ篤クシ志操ヲ鞏クシ誓テ國體ノ精華ヲ發揚シ世界ノ進運ニ後レサラムコトヲ期スヘシ爾臣民其レ克ク朕カ意ヲ體セヨ』

……【国民への命令】神州は不滅であると確信し、復興責任を覚悟し、総力を結集し、既に誓ってある国の姿(国体)の真髄を再び発揚できるよう、国民は私の意を体(挺)して行動せよ。


(4) 無条件降伏とはポツダム宣言を全て受け入れること

ポツダム宣言の第八項…『「カイロ」宣言ノ条項ハ履行セラルベク又日本国ノ主権ハ本州、北海道、九州、四国 及吾等(連合国)ノ決定スル諸小島ニ局限セラルベシ』…1945年9月戦艦ミズーリ上で日本政府が無条件で受諾署名。

その意味:
◆概ね百年間に日本が得た外国領土は全て返還、
古来からの日本領と称する島々のうち、日本固有領は北海道、本州、四国、九州の大きい島に極限する
その他の小島をどの国に帰属させるかは連合国(米英蘭ソ中)が決定する。日本にその要求権は無い。

◆そして、戦争犯罪容疑者の逮捕と、国際法廷の設置もポツダム宣言に明記されていた。1945年8月14日に午前にポツダム宣言無条件受諾声明がNHK短波で送出されると、同時に軍部と政府は戦争犯罪証拠となりそうな全公文書の焼却を命じた。焼却命令は霞が関と六本木だけでなく全国の師団や自治体、そして外国にある公館や日本師団にも命令。

霞が関と六本木一帯はもうもうたる焼却煙に終日覆われ、それはマッカーサーが到着する8月の末までつづいたという。後に安倍晋三が「慰安婦を日本政府が強制徴集した公文書は発見されなかった。慰安婦の政府による強制徴集はなかった」と閣議決定しているが、公文書は真っ先に焼却されており、霞が関で見つかれば奇跡であった。故意に仕組んだ大嘘芝居だったが、下手くそ。
「黒い灰が空に舞っている。……東京でも各所で盛んに紙を焼いていて、空が黒い灰だらけだという。」高見順1945年8月16日付「敗戦日記」
陸軍文書、焼かれたはずが 天皇印や「原子爆弾」の記載(朝日)
https://digital.asahi.com/articles/ASL8G63TXL8GUTIL033.html

ソ連軍の急進軍があった関東軍憲兵隊本部(吉林省)では、焼却できず、本館地下の床下に埋めて逃げた。その憲兵隊公文書は最近発掘され、中国政府が公開している。その中には慰安婦や労働者の強制徴集関連の命令書や出張報告者や入手した削断腸命令書と憲兵日誌が30万頁。

吉林から中国全土に派遣された憲兵の任務命令書も、「外人記者を追い払え」「占領地の村長に慰安婦供出させる命令書を持参しろ」と命令書の写しもついて生々しい。

靖国について言うと、戦死者は軍属も合わせると、240万ではなく、330万人だとも記録。死亡原因は餓死、病死、突撃戦死、自殺、師団内処刑の順であるという。
これらが皇軍とそれに結託した岸信介ら若手官僚の戦争犯罪である。


(5) 平和憲法の制定で夢ふくらませた

憲法9条
1.日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

2.前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

・・・戦争の放棄:
このまえの世界戦争のあとでも、もう戦争は二度とやるまいと、多くの国々ではいろいろ考えましたが、またこんな大戦争をおこしてしまった。こんどの戦争をしかけた國には、大きな責任がある。

こんどの憲法では、日本の國が、けっして二度と戦争はしないように、二つのことをきめました。その一つは、兵隊も軍艦も飛行機も、およそ戦争をするためのものは、いっさいもたない。

けっして心ぼそく思うことはありません。日本は正しいことを、ほかの国よりさきに行ったのです。世の中に、正しいことぐらい強いものはありません。

もう一つは、よその國と争いごとがおこったとき、けっして戦争によって、相手をまかして、じぶんのいいぶんをとおそうとしないということをきめた。また、戦争とまでゆかずとも、國の力で、相手をおどすようなことは、いっさいしないことにきめた。

・・・この憲法9条解説文は誰が作ったかお分かりですか?

どこか左翼の機関紙ではありません。文部省が1947年8月に発行した新憲法の中学生向け教材なのです。しかし、自民党は文部省の赤狩りを行い、米国の安全条約に縋って、冷戦終結も無視して、今日の日中戦争危機にまできたのです。


(6) しかし軍隊はまたもや作られた

しかし、軍隊(自衛隊)は作られた。自衛のための軍隊を憲法は禁止していないというこじつけで。このこじつけは9条第二項冒頭の接続句「前項の目的を達するため」を利用した。1項の「国際紛争を解決する手段」以外の軍隊の保持は禁止していないと強制付会した上にである。

国会に国会提出の前夜何者かによって「前項の目的を達するため」が挿入されていたが、誰も気付かずに国会決議が行われ成立した。文部省が作成し中学生に使用された憲法読本でも気付いていなかったほど巧妙な新憲法草案の差し替えであった。誰がこれをなしたのかいまだ不明である。

そして、
岸信介は「前項の目的を達するため」を唯一の拠所にして安保改定を強行し、
中曽根は日本列島を米国防衛のための「浮沈空母」にすると公言し、
岸信介の孫安倍晋三は「自衛の為の核兵器保有憲法は禁止していないと」大学で講演した。

「ところで今年は安保継続を検討します。冷戦が終結して20年以上経過しました。テロ戦争と言われますが、それなら、遠く日本領土に常駐軍を配備するのは非効率でコストのかかるやり方と日本は考えています」と言えば良いのである。

『テロ戦争』のマヤカシが暴露されたら、今度は日本やフィリピンが突進する対中国紛争を米国政府が裏であおり、表では合同軍事演習を毎月のように繰り返す米軍。カネも尽きて日本や中国からの献金で生き延びている米国の存在を何と歴史家は表現するのだろうか。

※安倍や麻生らの改憲
9条1項は維持し、2項を破棄するという有力案がある。
第1項は第一次世界大戦後に締結された多国間条約そのままである。侵略戦争戦争犯罪と規定し、侵略できるほどの軍備は不要であること、従って自衛のための軍備は否定していないと解釈する。

しかし、ヒットラーによって自国防衛のための隣国領土併合として、また日本によって「帝国防衛の生命線である満蒙の維持占領」として、防衛を理由とする侵略戦争が再び起こった。「侵略軍」と名づけられた軍隊は無い。「国防軍」こそが侵略戦争を起すのだ。

日本は新憲法でその反省を行った結果、9条に2項を追加した。つまり、第1項は侵略戦争の放棄というどの国にもあるもの、第2項は国防軍も放棄するという精神であり、コスタリカなど極めて少数の国にある深い反省。軍部は他国を侵略し、またクーデターを起すからだ。

だから非武装について、文部省の教材は言う、「このまえの世界戦争のあとでも、もう戦争は二度とやるまいと、多くの国々ではいろいろ考えましたが、またこんな大戦争をおこしてしまった。こんどの戦争をしかけた國には、大きな責任がある。」(続)

「およそ戦争をするためのものは、いっさいもたない」「けっして心ぼそく思うことはありません。日本は正しいことを、ほかの国よりさきに行ったのです。世の中に、正しいことぐらい強いものはありません」

最近の安倍晋三は、9条1項と2項をそのままに、3項「自衛隊は合憲」的加憲を言い出した;
これは、創価学会信者の選挙協力を維持しながら、憲法9条全体を破壊する前段として3項を加憲し、自衛隊の正当化を憲法で規定しようとしている。


(7) 日中国交回復共同声明でポツダム宣言八項遵守を誓約している

日中共同声明】(1972年9月29日田中角栄周恩来両首相が署名)

3項…「台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを日本国政府は十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する」

竹島帰属について気になる文献(Wiki2010):
・元禄9年:江戸幕府徳川綱吉−老中柳沢吉保)が鬱陵島(当時の竹島)への渡航を禁止。鎖国令に抵触するが、海難による立ち入りは黙認すると
明治10年3月29日太政官指令「日本海竹島外一島ヲ版圖外ト定ム」

尖閣竹島の帰属は文献を読むほどに日中・日韓の共有が、せいぜいいいところだと思われてくる。詰りあいや小競り合いを放置すると、政府は未必の故意責任を問われ高い代償を払わされる。ろくなことはない。

江戸幕府老中と明治政府太政官指令は「鬱陵島竹島と取り違えた」と有吉佐和子らが主張し、それで国内は勇躍した。琉球や島根の人たちにとって、それぞれの島は中国や台湾や朝鮮の漁民たちと共有する避難場所であった。海に生きる人たちにとって国境ほど迷惑なものはない。


(8) 自衛のための戦争の正体「三光作戦

三光作戦とは、日本軍が発令し、主に中国共産党八路軍の抗日根拠地に対して実行された作戦命令であり、《殺光》=殺し尽くす、《焼光》=焼き尽くす、《搶光》=奪い尽くすを根本とする。

陸軍作戦命令;
・敵性ありと認め得る住民中、十五歳以上六十歳迄の男子は《殺戮》せよ
・隠匿せる武器弾薬や糧秣などは《押収》か《焼却》せよ
・敵性と認め得る部落は《焼却破壊》せよ」「敵根拠地を燼滅掃蕩し、 敵をして将来生存するに能はざるに至らしめよ」

陸軍作戦命令は虐殺放火による燼滅掃蕩だけでなく、大量の毒ガス兵器をも使用し、抗日根部落の「無人区」化が図られた。華北の抗日根拠地とされた地域の人口は、 四千万人から二千五百万人に、一千五百万人も減少。

帝国陸軍兵站の根本は“現地調達主義”でした。特に中国戦線で。日本兵は戦闘と農家を襲うことが同じウエイトであったようです。その結果が“三光作戦”という名で正当化されました。“奪いつくせ、焼き尽くせ、殺しつくせ”という作戦命令です。

農家で食料を調達すると、帝国陸軍の所在が中国軍に通報される。だから、食料を奪った後に全員殺害する。隠れている者をあぶりだすために農家を焼く。これが帝国陸軍の根本であった。

兵は現地農村からの食糧調達を命じられたが、将校たちは大日本帝国から補給される食料でかなりの贅沢をしていた。兵に食料は無かったが、将校たちは補給食料で贅沢していた。兵は山中に餓死し、将校は生き残って、高度成長期に企業役員に出世したものが多い。

帝国軍人、特に陸軍士官学校卒業生は官僚以上に官僚的であった。帝国陸軍将校は前線に出ず、安全な後方で作戦命令を出している。食事も贅沢三昧。出世競争に明け暮れていた。自分の作戦が成功すればあとはどうなってもいい、という具合である。

帝国陸軍の将校たちは“官僚”である。作戦を認めさせるためにはでっち上げ事件を数多く起こした。一度決めた作戦は、どんなに愚劣であっても、絶対に変更しなかった。その官僚体質が中国侵略に突き進ませ、あげく泥沼に嵌まり込んだ。

陸軍将校は、利用価値の無いダムや空港等を造って、自然と農業を破壊し、国民に借金の山を押し付けても平気である戦後官僚と全く同じ。だから、“国体の護持”とは“天皇制”の維持ではなく、天皇制を利用した“官僚主権”の維持を意味している。

その日本を不幸にする悪の権化である官僚主権が崩壊したと思ったが、野田政権以後の官僚の陰謀、策術は昭和初期の陸軍を彷彿とさせる。菅以降の内閣は復活した官僚主権の傀儡である。

戦争犯罪者である国体(天皇を中心とする官僚独裁)が命永らえた原因は朝鮮戦争と東西冷戦の勃発にある。これによって、戦争犯罪裁判が突如閉廷となり、賠償金も実質1兆円という雀の涙で済み、日本が反共の砦として再建され、アジア各国の繁栄に注力さえすれば良かったからである。

この軽すぎる賠償金と氷山の一角しか起訴されなかった戦争犯罪裁判が日本人から反省心を抜き去り、『未来志向』などと加害者が絶対に言ってはならないことを当然視し、挙句の果てに歴史の事実を貶め、『自虐史観』だと多くの国民が扇動される結果を招いた。


(9) 安倍晋三の「貧国強兵」

昔、富国強兵で財を抱き込んだのは1%。今も1%が非正規雇用社会保障積立金を摘み食いし、解雇の自由を謳歌しながら消費税の還付に潤い、国外の空洞化先で税制優遇を受ける。そんな1%がネットウヨレベルの知能しかない世襲人間を首相に据えている。

最早したい放題の様相で隠し切れない彼らの悪性。欲望を押えれば富国が出来ない。優しさは従業員奴隷化に邪魔。これがサッチャーリズムとレーガノミックスの根底。しかし、地球全体を暗黒化してから彼等は後悔していた。レーガンは懺悔し、サッチャーは罪悪感の重圧につぶされた。

憲法精神の欠片も感じられない国になってしまいました。
そうです、まさしく『国体は護持』されていたのです。
それが安倍晋三経団連に象徴的です。



∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

(捕捉) 堀田善衛「上海にて」1959年 ちくま学芸文庫

国民党の実態も酷いものであったが、米国も劣らずエゴ丸出しで偽善者ぶっていた。国民党支配下の上海1945〜49、「米国は過剰生産で捨てる製品を洪水のように救援物資として運び込んで、上海の土着企業をことごとく倒産させた。それを中国人は“救済され過ぎて昇天した”と」

一方国民党、「戦後の国民党内では封建的地主勢力よりも、買弁的、官僚資質要素の方が優越していて、解放後の上海の労働者は悪夢のような地獄を見た」

これでは、蒋介石がいくら清廉であるとしても、国民党が支持されるはずも無かった。国民党はサイゴンから追い出された米国のように、上海から海に追い落とされて台湾に逃げるほかなかった。自業自得である。(しかし周恩来は、国民党は敵であるが、蒋介石には一定の尊敬の念があった)

そのとき日本は……上海で聞いた8.15天皇放送
天皇はなんと挨拶したか。負けたとも降伏したとも言わぬ。
『遺憾ノ意ヲ表セサルヲ得ス』、という、嫌味な二重否定、
それっきりであった」

「その薄情さ加減、エゴイズム。放送が終わると、私は何という奴だ、何という挨拶だ、お前の言うことはそれっきりか、それで事が済むと思っているのか、という、怒りとも悲しみともなんともつかぬものに身がふるえた」

「弁解とか、戦争の正当化とか、通り一遍の詫び言などというのではなくて、正確な一言」を言わないから、戦争は永久に清算されず、人間同士の交わりも皮相なものが続くだろう。双方にとって非常な不幸である。(それが、今また、精神的不幸の度合いを増している)

「あれから14年。あの放送を聞いて怒りだしたという人には、会ったことがなかった」

※日本人は「社会主義的安定」を捨てて、「資本主義的不安定の面白さ」を選択させられたかに見える。得たものは、エコノミックアニマル化して得た巨額の在外資産。失ったものは、精神の荒廃。

(参考)終戦詔勅の口語訳
http://homepage1.nifty.com/tukahara/manshu/syusensyousyo.htm

『私は、深く世界の大勢と日本国の現状とを振返り、非常の措置をもって時局を収拾しようと思い、ここに忠実かつ善良なあなたがた国民に申し伝える。

私は、日本国政府から米、英、中、ソの四国に対して、それらの共同宣言(ポツダム宣言)を受諾することを通告するよう下命した。
そもそも日本国民の平穏無事を図って世界繁栄の喜びを共有することは、代々天皇が伝えてきた理念であり、私が常々大切にしてきたことである。先に米英二国に対して宣戦した理由も、本来日本の自立と東アジア諸国の安定とを望み願う思いから出たものであり、他国の主権を排除して領土を侵すようなことは、もとから私の望むところではない。

ところが交戦はもう四年を経て、我が陸海将兵の勇敢な戦いも、我が多くの公職者の奮励努力も、我が一億国民の無私の尽力も、それぞれ最善を尽くしたにもかかわらず、戦局は必ずしも好転していないし、世界の大勢もまた我国に有利をもたらしていない。それどころか、敵は新たに残虐な爆弾(原爆)を使用して、しきりに無実の人々までをも殺傷しており、惨澹たる被害がどこまで及ぶのか全く予測できないまでに至った。

なのにまだ戦争を継続するならば、ついには我が民族の滅亡を招くだけでなく、ひいては人類の文明をも破滅しかねないであろう。このようなことでは、私は一体どうやって多くの愛すべき国民を守り、代々の天皇の御霊に謝罪したら良いというのか。これこそが、私が日本国政府に対し共同宣言を受諾(無条件降伏)するよう下命するに至った理由なのである。

私は、日本と共に終始東アジア諸国の解放に協力してくれた同盟諸国に対しては遺憾の意を表せざるを得ない。日本国民であって前線で戦死した者、公務にて殉職した者、戦災に倒れた者、さらにはその遺族の気持ちに想いを寄せると、我が身を引き裂かれる思いである。また戦傷を負ったり、災禍を被って家財職業を失った人々の再起については、私が深く心を痛めているところである。

考えれば、今後日本国の受けるべき苦難はきっと並大抵のことではなかろう。あなたがた国民の本心も私はよく理解している。しかしながら、私は時の巡り合せに逆らわず、堪えがたくまた忍びがたい思いを乗り越えて、未来永劫のために平和な世界を切り開こうと思うのである。

私は、ここに国としての形を維持し得れば、善良なあなたがた国民の真心を拠所として、常にあなたがた国民と共に過ごすことができる。もしだれかが感情の高ぶりからむやみやたらに事件を起したり、あるいは仲間を陥れたりして互いに時勢の成り行きを混乱させ、そのために進むべき正しい道を誤って世界の国々から信頼を失うようなことは、私が最も強く警戒するところである。

ぜひとも国を挙げて一家の子孫にまで語り伝え、誇るべき自国の不滅を確信し、責任は重くかつ復興への道のりは遠いことを覚悟し、総力を将来の建設に傾け、正しい道を常に忘れずその心を堅持し、誓って国のあるべき姿の真髄を発揚し、世界の流れに遅れを取らぬよう決意しなければならない。

あなたがた国民は、これら私の意をよく理解して行動せよ。』
1945年8月15日 昭和天皇裕仁

………………【石垣りん詩集】………………

私はこのごろ不安な心で 滅びの仕度について、考える
貧しければ親族にも甘えかねた さみしい心が解けてゆく

私もくたぶれた時間を食べて 自分の糧にする
貧乏のネウチ 溜息のネウチ 野心を持たない人間のネウチが どうして高値を呼ばないのか

そこぬけに善意の御方とうかがえば 善とは何でありましょう あなたはどなたでいらっしゃいますか

精神の恥部はまるだしで 顔に化粧するご愛嬌 このへん、みんなカッパだから まあいいや

一円玉は 千円ほど人に苦労をかけず 一万円ほど罪深くもなく はだかで健康な女達と一緒に お風呂などにはいっている

新年 と言ってみたところで それは昨日の今日なのだ
戦争の記憶が遠ざかるとき、 戦争がまた 私たちに近づく そうでなければ良い

苦労のつるに 苦労の実がなっただけ (だけどそんなこと 人にはいえない)
魚や 鶏や 獣は あんなにおいしいおいしい死にかたをする


……………………茨木のり子さんの詩……………………

【鄙ぶりの唄】
何故国歌など ものものしくうたう必要がありましょう
おおかたは侵略の血でよごれ 腹黒の過去を隠しもちながら
口を拭って起立して 直立不動でうたわなければならないか
聞かなければならないか 私は立たない 坐っています

疎開児童も】
佳きものへの復元力がないならば それは精神文化とも呼べず
もし 在るのなら 今どのあたりで寝ぼうけているのだろう

【倚りかからず】
もはや できあいの思想には倚りかかりたくない
もはや できあいの宗教には倚りかかりたくない
もはや できあいの学問には倚りかかりたくない
もはや いかなる権威にも倚りかかりたくない
ながく生きて 心底学んだのはそれぐらい

自分の耳目 じぶんの二本足のみで立っていて なに不都合のことやある 
倚りかかるとすれば それは 椅子の背もたれだけ

【あの女(ひと)の棲む国】
ある年の晩秋
我が家を訪ねてくれたときは
荒れた庭の風情がいいと
ガラス戸越しに眺めながらひっそりと呟いた
落葉かさこそ掃きもせず……

日本語と韓国語ちゃんぽんで
過ぎこしかたをさまざまに語り
こちらのうしろめたさを救うかのように
あなたとはいい友達になれると言ってくれる…… 

【笑う能力】
「先生お元気ですか 我が家の姉もそろそろ色づいてまいりました」

「ウエーターがうやうやしくデザートの説明」
洋梨のババロワでございます」
「なに用無しのババア?」


………………小説「動物農場」(オーウェル)………………

民主革命が成功し、独裁領主(自民と利権官僚)が追い出された。ところが、革命に貢献しなかった連中が汚い手を使って、革命に命捧げた優しい動物を粛清して、人間支配時代よりも腐った独裁政権を作った……オーウェルスターリン批判。だが、今の日本も、

独裁野田政権は不安定であった。あまりの独裁ぶりにおとなしい動物たちが反感を抱き始めたからだ。そこで独裁政権は追放した農場主(自民と利権官僚)を呼び戻して、革命に命をささげた貢献者小沢氏を逮捕せんとし、農場主に食肉として売り飛ばそうとした。

その後、強欲人間及び利権官僚と結託した野田独裁政権は、密告を奨励し、従わないもの達を分断し孤立させ、全ての挙動を逐一監視する社会システムを作って(小説「1984」オーウェル)……そしてどうなったか?…八尾呂図の神も、日本列島権力者の達のすざましい腐敗にに怒り原発を大爆発させ、

主役は、食肉用家畜豚……豚の名誉のために一言……豚は神経質なまでに潔癖症で清潔好きです。権力の野に放たれた強欲豚とは違います。腐臭にまみれた危険な原発を再稼働させるはずはありません。

ほんとの豚なら、利権維持だけの為に江戸時代の平均を遥かに上回る大増税を強行するはずはありません。国民支持が6%に激減したら、石原慎太郎に国民目暗ましをさせ、中台韓を激怒させた。野田は豚の風体をした、死神なのでしょう。


…………【言葉と戦車を見据えて(加藤周一)】…………

それ自体としても、他から見ても、とにかく堕落し、退廃し、機能を喪失し、殆ど思想界などと云うものは存在せざるに至った。

思想が現実を改造するどころか、解釈する能力さへも失ってゆく崩壊の過程を彩る奇怪にも浅薄な衣装‥‥日本主義は消極的には現実感覚の欠如であり、積極的には帝国主義政策の伴奏である。

現実感覚を喪失した政治家が空想的戦争を始めた如く、現実感覚を喪失した絶対弁証法は空想的論理を手当たり次第に展開する。「国家の哲学の急務」はその最も美しい花束であろう。

一時代、一社会、一階級からその中にある精神が孤立することは不可能である。経済の下部構造は無論観念の上部構造の全ては決定しないだろうが、少なくとも部分的には必ず制約する。荷風さへも、反時代的であることに依って、超時代的とはなり得なかった。

即ち未来の社会に積極的に参加する他はない。そしてそれは革命的であることに依り、ただ行為を通じてのみ可能である。観念的立場を放棄し、行為のために思索することに依ってのみ、人間精神は時代を超えるであろう。


‥‥‥‥‥‥‥‥‥オーウェル評論集‥‥‥‥‥‥‥‥‥

【どんな不誠実な行為でもやってのける自己欺瞞を含む権力願望】
似非ナショナリストは忠誠心なしには生きてゆけない。その忠誠心は、その対象を簡単に変えることがある。対象は外国であっても差し支えがない。いや、インテリの場合は外国に変えてしまうことが多い。

何処に忠誠心を置くかを決め、次に自分の立場の根拠となる説明を探しにかかる。しかし、その根拠は強く見せたいとかの願望に基づいているから、星占師と同じである。それで、思想傾向が自分の気に入らない人に対して、くだらない人格の持ち主であると決め付けてしまう。

味方の不誠実な行為を非難しないだけでなく、耳にも入らないという、すばらしい特技を持っている。そして、都合の悪い過去は改変できるものだと信じている。要は、自分の属する組織が他の組織を圧倒しているという気持ちを味わいたいだけである。)


………………【れくいえむ】寺山修司………………

「マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや」(祖国喪失 寺山修司

疑惑国会、「嘘」が書き換える「現実」

※1 ◆は参照報道;①〜はその要点で、論旨明確化と背景説明を加えた「意訳」です。敬称略。
※2 ❶〜や※で始まる文章は私見です。
※3 Web登録後も関連報道などを追記します。

◆疑惑国会、うそが書き換える「現実」 市民覆う冷笑主義(朝日)
https://digital.asahi.com/articles/ASL7N4PQCL7NUCLV00V.html
➀「真実」は語られず、採決の強行は繰り返された。批判の先鋒である野党への支持も広がらない。
 通常国会が22日、閉会した。現代日本社会は冷笑主義に陥っている。

安倍晋三首相の国会答弁も物議を醸した。昨年2月、森友学園の国有地売却問題に自身や妻の昭恵氏が関与していた場合、「総理大臣も国会議員も辞める」と断言した直後に財務省が公文書を改竄し廃棄した。

③ところが安倍首相は今年5月、自身の発言についてこう釈明した。
「贈収賄では全くない。そういう文脈において一切関わっていない」
 贈収賄を自分で加え、それが無いから「関与」していないのだと強制付会。

➍安倍のこの種の虚言癖は誰でも知る事実だが、問題は社会の反応である。前言を翻した「うそ」と追及した野党やメディアに対し、『有権者』からは「他に議論すべき問題があるのでは」という冷ややかな反応も目立った。

➎「他に議論すべき問題」とは「高プロ」という労働者奴隷化と、「カジノ法」という金貸し付きギャンブルで税金を稼ぎ、トランプへの忠誠心の証にする法案などだ。

⑥政治思想家ハンナ・アレント、「伝統的なうそは、まず正しい現実があることを前提としてそれを隠すことを言う。一方、現代のうそは、「何が現実なのか」という基準自体を破壊する」

⑦安倍首相の「関わっていたら辞める」発言の後に「『現実』であるはずの公文書が書き換えられ、その『うそ』の記述にあわせて『現実』自体が変えられていった」

⑧うそに合わせて現実が破壊されることが横行すると、国会の議論自体がまともに機能しなくなって、政治の土台が覆され、市民は冷笑主義に陥っていく。

➒安倍らは、日本会議を舞台に、戦前の軍国主義を賛美するために『歴史事実』を『嘘』で置き換えて、その嘘を『現実』だと洗脳にかかる。洗脳効果を確実にするために、学校教育からマスコミ、はては町会にまで官邸サイドが介入し、人事を掌握しようとする。

社会保障費が増え続け、国債発行を重ねる財政状況だが、痛みを伴う抜本的な政策は先送りされる。大した問題では無いという「横着なうそ」に社会の4割が乗る。

⑪「そもそも誠実さのハードルが下がっていて、『モリカケ』も大した問題となり得ないのではないか」と社会の大勢が思い始めたら、もう奈落への途から後戻りは困難だ。

⑫「1強」権勢が政権にあると、野党が「嘘」を追及しても、「横着なうそ」で押し通されてしまう。真相が見えてきても、国民は「大した問題ではない」の意識に凝り固まっているから、打撃は少ない。批判はむなしくなって絶望は深まり、社会の分断は増すばかりだ。

⑬政権の「うそ」が打撃となるには、政権交代できるような対抗勢力が必要という。そのためには「横着なうそ」ではなく、将来への覚悟を有権者に突きつけたうえで、それでも希望をともすような「雄弁」さが求められる。

⓮「政治において、対抗勢力が軋轢や反発を生む激しい批判をするのは、正当な民主主義的な仕事だ」だが、それを認めない社会風潮だ。理由などどうでもよく「野党はなんでも嫌い」で、「安倍が犯罪的政策を推し進めようと、たいした悪ではない」からと安倍を支持する。

⓯安倍が教育基本法を事実上破壊して、義務教育に介入して12年が経過する。安倍の洗脳教育を受けた子供も27歳になり選挙権を持つ。彼らの7割が「野党嫌い」で「与党への同調圧力に組して」さらには「安倍大好き」なのは、教育体系が学校内の雰囲気も一変させて、戦前の「隣組」(大政翼賛会の最末端)に戻して、「空気を読め」を子供に強制した結果だろう。

⑯野口雅弘・成蹊大教授「丸山真男の弟子である藤田省三を講義で紹介して、学生に感想を聞くと、藤田のスタンスに対して「老害」「悪口ばかり」といった、強い反発の言葉が並んだ。「流れに抵抗することを否定し、自分が『野党』的存在にならないように慎重に振舞う。今こうした風潮の広がりを感じる」

⓱40年前に大企業に入ったら、専務が「会社の門を入ったとたんに憲法は無効になる、わかったな」と放言した。酒席だったから本音がでたのだろう。軍事侵略には負けたが、今度は経済侵略だと、同調圧力を高まらせ、異質な存在を排除する民主主義の否定が始まっていた。

⓲若い人に政治批判をいうと、煙たそうな顔をして黙り込み、下世話な話題に替えてくる。そういう『与党から排除する警告』が蔓延れば、安倍晋三の親衛隊も増える。日本会議や安倍チルドレンと呼ばれる閣僚級や国会議員らだ。参院「特別枠」まで作った安倍。もう『終身大統領』間違いなし。

⓳「野党がだらしないから」とマスコミ大宣伝。
・『偽野党』を小池百合子前原誠司に作らせ、前回総選挙は惨敗のはずが安倍が完勝
・『国民民主党』は、『与党から排除されることを恐れ』、邪悪な安倍法案に公明のような些末な捕捉を加えることを『党是』にしたから、維持率が0%になった。

⓴偽野党の国民民主党は次回選挙で消滅する。しかし、安倍晋三独裁体制を強化し、日本国民を奈落に突き落としてからの消滅になる。特攻精神そのものだ。維新も国政では消滅に近いがサッカーの大口叩きがしゃしゃり出て、しばしの延命画策を安倍が支援する。そのためにもカジノは必死アイテムだ。

(21)『偽野党』に騙されてはいけない、前原は民主党を二度も偽野党化した犯罪者だ。彼は『小池新党』で安倍の独裁体制を維持させ、次に玉木らに疑似野党『国民民主党』を作らせ、そのまた次には『小泉新党』である。小泉の横には細野が座っている。これも偽野党だ・・・騙されてはならない!

板門店宣言―文在寅・金正恩会談

※1 ◆は参照報道;①〜はその要点で、論旨明確化と背景説明を加えた「意訳」です。敬称略。
※2 ❶〜や※で始まる文章は私見です。
※3 Web登録後も関連報道などを追記します。

◆[全文] 「朝鮮半島の平和と繁栄、統一に向けた板門店宣言」(ハンギョレ新聞)
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/30421.html

朝鮮半島にもはや戦争はなく、新たな平和の時代が開かれた。
 冷戦の産物である長年の分断と対決を一日も早く終息させ、
 民族的和解と平和繁栄の新しい時代を果敢に開く。

民族自決の原則を貫きそれを履行
・双方の当局者が常駐する南北共同連絡事務所を開城地域に設置する
・当局、国会、政党、地方自治体、民間団体など各界各層が参加する民族共同行事を積極的に推進
アジア競技大会をはじめ、国際試合に共同で出場し、民族の知恵と才能、結束した姿を全世界に誇示する
・南北赤十字会談を開催して離散家族・親戚の再会を含む諸問題を協議し、解決する
・東海線と京義線鉄道と道路を連結し現代化

③軍事的緊張状態の緩和
・一切の敵対行為を全面的に中止
・西海(黄海)の北方境界線一帯での漁業協定
・国防部長会談、将官級会談を定期化

④恒久的で堅固な平和体制を構築
・「相互不可侵」
・「段階的軍縮
・「南北米」3者または「南北米中」4者会談の開催
・目標は「完全なる非核化」

朝鮮半島の非核化を実現させる国際環境を作る
・朝鮮側の主導的な非核化措置が非常に有意義で重大であるという共通認識を基盤として、南北はそれぞれ自分の責任と役割を果たす
文在寅大統領は今年秋に平壌を訪問する

2018年4月27日
板門店
大韓民国大統領 文在寅
朝鮮民主人民共和国国務委員会委員長 金正恩

忘備録―加計、森友、イラク派兵

※1 ◆は参照報道;①〜はその要点で、論旨明確化と背景説明を加えた「意訳」です。敬称略。
※2 ❶〜や※で始まる文章は私見です。
※3 Web登録後も関連報道などを追記します。

◆(社説)加計と森友 はぐらかし、いつまで(朝日)
https://www.asahi.com/articles/DA3S13446683.html
➀行政の信頼を根底から揺るがす事実が次々と明るみに出る。
森友学園をめぐる財務省の決裁文書の改竄
・「首相案件」という文書が見つかった加計学園獣医学部新設
防衛省自衛隊の日報隠し
・・・
➁森友・加計問題では、自身や妻の昭恵氏の関わりも指摘され、安倍首相の説明責任が問われる重大局面だ
③しかし、首相は野党の質問に正面から答えず、紋切り型の答弁に終始した。これでは、国民の信頼回復など到底おぼつかない
④とりわけ注目されたのが、加計問題をめぐる愛媛県の文書に対する見解だ。2015年4月に柳瀬唯夫首相秘書官(当時)の発言「本件は、首相案件」と記されていた
⑤論理的には、県か柳瀬氏のいずれかがウソをついていることになる。だが、首相は学部新設までのプロセスは適正で、自らが指示したことはないという答弁を繰り返した
⑥県の文書には、15年4月以前に首相と加計孝太郎理事長が会食し、獣医学部の問題を話題にしたととれる記述もあった。「学園の計画を知ったのは、学園が特区の事業者に決まった17年1月20日だ」としてきた首相の国会答弁が覆る
⑦森友問題では、地中のごみ撤去をめぐり、財務省が学園側に口裏合わせを求めた問題が取り上げられたが、誰がどんな判断で指示したのか、核心に触れる説明はなかった
通常国会の会期はあと2カ月余り。柳瀬、加計両氏ら、関係者の証人喚問などを通じ、立法府は行政監視の使命を果し、政権も真相解明に全力をあげる責務がある。
⑨はぐらかしは、もう許されない。首相自身の信任が問われている。


【加計疑獄】

愛媛県知事が忘備録作成職員に面談し
「真面目で信頼できる職員だった」
「政府は正直に告白し謝罪したらどうか」
「忘備録は文科省国交省農水省に配布された」
愛媛県地域政策課の高石課長か宇佐美主幹か読売取材に応じ、 以下を述べた
「忘備録は私が作成した」
「柳瀬秘書官と面会した」
「柳瀬秘書官が『首相案件」』と発言した」
加計学園幹部三人も同行した:
加計学園事務局長 渡邊良人
・千葉科学大教授 吉川泰弘
加計学園相談役 田丸憲二
➍忘備録が文科省国交省農水省で発見された
➎柳瀬と愛媛県の忘備録が真正面から対立している
愛媛県知事と忘備録作成者ら柳瀬に面会した職員は国会証人喚問に応じるであろう。

真山勇一 参議院議員‏認証済みアカウント @MayamaMia 4月11日
国会審議はいまや無秩序状態。 きょうの衆院予算委、答弁は不誠実、資料は隠ぺい、事実も認めない。挙句は『総理秘書官』(※佐伯耕三秘書官(経済産業省出向で安倍晋三のスピーチライター)が質問者に向かって、ヤジを飛ばすという前代未聞の場面を目撃。権力を傘にきた行為はここまで…

◆首相「秘書官発言を信頼」 獣医学部新設への介入を否定(朝日)
https://www.asahi.com/articles/ASL4C5FXJL4CUTFK029.html
加計学園の問題では、15年4月に当時の柳瀬唯夫首相秘書官が愛媛県や同県今治市の職員らと首相官邸で面会し、「本件は、首相案件」と述べたとされる同県の文書が焦点になった
➁首相は文書について「コメントは差し控えたい」と答弁は避けつつ、 愛媛県今治市の職員に会った記憶はないとしている柳瀬氏について「柳瀬(元)秘書官の発言を私は信頼している」 「獣医学部新設に至る過程についても、私から指示を受けたという方は一人もいない」と介入を改めて否定した
③加計孝太郎氏からの働きかけについて、首相は「獣医学部新設について相談や依頼があったことは一切ない」と指摘。計画を初めて知った日付も、加計学園が事業者として認められた17年1月20日だと従来の答弁を繰り返した
④一方、愛媛県今治市の職員が15年4月に官邸に訪れたことについては、政府は入邸記録は破棄されて確認できないとしてきた
愛媛県の文書と柳瀬氏の主張とが食い違っている。野党は柳瀬氏の証人喚問を要求。与党内には国会招致に容認論も出ている。

◆愛媛側の来訪 事前伝達 15年3月 官邸側が文科省に(東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201804/CK2018041202000157.html
愛媛県今治市の幹部ら一行が柳瀬首相秘書官(当時)に面会する直前の2015年3月、官邸側から文科省に「愛媛県今治市加計学園の関係者が近く首相官邸を訪問する」と伝えていた(文科省関係者)
➁柳瀬氏は「自分の記憶の限りでは、県や市の方に会ったことはない」としているが、文科省関係者の証言で県文書の信ぴょう性があらためて裏付けられた
文科省関係者は「一自治体の職員が首相官邸を訪問することは、普通に考えて、あまりない。何らかのルートを使ったのだろう」とみている
④当時、加計学園は学部開設に向け、慎重な姿勢の文科省と水面下で交渉を重ねていた。文科省関係者によると、同省は学園に既存の獣医大学との差別化を図ることなどを求めていたが、満足な回答がなかったという
愛媛県作成の文書には、「先日安倍総理と加計孝太郎理事長が会食した際に、下村文科大臣が加計学園は課題への回答もなくけしからんといっているとの発言があった」と記されている。

◆加計は「首相案件」の衝撃ー良識ある官僚の反乱が始まった(日刊ゲンダイ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/226951 … #日刊ゲンダイ
朝日新聞が安倍首相らの虚偽答弁を暴く財務省文書や愛媛県文書を発掘し厳しく追及をしている
東京新聞も、加計がらみのスクープ、「内閣府の藤原豊次長が同じ15年4月2日、愛媛県今治市職員に『要請の内容は総理官邸から聞いている』として、国家戦略特区の利用を助言した」と報じた
③これらは、16年9〜10月に内閣府側が「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向」などと発言したとされる文科省の記録とピッタリ符合する。その1年半前の時点で、すでに「首相案件の加計ありき」だったことになる
④朝日も東京新聞も情報ソースは「政府関係者」。次々と新しい材料が暴露されるのは、安倍政権に“忖度”を続けてきた官僚たちの反乱だ
⑤『記録がない』と言い続け、決裁文書改竄までして安倍政権を守ろうとした前国税庁長官の佐川さんが、証人喚問にさらされ、刑事訴追まで現実味を帯びてきている。それでいて政権側は、官僚が悪いというスタンスを鮮明にさせたからだ
内閣府地方創生推進事務局の塩見英之参事官は『首相案件』について「個人の思いは別にして、内閣府としてどう認識していたかは、私の一存では答えられない」とシドロモドロ
⑦聞いていないなら否定すればいいのに、できない。かといって「全くない」なんて言い張れば、後々どんな文書が飛び出すか分からない。そんな複雑な心情なのだろう
⑧官僚たちはもはや安倍首相に忖度しても、微塵もいいことはないと分かったはずだ
⑨良識ある官僚が今後、安倍首相サイドのすべての膿を出し切ることになるのではないか。


【森友疑獄】

➀「森友学園」への国有地売却問題で、今井尚哉首相秘書官が昨年3月に安倍昭恵首相夫人付の谷査恵子氏に電話し、森友問題の事実関係を確認していたことを安倍晋三首相が衆院予算委員会で認めた
➁谷氏は2015年11月に森友学園籠池泰典前理事長の要請を受け、財務省に照会し、結果を森友側にファクスで返信していた ③だが、安部首相は予算委の質疑で森友側とのやりとりは谷氏が自発的に行っていたと強調した。

◆(天声人語森友学園、夢の跡(朝日)
https://www.asahi.com/articles/DA3S13446807.html
➀雑草が伸び、「瑞穂の國(くに)記念小學院」と書かれた郵便受けの錠には赤茶けたさびが浮かぶ
➁「いい土地ですから、前に進めてください」。首相夫人の安倍昭恵氏の発言だとして財務省の公文書にあった一節を思い出す
③「(地中のごみ撤去に)トラック何千台も走った気がするといった言い方をしてはどうか」。財務省の職員が学園側に口裏を合わせるよう働きかけていたことが判明した。敷地を一回りすれば、何千台もかけて土を搬出するほどの広さがないことは素人目にもわかる
④色落ちした「国有地」の貼り紙が風に揺れていた
⑤昭恵氏の関与がナゾに包まれたままである。国有地払い下げに関わっていないのか。100万円の寄付はあったのか。首相や財務相、理財局長を幾度ただしても一向に真相が見えない
⑥昭恵氏を国会に呼び、真相をつまびらかにしてもらう以外に局面打開の道があるだろうか。

◆森友ごみ積算、近畿財務局が増量依頼 航空局に数億円分(朝日)
https://www.asahi.com/articles/ASL4C661GL4CUTIL06P.html
➀「2016年当時、近畿財務局が大阪航空局に積算量を増やすよう依頼した」と当事者が説明していることがわかった。取引の経緯を調べている大阪地検特捜部も同様の証言を得ている模様だ
➁近畿財務局の依頼は、値引き額を約8億円とすることが前提になっていたとみられる。ごみ撤去費の積算額をもとにすべき値引き額を、積算前に決めていたことになれば、国有地売却の妥当性が大きくゆらぐことになる
③関係者によると、財務局の依頼は、航空局による見積もりの過程で行われたという。関係する資料も残っていたとみられる
④今月、理財局の職員が昨年2月に、大量のごみを撤去したことにするよう学園側に口裏合わせを求めていたことも発覚した
⑤16年5月中旬、財務局の職員が学園に「ゼロに近い金額まで努力する。だけど、1億3千を下回る金額はない」などと発言した音声データの存在が明らかになっている。特捜部は背任容疑などの告発を受け、調べを進めている。


PKOイラク派兵日報疑獄】

イラク日報、尽きぬ疑問 稲田氏「指示」?、徹底されず(朝日)
https://www.asahi.com/articles/DA3S13446712.html
稲田朋美防衛相(当時)が「ない」としてきた自衛隊イラク派遣の際の活動日報の発見が止まらない
➁小野寺防衛相「毎日のように前になかったと言ったものがどんどん出てくる。おわび申し上げたい」
③稲田氏が行ったのは「本当にないのか」と辰己昌良・統幕総括官に質問したことだけだった
④それでも辰巳氏は「支持」と解釈し、稲田防衛相の質問を統幕に伝えた
⑤討幕は数日前に調査した三つの課に「無かったと返信してくれ」と、前回の調査指示メールをREしただけだった。結局明らかになったのは、三つの部署の名前だけだった。他の組織は一切調査されず、空幕と海幕も対象外だった
陸自研究本部(研本、現・教育訓練研究本部)の教訓課にいたっては、昨年3月27日に日報を発見しながら、情報公開請求に基づく陸幕の照会に対して、その3日後に「存在しない」と虚偽回答し、1年間隠蔽し続けた
⑦陸幕が日報の存在を把握してから、統幕への報告までも1カ月以上を要している
⑧陸幕から報告を受けた統幕が小野寺氏への報告にも1カ月を要している。

恐怖に基づく支配=安倍ゲートの忖度犯罪

※1 ◆は参照報道;①〜はその要点で、論旨明確化と背景説明を加えた「意訳」です。敬称略。
※2 ❶〜や※で始まる文章は私見です。
※3 Web登録後も関連報道などを追記します。

➊森友疑獄「安倍ゲート/アッキード事件」の核心は『教育勅語唱和教育』にある。
 教育勅語唱和教育は『戦後レジームを消滅させ、美しいニッポンの伝統を再生させる』手段だ。

➋安部が呪う戦後レジームは『日本帝国の戦争を犯罪視する者を排除』するプロパガンダ
 非暴力中立をあざ笑い、善悪を無視して『強者の側に立ち、排除によって、覇権を手にする』

③「日本は弱い侵略者ではなく常勝の侵略者側に立つ。常勝の軍事力を世界に見せつけること。それが抑止力となって平和と繁栄を実現させると洗脳する」(人民日報)
http://j.people.com.cn/n/2015/0817/c94474-8937042.html

➍安倍の軍事・外交・経済・教育政策の全てが『強者の側に立つ排除の論理』で成り立っている。
強者による排除は『損得勘定』で動き、道徳観や倫理感や非暴力や民主主義とは無縁。

➎ところで、官僚は『忖度』などしない、まして『犯罪』の自主的な忖度など絶対にない。
官邸の指示でもなく、官僚の自発的忖度でもないとしたら、『恐怖』によって強制された忖度になる。

➏官僚に恐怖を感じさせる手段が『内閣人事局』であり、恐怖を感じさせる行為者は『官邸秘書官』だ。
秘書官も官僚であるから、彼自身が利得を拡大し維持するためにしか、他の官僚を恐怖させない。

➐森友や加計への利益供与に財務官僚は利益なく、利益供与は犯罪である。だから、官僚が自発的に参与はしない。あるのは政治権力側からだ。これも官邸の『内閣人事局』が醸し出す恐怖による忖度の強要の源泉になる。

➑恐怖の源泉である『内閣人事局』の実質的運営者と、恐怖せよと強要する秘書官は原発族のような何兆円もの巨大な天下り組織を拡大し防衛してきた官僚にしかできないだろう。神憑りの有能な官僚でもいない限り。

➒昭恵には、そのような『恐怖に基づく統治』の存在をネットにさらけ出した功績がある。
昭恵と昭恵の秘書官がネットで暴露してくれた、あとは芋づる式。

➓国有地の不当廉売とその動機が告訴されると、
『恐怖に基づく統治』が『決裁書と契約書の改竄を』強制した。
改竄に矛盾しない虚偽答弁を佐川に強制した。
そして、大阪地検特捜部が捜査を開始すると、近畿財務局から自殺者。財務省本庁にも自殺者。

⓫佐川証人喚問の丸川珠緒質問は特捜部へのあて付けが目的でしかなく、NHK実況中継のテロップは中央集権的に入念なリハーサルをしたであろうと容易に想像できる芝居だった。

⓬しかし、台本がお粗末すぎた、佐川は55回も証言拒否を繰り返した。
 補佐人と称する特捜あがりの辞め検事に頼り過ぎたのだろう。

安倍内閣支持率は、とりあえず、急落し30%に近づいた。昭恵証人喚問に賛成も63%だ。
安倍官邸が「財務省理財局」の「改竄」のみに責任転嫁するほど支持率は下がる。

⓮報道は視聴率で変わる。馬鹿げたお笑いなどやめて、報道をみる。抗議集会に大結集する。
『恐怖による支配』をしてきた権力者には、自分への国民批判が強烈な恐怖を与える。