ボアオ・アジアフォーラム開幕

※①〜は報道の抜書要点です。

テーマ「ASEAN共同体」(は今年末設立)。新共同体の人民を平和で幸福にするために、社会と経済の連繋による新しい経済空間が議論されるだろう。それは、既存経済基盤を破壊するゼロサムゲームとは違う。日本では全く報道されないが、EU並みの東南アジア共同体の設立が年末に迫っているのだ。

ASEAN共同体を成功させる条件は「一帯一路」という新経済ベルトのインフラ構築であり、そのプロジェクト財源をAIIBが賄う重責を担う。AIIBには世界が雪崩を打って創始国メンバー申請を行なった。それは既に45カ国に達し、先進国で未参加は米国と日本だけとなった。

安倍政権が中国包囲同盟と称していているフィリピンとベトナムと印度は真っ先に参加申請した。

東北アジア、東南アジア、南アジアの全て19国が参加した。
中央アジアも4国が参加。
アラブ圏もサウジ、カタール、トルコ、エジプトなど7国が参加。
オセアニアはNZと豪州が参加
欧州では英仏独伊蘭、デンマーク、スイス、フィンランドなど12国が参加
BRICSではロシア、ブラジル(印度、中国)が参加
G7で未参加は日本と米国とカナダのみとなったが、米国は財務長官が28日に北京に飛び、中国財務部と協議を開始した。30日に米財務長官と李克強首相の会談が予定されている。これについて、ニクソン大統領による、日本頭越しの北京訪問の再来ではないかと噂。

これを放置すればアジア経済開発の主役は日米のアジア開発銀行から中国主導のアジア投資銀行AIIBに主導権が奪われ、日米主導のアジア開発銀行はその経営の困難が生じる可能性もあり、米国が北京に両銀行のプロジェクト共同推進を持ちかけていると日本メディアは推測している。

中国は既存のアジア開発銀行を倍額増資して「一帯一路」インフラ建設投資をと提案したが、日本が米国に拒否権を発動させた。それで中国は独自の銀行を設立ことになった。いまその成果が。

ボアオ会議の議長は福田元首相、日本企業は数十社参加。アジア開発銀行も、世銀も、IMFもトップが参加。ユーラシアのとの都市でいつどのようなプロジェクトの企画や公募や応札が行われるかはこの会議で大まかに把握できる。応札告示の1年前から準備が必要だから、重要。

日本主導のアジア開銀なら、日本企業がプロジェクトを発掘し、企画書を相手国に提示して、提示された国がアジア開発銀行に融資申請し、アジア開発銀行が予算規模や経済効果や環境問題を日本企業に答申させるという、全くのインサイドだったが、これからは突然応札公募で1月後締切、手も足も出ない。

・・・

AIIBを作らせたのは日本財務省の嫌がらせが原因。TPPに熱を上げる日本政府。中国やASEANは「TPPは既存経済を破壊して更地にし、20億人民を不幸にする。発展は既存経済基盤を温存しながら、それらをベルト状に結ぶ新経済空間を創設すべきである」と考えアジア開発銀行に増資を提案

だが、アジア開発銀行の支配権を中国に奪われると懸念した日本が米国に根回しをして拒否権を発動させた。アジア開発銀行総裁は日本財務官僚の指定席で、日本企業が開発案件を見つけ企画書を作成し、相手国に提出し、その国がアジア開発銀行に企画書通りの費用と収益で融資申請するインサイダー状態

これではどうしようもないと思った中国は世界銀行に増資を提案したが、ここでも米国が拒否権を発動して中国提案を葬った。そこで中国とシンガポールは思案し、独自の銀行をつくる決断をした。それがアジア投資銀行(AIIB)である。

日本が米国を使って拒否権を発動させなかったら、AIIBは創設されず、アジア開発銀行世界銀行IMFが増資されてインフラ建設融資枠を一挙に拡大していただろう。だが日本と米国は『拒否権』を濫用し、また融資審査も(企画も審査も実質日本と言う意味で)究極の『インサイダー』である。

日本財務省は『AIIBに中国は拒否権を持ち、融資審査の透明性を確保する説明も中国政府がしに来ない』と開き直っているが、日本財務省が支配するアジア開発銀行こそ、日米が『拒否権』を持ち、日本企業と財務省派遣のADB総裁が決済する究極の不透明と言える。天に唾するとはまさにこのこと。

ASEANと韓国が米投機筋による為替操作で暴落直後に、日本政府はIMFアジア版ともいうべきアジア為替基金を提案。しかし米国が拒否権発動し中止に追い込まれた・・・「あのころの日本政府はまともだったのに」・・・という回顧が李クアンユー葬儀で。そして中国がアジア開発基金を設立した。

世界銀行に匹敵するBRICS銀行、IMFに匹敵するBRICS基金アジア開発銀行に匹敵するアジア投資銀行IMFに依存しないアジア基金。これらを日米は世銀とIMF体制に挑戦する敵対行動と難詰するが、中国にそうさせたのは、世銀とIMFでの米国『拒否権』『不透明性』『過酷な既存経済体破壊要求』だ。

◆ボアオ・アジアフォーラム年次総会が開幕(人民日報)
http://j.peopledaily.com.cn/n/2015/0327/c94476-8869945.html
海南省ボアオで26日から4日間の会期。テーマは『アジアの新たな未来:運命共同体へ向けて』。
②各国首脳および閣僚級高官80人あまりと世界500強企業200社のトップが賓客として出席。
③重要な焦点は、アジアインフラ投資銀行(AIIB)、自由貿易区、「1帯1路(陸のシルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)」
◆ボアオ共通認識『東アジア経済共同体』を支援(人民日報)
http://j.peopledaily.com.cn/n/2015/0329/c94474-8870744.html#0-twi-1-67013-7250227817ecdff034dc9540e6c76667
福田康夫フォーラム理事長「習近平主席提案に強く賛同。東アジアは極めて多様な地域だが、ボアオ・アジアフォーラムは各国意見を集約し『東アジア経済共同体』建設に大きく貢献すると確信」
習近平国家主席、ボアオ・アジアフォーラムの年次総会の開幕式で基調講演(新華社
http://jp.xinhuanet.com/2015-03/28/c_134104928.htm
◆【講演全文】习近平:迈向命运共同体 开创亚洲新未来(環球時報
http://world.huanqiu.com/article/2015-03/6037743.html
◆【深度解读】快速读懂习近平博鳌演讲(環球時報
http://world.huanqiu.com/article/2015-03/6036623.html
◆【図解】习大大博鳌演讲干货:“一带一路”不是独奏是合唱(環球時報
http://world.huanqiu.com/photo/2015-03/2769336.html
①歴史は、いつも重要な時間節で人々の追憶と再認識を蘇る。今年は世界反ファシズム戦争及び中国人民抗日戦争勝利70周年、国連成立70周年、アジア・アフリカ会議バンドン会議)開催60周年、ASEAN共同体が創立される年だ。
②アジアは運命共同体に歩んで行き、アジアの新しい未来を打ち立てるため、世界の前進の歩みの中で前進し、世界の発展の流れ中で発展しなければいけない。
③世界経済は依然として深い調整期間にあり、低増長、低インフレ、低需要と高失業、高債務、高バブルなどのリストが交織、主要な経済体の勢いと政策の配向が引き続き分化し、経済環境の不確定性が依然として目立つ。
④共同体へ歩くためには、協力・ウィンウィン、共同発展の堅持が不可欠だ。勝者が敗者から搾取するだけのゼロサムゲームの古い思考を捨て、ウィンウィン・共に勝つという新しい理念を樹立し、自身の利益を追求する時に他方の利益にも配慮を加え、自身の発展を求める時に共同発展をも促進すべきだ。
⑤中国とASEANは、より緊密な『中国・ASEAN運命共同体』を構築する。
ASEANは中国、日本、韓国と2020年までに『東アジア経済共同体』の構築に力を注ぐ。
⑦我々はアジア自由貿易ネットワークを構築し、2015年までに中国・ASEAN自由貿易区のグレードアップ交渉、および地域の全面的経済パートナーシップ協定に向けた交渉を完成するよう努力する。
⑧我々は地域の金融協力体系の構築を推進し、アジアインフラ投資銀行アジア開発銀行世界銀行などの多国間金融機構との相互補完と共通進歩、協調発展を推進すべきだ。
⑨通貨の安定、投資・融資、信用評価などの分野でも実務的な協力を強め、チェンマイ・イニシアチブの多国間化メカニズムの建設を推進し、地域の金融安全網を建設すべきだ。アジアエネルギー・資源の協力メカニズムを推進し、エネルギー・資源の安全を保障すべきだ。
⑩中国側は提議する。東アジアと東南アジア相互接続を迅速に計画し、インフラ建設・政策企画・人員往来の全面的融合を促進する。海上での相互接続を建設強化し、アジア海洋協力メカニズムの建設を推進し、アジア諸国に繋がる平和、友好、協力の海にする。
運命共同体として歩むためには、鮮明な多様性をもつアジアの異なる文明を交ぜ織り、交流を勉強し合うことが枢要だ。競争の中でも長所を取り入れ短所を補い、各国人民の友誼の橋、人間社会の進歩を推進する原動力、世界平和を守る絆になるようにさせる。
中国経済の発展は新常態に入り、高速度成長から中高速度の成長に移行し、規模速度型の粗放成長から品質効率型の集約的成長へ転換し、要素投資駆動からイノベーション駆動へと転換している。
⑬2014年、中国経済は7.4%の成長を実現し、労働生産率が7%改善し、GDP単位当たりのエネルギー消費が4.8%低減し、国内消費の依存度が上昇し、サービス業界の発展が加速し、品質と効果・利益を絶えず高めている。
⑭いかなる激動や戦争も中国人民の根本的利益に合致しない。中華民族は昔から平和を愛し、「和をもって尊きとする」「協和万邦」「四海同胞」などの思想を尊重している。中国は近来100年余りにわたり激動と戦火を浴びたから、中国人民は決して体験した悲惨を他の国や民族に押し付けない。
⑮2013年に、私はカザフスタンインドネシアを訪問したときに、それぞれシルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロードを建設するという協力提議を出した。「一帯一路」の協力提議は各方面の共同利益と一致し、地域と全世界の協力潮流に順応する。
⑯「一帯一路」の建設は共に検討し共に建設し共に享受する原則であり、中国の独奏ではなく、沿線各国によるコーラスである。
⑰「一帯一路」の建設は現在存在している地域の協力メカニズムを破壊するのではなく、現有の基礎の上に、沿線各国の発展戦略の相互結合と相互補完を推進する。
⑱既に60あまりの沿線国家と国際組織は「一帯一路」建設の参与に積極的な態度を示した。「一帯一路」の建設も、アジアインフラ投資銀行(AIIB)も開放的であり、我々は沿線の国々とアジアの国々が積極的に参与することを歓迎する。

◆アジア投資銀行、参加ドミノ ブラジル・ロシアに豪州も(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/ASH3X5392H3XUHBI01D.html
デンマークがAIIBへの加盟申請(新華社
http://jp.xinhuanet.com/2015-03/29/c_134106406.htm?from=fetion
◆豪州もAIIB参加申請書を提出(新華社
http://jp.xinhuanet.com/2015-03/29/c_134107029.htm
◆韓国とトルコもAIIBへの参加を表明 加入国は37カ国に(人民日報)
http://j.peopledaily.com.cn/n/2015/0327/c94476-8869951.html
◆アジア投資銀:台湾が習・中国主席に参加意欲伝える(毎日)
http://mainichi.jp/shimen/news/20150329ddm008020047000c.html
◆ブラジル、AIIBに加盟へ(新華社
http://jp.xinhuanet.com/2015-03/28/c_134105444.htm
◆ロシアもAIIBへの加盟を決定(新華社
http://jp.xinhuanet.com/2015-03/28/c_134105456.htm
◆澳大利亚财长:明日澳大利亚正式申请加入亚投行(環球時報
http://world.huanqiu.com/article/2015-03/6037731.html
①オーストラリアの財政大臣『明日、豪州は正式書面をもってアジアインフラ投資銀行に参加申請する』
◆オランダ、グルジアもAIIBへの参加表明(毎日)
http://mainichi.jp/select/news/20150329k0000m020123000c.html
◆アジア投資銀、エジプトとフィンランドも参加(日経)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM30H42_Q5A330C1FF8000/?dg=1

◆美财长敏感时刻访华 外界猜美加入亚投行可能性(環球時報
http://world.huanqiu.com/exclusive/2015-03/6031790.html
米国財務長官が今日28日に中国に着いた。直ちに中国財務部官僚と協議を開始した。30日には李克強首相と会談する予定で、そこで米国がAIIBに参加する可能性を排除できないと観測されている。
②ただし、日本のNHKや日経などのメディアは、その会議目的は米国にAIIB参加ではなく、世界銀行アジア開発銀行(ADB)とAIIB間の共同プロジェクトの提案だと報道している。
③しかし、米国財務長官は中国訪問だけの出張であり、日本の頭越しにニクソン大統領が訪中したことを思い出させる。当時の田中角栄首相は、ニクソンを差し置いて、米国よりも早く日中国交回復を実現させたが、今の安倍政権の田中角栄は存在しない。
④いずれにせよ、アジアインフラ投資銀行AIIBが新たな経済空間の創造の中心となることは各国の一致するところである。
ASEANと「南海各方面行動宣言」会議開催へ(新華社
http://jp.xinhuanet.com/2015-03/27/c_134102103.htm
①中国とASEAN諸国は30日から31日にかけて、ミャンマーヤンゴンで「南海各方面行動宣言」の第13回共同ワークグループ会議を開く。
②「南海各方面行動宣言」の実行や、海上での実務協力、「南海行動準則」などの議題について各国の専門部署の責任者と専門家が会合を持ち、航海の安全や海上合同救助などの分野での実務協力を検討する。
◆AIIB参加表明、40カ国超える 残された日米の対応は(テレ朝)
http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000047373.html
G7で未参加は実質日米のみ・・・
官房長官は『中国から透明性の説明が無い』
福田元総理『AIIBに反対する理由は無くなった』
参加申し込み締め切りは明日