アジアインフラ投資銀行(AIIB)創始国46

※①〜は報道の抜書要点です。

※AIIB(アジアインフラ投資銀行)創始国が46国に達した。
東北アジア】3・・・韓国、中国(台湾、香港、マカオ)、モンゴル
ASEAN】10・・・フィリピン、ベトナムブルネイラオスカンボジア、タイ、マレーシア、シンガポールインドネシアミャンマー
【南アジア】6・・・バングラディッシュ、印度、ネパール、パキスタンスリランカモルジブ
中央アジア】4・・・カザフスタンタジキスタンウズベキスタンキルギス
【アラブ圏】7・・・サウジアラビア、ヨルダン、クウェートオマーンカタール、トルコ、エジプト
オセアニア】2・・・ニュージーランド、豪州
【欧州】12・・・英国、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ルクセンブルク、スイス、オーストリアグルジアデンマーク、スエーデン、フィンランド
BRICS等】2・・・ロシア、ブラジル
(参加検討中)・・・カナダ(昨年参加検討表明したが、日米の強力な牽制で保留状態)
(不参加)・・・日本、米国

東北アジア、東南アジア、南アジアの全て19国が参加した。
中央アジアも4国が参加。
アラブ圏もサウジ、カタール、トルコ、エジプトなど7国が参加。
オセアニアはNZと豪州が参加
欧州では英仏独伊蘭、デンマーク、スイス、フィンランドなど12国が参加
BRICSではロシア、ブラジル(印度、中国)が参加
G7で未参加は日本と米国のとカナダみとなったが、米国は財務長官が28日に北京に飛び、中国財務部と協議を開始した。30日に米財務長官と李克強首相の会談が予定されている。これについて、ニクソン大統領による、日本頭越しの北京訪問の再来ではないかと噂。
G7で未参加は日本と米国のみとなったが、米国は財務長官が28日に北京に飛び、中国財務部と協議を開始した。30日に米財務長官と李克強首相の会談が予定されている。これについて、ニクソン大統領による、日本頭越しの北京訪問の再来ではないかと噂。

「米国による世界経済政策の決定能力が低下している」国際通貨基金IMFの中国トップを務めたエスワル・ プラサド氏
「今回の失敗により、米国は戦後珍しくも、自国が直接的な影響力を持たない多国籍機関への対応に備えることになった。世界の金融秩序の主導に慣れた米国は、中国とその膨大な現金の魅力を過小評価した可能性がある」AFP
「AIIBと対立しようとする米国は愚かであり、きまり悪い思いをしている。面積が狭く開放的な経済体(日本)で、自国に有利なことをやろうとするならば、なぜそれ(AIIB参加)をやろうとしないのか」ゴールドマン・サックス元会長ジム・オニール氏
「オーストラリアはAIIBへの参加をもっと早期に表明すべきであった」「アメリカには矛盾がある。一方で世界に対してより責任を持つよう中国に求め、その一方で、自分の思い通りに中国に動いてもらいたいという思惑がある」シドニー大学アジア研究所ケリー・ブラウン主任

・・・アジアの「既存」経済を損なうことなく、「新たな」経済発展空間を産みだすためのインフラ建設投資が重要だ。その資金需要を満たすためにアジア開発銀行(ADB)に相当規模の出資を行う用意があるという中国の申し出に対して、日本と米国が拒否権を発動した。

だが米国にはTPPという既存経済の破壊による搾取戦術しかない。TPPは、うまくゆけば米国企業に利をもたらすが、それはアジアの経済基盤を破壊するから、追加的で新しい経済空間は産みださないという、ゼロサムゲームに過ぎない。

さて、米国に拒否権を行使された中国は独自に新銀行AIIBを創立せざるを得なくなった。ところが、中国が主導するAIIBが設立に漕ぎ着けると、日本と米国は「新しいAIIBには中国の拒否権があるから、不透明で公正な運営が行えないと」難詰し、関心を持っていた国々を強く牽制してきた。

この拒否権にまつわる日米の自己矛盾は程度が低すぎる。米国のアジア回帰戦略は良く練られていない。場当たり的で対応の失敗を覆い隠すために軍事バランに依存し、世界の経済発展と平和安定を阻害している。

「人々が本当に必要なのは多元的な思想環境であり、経済モデルや政治モデルも多様性を保持しなければならない」ケリー・ブラウン・・・それを日米は理解していない。

「今の時代、最もよく練られた思想はアジアやBRICSから現れるかもしれない。中国が提唱する新経済ベルト建設やBRICSの結束から生まれる新体制は、既存経済を活かしながら、新たな経済発展空間を提供するだろう」ケリー・ブラウン

ところで日本は二律背反に陥っている・・・積極的平和外交と詐称し軍事的対峙を前面に出す「現実的外交」の観点=AIIBは日米が支配するADB(アジア開発銀行)に対する挑戦。覇権を自衛するために、中国のAIIBの弱点を突き、参加国を翻意させる、その為には新たな政治動乱も辞さないと。

だが、日本のアジア権益、とりわけ開発利権の行使によるアジアでの「特別待遇」を維持してきた「米国従属」手法の観点からは、ある日突然、日本政府の頭越しに、米国が中国主導のAIIB参加交渉を始めるという、孤立無援への恐怖が自己を苛んでいる。

ADBによるアジア開発の覇権を中国に奪われることを恐れた日本政府は、米国を動かし、中国が提案したADBの大幅増資によるインフラ建設促進投資に「拒否権」を発動させ、それが中国をして独自のAIIB設立へと向かわせた。

そして、AIIBが設立されると、日米主導のADBが非主流化し、さらには日本のアジア経済発展における役割が非主流化することを恐れる。そうなれば日本はアジアの経済協力における地位を失い、「特殊待遇」を譲り渡すことになるからだ。

経済規模が中国に追い抜かれ、中国を嫉妬するだけでなく、中国を蔑視する体質がまたもや頭をもたげて、日本政府はいわゆる尖閣紛争を起こした。だが、中国から軍事面で手酷いしかし慇懃な対応を突きつけられ、米国従属も結局は米国をして「きまりの悪い」宙ぶらりんの状態に陥らせただけであった。

AIIBの設立が日米主導の伝統的かつ「安定的」な運営体制を覆すことは間違いない。それを阻止しようと日米が介入を繰り返し、また中国からASEANやインドやG7国を離反させようと、従来の暗躍を繰り返すなら、世界経済の秩序は新たな「動乱期」に突入するという強い懸念を、安倍政権が抱いている。

尖閣紛争」を起して中国を軍事的に封じ込めようとしたら、中国から「東中国海航空識別区」を突きつけられた。中国の日系企業ASEANに移動させて、経済実力で中国に思い知らせてやろうとしたら、今度は「一帯一路」という新たな経済発展空間の創造とAIIBを突きつけられた。

安倍政権は、暗愚な自己撞着からくる強烈な嫉妬と攻撃性のために、軍事も経済も追い詰められた。安倍が唯一成功したのはニッポン内での国民洗脳と扇動であろう。虫が良すぎる。自分が撒く種で悪性の混乱が起きかねないというのに。それ以上に、非合理的かつ非現実的ですらある。

地域の経済協力枠組みが既存の経済体制を、より時代の発展の需要に適した体制にするためには、関連国による共同の取り組みと密接な連携が必要だ。この基本的な原則は、その他の国際機関や地域内の協力枠組み、そしてAIIBにも当てはまる。それを日米は理解できない。

安倍政権が最も恐れることは、米国が日本に事前連絡せず単独で意思表示をし、AIIBの交渉に加わることだ。安倍政権は米国政府をして従属国ニッポンに安全保障義務を履行させようと躍起になっている。その従米行為が日本を増々蟻地獄に落し込む。辺野古問題と全く同じでもある・・・泥沼。

現実問題;アジアのインフラ需要年84兆円、「今後、世界で最もインフラ需要が増えるのはアジアだが、日本企業は中国や韓国、欧州の企業に相当後れを取っている。AIIBの設立で日本企業の競争力がますます低下しかねない」


(参照報道)
◆アジア投資銀行、参加ドミノ ブラジル・ロシアに豪州も(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/ASH3X5392H3XUHBI01D.html
◆豪州もAIIB参加申請書を提出(新華社
http://jp.xinhuanet.com/2015-03/29/c_134107029.htm
デンマークがAIIBへの加盟申請(新華社
http://jp.xinhuanet.com/2015-03/29/c_134106406.htm?from=fetion
◆韓国とトルコもAIIBへの参加を表明 加入国は37カ国に(人民日報)
http://j.peopledaily.com.cn/n/2015/0327/c94476-8869951.html
◆アジア投資銀:台湾が習・中国主席に参加意欲伝える(毎日)
http://mainichi.jp/shimen/news/20150329ddm008020047000c.html
◆トルコがAIIB加入へ、申請国は37カ国に(中国網)
http://japanese.china.org.cn/politics/txt/2015-03/27/content_35174550.htm
①元IMF高官「米国による世界経済政策の決定能力が低下している」
②AFP通信「今回の失敗により、米国は戦後珍しくも、自国が影響力を行使できない多国籍機関への対応に備えることになった。米国は中国とその膨大な現金の魅力を過小評価した可能性がある」
ゴールドマン・サックス元会長ジム・オニール氏「AIIBと対立しようとする米国は愚か。面積が狭く開放的な経済体(日本)はなぜそれ(AIIB参加)をやろうとしないのか」。
◆ブラジル、AIIBに加盟へ(新華社
http://jp.xinhuanet.com/2015-03/28/c_134105444.htm
◆ロシアもAIIBへの加盟を決定(新華社
http://jp.xinhuanet.com/2015-03/28/c_134105456.htm
◆オランダ、グルジアもAIIBへの参加表明(毎日)
http://mainichi.jp/select/news/20150329k0000m020123000c.html
◆澳大利亚财长:明日澳大利亚正式申请加入亚投行(環球時報
http://world.huanqiu.com/article/2015-03/6037731.html
①オーストラリアの財政大臣『明日、豪州は正式書面をもってアジアインフラ投資銀行に参加申請する』
◆アジア投資銀、エジプトとフィンランドも参加(日経)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM30H42_Q5A330C1FF8000/?dg=1
◆美财长敏感时刻访华 外界猜美加入亚投行可能性(環球時報
http://world.huanqiu.com/exclusive/2015-03/6031790.html
米国財務長官が今日28日に中国に着いた。直ちに中国財務部官僚と協議を開始した。30日には李克強首相と会談する予定で、そこで米国がAIIBに参加する可能性を排除できないと観測されている。
◆豪専門家「AIIBへの参加は豪にとって有益」(人民日報)
http://j.peopledaily.com.cn/n/2015/0327/c94476-8870158.html
シドニー大学ケリー・ブラウン主任;
①オーストラリアはアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加をもっと早期に表明すべきであった」「アメリカには矛盾がある。一方で世界に対してより責任を持つよう中国に求め、その一方で、自分の思い通りに中国に動いてもらいたいという思惑がある。
②米国のアジア回帰戦略は良く練られていない。
③今の時代、最もよく練られた思想はアジアから現れるかもしれないし、アフリカやラテンアメリカから現れるかもしれない。人々が本当に必要なのは多元的な思想環境であり、経済モデルや政治モデルも多様性を保持しなければならない。
◆AIIBに付かず離れずの日本、その原因は?(中国網)
http://japanese.china.org.cn/jp/txt/2015-03/27/content_35174684.htm
①日本は日米主導のアジア開発銀行ADBが非主流化し、日本のアジア経済における役割が非主流化することを恐れている。日本はアジアで地位を失い、「特殊待遇」を失うと。
②AIIBの設立が日米が主導する伝統的かつ「安定的」な運営体制を覆すことは間違いない。世界経済の秩序は新たな「動乱期」に突入するという強い懸念を安倍政権が抱いている。
③地域の経済協力枠組みが既存の経済体制を、より時代の発展の需要に適した体制にするためには、関連国による共同の取り組みと密接な連携が必要だ。この基本的な原則は、その他の国際機関や地域内の協力枠組み、そしてAIIBにも当てはまる。それを日米は理解できない。
④だが、安倍政権が最も恐れることは、米国が日本に事前連絡せず単独で意思表示をし、AIIBの交渉に加わることだ。
◆中国主導銀:インフラ需要年84兆円 韓国熱い期待(毎日)
http://mainichi.jp/select/news/20150328k0000m020138000c.html
「今後、世界で最もインフラ需要が増えるのはアジアだが、日本企業は中国や韓国、欧州の企業に相当後れを取っている。AIIBの設立で日本企業の競争力がますます低下しかねない」