安倍の慰安婦「人身売買」は、娘を売った親と買った女衒に責任転嫁

安倍がワシントンポストの取材と国会予算委員会で述べた『慰安婦は人身売買』について、米国務省のサキ報道官は日本軍が設置した慰安所内での『性奴隷犯罪』を認めたものであると明言した。だが安倍は、娘を売った親と買った女衒業者に責任を転嫁し、日本政府の責任を回避しようとした。

それで、サキ報道官は『私たちの立場は変わることがない』と釘をさした。同時に、韓中と日本は手打ちをと、言っている。その立場とは、クリントン夫人が委員長となった慰安婦米議会問題調査委員会が「慰安婦問題は日本軍による強制連行の証拠の有無にかかわらず、『性奴隷』と呼ぶべきだ」と結論。
http://japanese.joins.com/article/329/198329.html?servcode=A00§code=A10&cloc=jp|main|inside_left

安倍が慰安婦性奴隷を『人身売買』と米紙に述べた。これで安倍側は「民間業者」の責任として世界を認識させる口実になったと喜ぶらしいが、米国政府のサキ報道官などは『性奴隷』を認めたと認識・・・そうだろうな。米国の歴史問題に対する浅薄さの証明で、韓国や中国は嘲笑っている。

朝鮮日報「元従軍慰安婦たちが苦痛を味わったことは認めるが、それは日本の強制動員によるものではなく、戦争自体がもたらした悲劇にすぎない。歴史上無数にある戦争では強姦が普通に行われたが、日本軍の場合は娘を売った親と買った女衒業者に責任の全てがあると逃げる新しい屁理屈だ」。

安倍は「譲歩したのだから、韓国は前提条件を付けずに胸襟を開いて語り合うべきだ。会う会わないということを交渉のカードに使うべきではない」と厚かましい。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/03/28/2015032800543.html

安倍側は「人身売買」された女性が可哀そうだと、とってつけたようにわざとらしい。強制連行はない、少なくとも日本軍が関与した証拠文書は無いと誇らしげであるが、日本に文書は無いのは１９４５年８月１４日からマッカーサー上陸までに徹底焼却したからだ。

「軍による強制連行は無く、高額の報酬を得る売春」にすぎないと安倍らが主張する延長線上に「人身売買」という表現を思いついたのだ。それは米国を欺くあくどい欺瞞。「人身売買」なら娘を売った親と買った女衒業者に責任を転嫁できる。

安倍側が「民間業者」の責任と言えば、「政府や軍の責任ではなくなる」という発想は世界に通用しない。芸者を揚げて飲み明かしてきた日本軍将校たちの遊興費を将校給与で払えるはずはない。そりゃ軍の下請けか腰巾着の民間業者が払うしかないだろう。

慰安所経営と女性徴発は民間業者がしたと言っても、料亭で委託された場合が殆どだろう。真昼の将校執務室に女衒業者を集めて競争入札する馬鹿などおるまい。料亭で指名された女衒類が有頂天になって、威圧的、暴力的、甘言的な徴発を行い、外国新聞特派員の知るところとなり軍トップが大慌てだった。

韓国の中央日報もコラムで評論している。
http://japanese.joins.com/article/420/198420.html?servcode=100§code=140&cloc=jp|main|top_news
日韓国交正常化を決断した朴正熙政権は日本を足場にして世界との交易の路を開いた。当時中国とソ連は韓国の敵国であったから、日本を利用するほかなかった。親日ではなく、国益のためと想像力を働かせたのだった。

日本に長く続いた韓流ブームを起こした金大中は、韓日の交流は１５００年続くが、その間に日本が侵略したのはたったの２度（豊臣秀吉の壬辰倭乱と明治政府の韓国併合）で、計５０年間ほどしかない。その２件の侵略を恨み日本を敵視するのは恥ずかしいと言って、ブームのきっかけを作った。

金大中は北朝鮮に対して「太陽政策」という経済的支援を無条件に申し出る外交で融和をはかったが、将来の併合は韓国の脆弱な経済力では耐えきれない。そこでまた、韓国は日本の侵略に対する怨念を棚上げにして日本を利用すべきだと想像力を働かせた。

今の韓日関係は泥沼であり、安倍の慰安婦に関する侮辱的歴史観が強盛し、日本の嫌韓勘定は普遍的となり、対応して韓国でも嫌日気運が圧倒している。その韓中国民の相互憎悪は、仮に朴槿恵大統領と安倍晋三首相が和解しても、それを欺瞞と直ちに見抜いて憎悪を高める可能性すらある。

朴正熙と金大中は東北アジア外交環境の厳しさから一挙に世界への飛躍を考え、それには『用日』（日本を利用する）するほかなく、『克日』（日本に打克つ）は棚上げにする方便が必要だと想像して打開への道を編み出した。

歴史の皮肉なのか、朴正熙の娘である朴槿恵が大統領になると、安倍政権が日本に復活し、韓日関係は歴史上最悪の状態に陥った。韓国経済は『用日』の優先度が下がったが、『克日』の優先度が上がり過ぎ硬直化してしまった。

それを見抜いた習近平主席の想像力は着実であった。米韓日の三国関係の弱点は韓日関係にある。そこを利用すれば韓国を米国から離反させ、中国にと近づけることができるだろうと思い、それに大成功している。だが、中国は巨大になったから、中国に多少は利用されても見返りがあれば悪くない。

当然のこと、米国は韓国の浮気に怒りを覚えるだろう、その時どう米国を宥めるか想像すべきであった。韓国民が歴史上二度の侵略を日本から受け、戦争犯罪も含めて過酷な虐待を受けたと米国民に訴えるだけでは、安倍側の米議会や州政府に対する金に糸目をつけない猛烈なロビー活動の餌食になるだけだ。

朴槿恵大統領と韓国政府は嫌日だけの政策を脱却する新しい『克日』政策を想像力を駆使して編み出す必要があると、中央日報のコラムが論説。

中韓日の外相会談が一応再開されたが、「民間交流を妨げないこと」と「首脳会談実現に努力」で一致したものの、その具体性は全く無く、歴史認識（植民地支配での土地搾取、戦時慰安婦性奴隷、戦時大虐殺問題）については平行線のままで、首脳会談を正面切って計画する雰囲気とは程遠い。

それでも外相会談に続く日韓関係修復活動として、韓国議会の外交通商委員長兼韓日議員連盟の女性委員長である羅卿ウォン氏が訪日し、岸田文雄外相や土屋品子衆議院外務委員長と谷垣禎一自民党幹事長らと面談したが、慰安婦性奴隷問題は平行線であった。
http://japanese.joins.com/article/405/198405.html?servcode=A00§code=A10&cloc=jp|main|inside_left

ところで、米国民主党の重鎮ナンシー•ペロシ議長（女性）が率いる米国下院代表団が訪韓したので、韓国国会の鄭議長が応対した。４月下旬に安倍が訪米し米議会で演説する予定があるので、鄭議長は米議会に釘を刺した。
http://japanese.joins.com/article/464/198464.html?servcode=A00§code=A10&cloc=jp|main|top_news

ペロシ米下院議長「私たちは『慰安婦』に関する安倍演説を米国議会で聴くことを望んでいます。これはすでに何回もはっきり表示した。私は安倍声明が出され、日本人民に『慰安婦』問題の重しを下ろさせる手助けしたい」
http://jp.xinhuanet.com/2015-04/04/c_134124224.htm?from=fetion

鄭議長「心から過去を認めて謝罪することで北東アジアの平和と人類の平和のために未来志向の転機をつくらなければならないが、日本政府が旧日本軍が強制動員した性的奴隷を『慰安婦』または『人身売買』と呼ぶ軽薄な言葉遊びには個人的に憐憫を感じる。今年修交５０周年の韓日友好協力と韓日米間の同盟関係を考えると、歴史認識に対する洞察力の欠如は誠に残念なこと。日本首相の歴史的演説は米議会が２００７年に満場一致で通過させた慰安婦決議案の趣旨を十分に理解し、真の北東アジアの平和と和解が何かを示す記念碑的な行事になることを祈る」

最後に中国の人民日報の論説；http://j.peopledaily.com.cn/n/2015/0402/c94474-8872824.html
慰安婦とは第2次世界大戦中、日本軍によって性的奉仕を強要され、性の奴隷にさせられた女性を指す。

日本軍は占領地域に大量の慰安所を設置、朝鮮・中国・東南アジアなどから延べ７０万人の女性を強制連行し（日本の民間調査団体）、従軍慰安婦として働かせていた。国際連合人権委員会1990年代報告書も「日本が従軍慰安婦を強制的に徴用した」事実を認め、日本政府に謝罪と個人賠償を要求している。

ところが安倍首相は取材で、「心が痛む」としながら、強制連行という卑劣行為を「人身売買」と表現した。しかも、日本政府が加害者であるとは一言も言わず、謝罪も口に出さなかった。韓国世論は「安倍首相発言は慰安婦強制という犯罪の本質と日本政府の責任を覆い隠そうとするものだ。」と非難。

安倍首相は第1次安倍内閣の前から、慰安婦問題を認め謝罪表明した「河野談話」に異議を唱えていた。第2次安倍内閣発足後は、河野談話の作成過程の検証を起点にして、河野談話見直しの流れが巻き起こっている。

安倍政権は国連の慰安婦問題調査報告の作成者に、日本政府が果たすべき責任、被害者への謝罪と賠償に関する記述の撤回を要求し、また米国マグロウヒル社にも歴史教科書の記述削除を要求し、日本の高校教科書からは「従軍慰安婦」と「強制連行」の言葉を削除させる検定行政指導をおこなった。

安倍政権と日本右翼は「強い日本を取り戻す」という野心を燃やし、歴史の正視を拒む。彼らにとって、消し去りがたい歴史の汚点は、強大な日本を取り戻すことを阻む「異物•障害物」なのだ。だが、安倍政権の右翼的歴史観と小細工では世界は騙せない。国際社会の警戒を招き厳しい批判が寄せられている。

3月10日に訪日したドイツのメルケル首相は日本に対し、慰安婦を含む歴史問題を適切に解決することは、日本が隣国との和解を実現する上で重要との見方を示した。

NYTの昨年12月3日社説「日本右翼が安倍政権の後押しを得て、日本軍が数千人の女性を強制的に慰安婦にさせたという第2次世界大戦の暗部を否定する脅迫的キャンペーンを繰り広げている。安倍政権は戦時中の犯罪史をごまかそうと望む勢力に迎合する危険な遊びに手を出している」。

安倍首相らは「日本は将来、平和なアジアのファミリーの一員になるのか、それとも歴史の汚点を持ち続け、軍事再興の野心を燃やす悪しき隣国になるか」という重要な問題に回答すべきだ。

終戦70周年の今年、安倍首相らは危険で間違った右翼的歴史観と野心を振りまきながら、歴史の十字路で道を見失った。歴史の事実と罪を否定しようとするやり方は逆効果を生み、歴史をごまかそうとする日本の企みに対する警戒が強まるだけだ。（新華社／人民日報）

…………
（参照報道）※①〜は報道の抜書要点です。

◆米国務省「慰安婦は性的な目的で女性を売買した行為」（中央日報）
http://japanese.joins.com/article/329/198329.html?servcode=A00§code=A10&cloc=jp|main|inside_left
①米国務省のサキ報道官は３０日（現地時間）、日本軍の慰安婦問題に関して「性的な目的で女性を売買する行為（trafficking of women for sexual purposes）についての私たちの立場は変わることがない」と述べた。
②サキ報道官はまた「安倍首相が今年に入って過去の歴史や日本の戦後の平和寄与について肯定的メッセージを出していることを歓迎している。ワシントンポストとのインタビューもこのような脈絡で理解している。
③私たちは（韓日）両国の強力で建設的な関係が領域内の平和と安定を増進し、これが両国と米国にとって利益になると信じている。私たちは過去の問題を治癒と和解を増進する方向でアプローチすることが重要だということを持続的に強調している」と説明した。
④過去の問題において日本だけでなく韓国・中国も努力しなければならないという点を指摘したものだ。

◆慰安婦：安倍首相「日本のせいではなく戦争のせい」（朝鮮日報）
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/03/28/2015032800543.html
①安倍「歴史の中には多くの戦争があり、その中で女性の人権も侵害されてきた」、国会答弁「日本のせいでなく戦争のせい」という趣旨発言、米紙インタビューで「人身売買の犠牲者」と表現
②安倍晋三首相は27日、従軍慰安婦問題に関連して「筆舌に尽くしがたい、つらい思いをした方々を思い、非常に心が痛む。この点についても思いは、歴代総理と変わらない」「（しかし）これまでの歴史の中では多くの戦争があり、その中で女性の人権が侵害されてきた」と述べた。
③これは、安倍首相が同日、国会参議院予算委員会で藤田幸久民主党議員の質問を受けて答えたものだ。元従軍慰安婦たちが苦痛を味わったことは認めるが、それは日本の強制動員によるものではなく、戦争自体がもたらした悲劇だという趣旨と解釈できる。
④続いて藤田議員が「慰安婦問題を解決する意思があるのか」と尋ねると、安倍首相は「（韓国）首脳は前提条件を付けずに胸襟を開いて語り合うべきだ。会う会わないということを交渉のカードに使うべきではない。これは基本的な交渉姿勢だ」と韓国を怒らせる発電を連発。
⑤安倍首相はまた、27日付の米紙ワシントンポストのインタビューで、従軍慰安婦を「人身売買（human trafficking）の犠牲者」と表現、「計り知れない苦痛と言葉で表せない痛みを経験された方々のことを思うと胸が痛む」と述べた。

◆【コラム】権力の外交想像力＝韓国（中央日報）
http://japanese.joins.com/article/420/198420.html?servcode=100§code=140&cloc=jp|main|top_news
①外交はリーダーシップと想像力の舞台。今年は韓日国交正常化５０年。その正常化は朴正熙政権の作品だ。当時、旧ソ連と中国は敵対国だった。韓国の進出路は南方の大洋だけだった。
②金鍾泌「韓国は大陸についた盲腸。我々は太平洋・大西洋に進まなければいけないが、日本をう回しては行きにくい」。朴正熙は国交正常化を決心し、「昨日の敵でも、今日と明日のために必要なら手を握るのが国家利益と国民福祉を図る賢明な対処」と述べた。親日ではない、経済に日本を活用したのだ。
③今の韓日関係は危険だ。葛藤と憎悪は広くて深い。その様相は、朴槿恵大統領−安倍首相の葛藤を越え、大半の韓国人が日本を嫌う。
④嫌韓はこれまで日本極右派の感情だったが、今では日本人の普遍的意識に広がった。朴正熙時代の外交産物は娘の時代にドロ沼に落ちた。それは奇妙な逆説だ。
⑤こうした流れの責任は安倍の歴史退行だ。彼は慰安婦問題を巧妙に回避する。それは慨嘆と怒りを生む。安倍の態度は韓国と中国を一つに固まらせた。
⑥韓日米協力体制という三角関係の弱点は韓日。中国はそこに注目し、習近平主席はハルビンに安重根義士記念館を作った。ありがたいことだ。記念館は共助の象徴だ。
⑦過去の歴史への対処は外交イメージを強烈に先占する。共助は学界と市民団体が主導するが、韓中政府の合作による対日攻勢は激しかった。韓国外交は国際社会に親中・反日と印象付けた。韓米同盟にも良くない気流。習近平の歴史外交は功を奏したが、韓国外交の想像力不足を表している。
⑧韓国は安倍への圧力で中国の力を借りた。中国の勢いは強く、政府は中国の目を強く意識する。アジアインフラ投資銀行参加問題がそうだった。米国ミサイルＴＨＡＡＤ配備の悩みは深まった。韓中間にも古代史紛争がある。その対立は潜伏状態だ。議論が再登場した時、我々の外交は苦しくなる。
⑨米国にも安倍批判の世論が存在する。しかし国際政治は国益で動き、道徳主義は押し出される。韓中歴史蜜月は特別で、その姿はワシントンの警戒心を強めた。米国は中国の影響力遮断に関心の優先度を移し、日米同盟を強化した。米国議会の安倍演説招請は副産物だ。
⑩日本国内の韓流ブームは金大中時代の作品だ。１９９８年、金大中は「韓日交流史で仲が悪かった時は、豊臣秀吉（壬辰倭乱）７年と明治維新後４０年など、５０年間ほどだ。そのために１５００年の良い関係が損なわれれば恥ずかしい」と言って日本に近づいた。韓流は長期間繁盛した。
⑪日本の右翼化への疾走は止まらない。その流れは安倍の慰安婦謝罪の有無と関係がない。日本は軍事大国に方向を定めた。安倍は山口出身で、明治維新の胎動地であり、帝国日本膨張の精神的な基地で育ったからだ。
⑫韓国は地政学的な宿命を抱いている。周辺強大国と親しくなければいけない。北朝鮮の核への野心は健在だ。日本の情報支援は重要だ。
⑬外交には完勝も完敗もない。朴正熙と金大中が成就させた韓日外交の土台は想像力。「日本を使う」という想像力だ。「日本に克つ」の誓いも同じだった。想像力を練磨しなければいけない。外交の観点と眼識を豊かにすることだ。外交の想像力は権力の成敗を決める。（パク・ポギュン論説委員）

◆羅卿ウォン外交通商委員長が１日に日本訪問…慰安婦問題など議論（中央日報）
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①羅委員長は岸田文雄外相や土屋品子衆議院外務委員長、谷垣禎一自民党幹事長らと面談する。
②羅委員長「日本軍の慰安婦、終戦７０周年の安倍首相談話など主な懸案について深みのある議論をするつもりだ。また国交正常化５０周年だが両国が梗塞局面から抜け出せずにおり国会レベルの努力も必要。成功裏に開催された韓日中外相会議の雰囲気を継続したい」
③韓日議員連盟の女性委員長でもある羅委員長は、日本の女性議員との懇談会や在日民団中央本部関係者との面談も行う予定だ。韓日議員連盟所属であるセヌリ党の吉ジョン宇議員が同行。

◆韓国の鄭義和国会議長は２日、米民主党のナンシー・ペロシ下院議長をはじめとする米下院代表団と接見し、韓日関係改善に向けて米議会の協力を要請した。（中央日報）
http://japanese.joins.com/article/464/198464.html?servcode=A00§code=A10&cloc=jp|main|top_news
①鄭議長は同日、韓国の国会を訪れた米下院代表団と昼食会を持ち、安倍晋三首相が今月末に米上・下院合同演説を行うことと関連し、「心から過去を認めて謝罪することで北東アジアの平和と人類の平和のために未来志向の転機をつくらなければならない」と促した。
②鄭議長「日本政府が旧日本軍が強制動員した性的奴隷を『慰安婦』または『人身売買』と呼ぶ軽薄な言葉遊びには個人的に憐憫を感じる。今年修交５０周年の韓日友好協力の増進と韓日米間の同盟関係を考えると、歴史認識に対する洞察力の欠如は誠に残念なこと。日本首相の歴史的演説は米議会が２００７年に満場一致で通過させた慰安婦決議案の趣旨を十分に理解し、真の北東アジアの平和と和解が何かを示す記念碑的な行事になることを祈る」。

◆ペロシ、安倍首相に「慰安婦」問題で謝罪するよう呼びかけ（新華社）
http://jp.xinhuanet.com/2015-04/04/c_134124224.htm?from=fetion

◆慰安婦を「人身売買」と表現した安倍首相、一体何を考えているか？（新華社／人民日報）
http://j.peopledaily.com.cn/n/2015/0402/c94474-8872824.html
①慰安婦とは第2次世界大戦中、日本軍によって性的奉仕を強要され、性の奴隷にさせられた女性を指す。
②日本軍は占領地域に大量の慰安所を設置、朝鮮・中国・東南アジアなどから強制的に女性を連行し、従軍慰安婦として働かせていた。日本の民間調査団体の推算によると、第2次大戦中の慰安婦の人数は70万人に上る。
③国際連合人権委員会の1990年代の報告書も「日本が従軍慰安婦を強制的に徴用した」事実を認めており、日本政府に対して被害者に謝罪と賠償を行い責任を果たすよう要求している。
④ところが安倍首相は取材の中で、「心が痛む」としながらも、慰安婦強制連行という劣悪な行為を「人身売買」と表現した。しかも、日本は加害者であるとは一言も言わず、謝罪も口に出さなかった。
⑤韓国世論は「安倍首相の発言は歴史問題を故意に回避し、慰安婦問題の本質と日本政府の責任を覆い隠そうとするものだ。河野談話と比べると大きな隔たり」と指摘している。
⑥安倍首相は第1次安倍内閣発足の前から、慰安婦問題を認め謝罪表明した「河野談話」に異議を唱えていた。第2次安倍内閣発足後、河野談話の作成過程に関する検証をはじめ、日本国内で河野談話見直しの流れが巻き起こっている。
⑦安倍政権は国連の慰安婦問題の調査報告書の作成者に、日本政府が果たすべき責任、被害者への謝罪と賠償に関する記述の撤回を要求したほか、高校教科書から「従軍慰安婦」と「強制連行」の言葉を削除させる指導をおこなった。
⑧安倍政権および右翼勢力は「強大な日本を取り戻す」という野心を燃やして、歴史の正視を拒む。彼らにとって、消し去りがたい歴史の汚点は、強大な日本を取り戻すのを阻む「異物•障害物」なのだ。
⑨安倍政権の右翼的歴史観と小細工は、世の人々を騙すことはできず、国際社会の警戒を招くと同時に厳しい批判が寄せられている。
⑩3月10日に訪日したドイツのメルケル首相は日本に対し、慰安婦を含む歴史問題を適切に解決することは、日本が隣国との和解を実現する上で重要との見方を示した。
⑪NYTの昨年12月3日社説「日本右翼が安倍政権の後押しを得て、日本軍が数千人の女性を強制的に慰安婦にさせたという第2次世界大戦の暗部を否定する脅迫的キャンペーンを繰り広げている。安倍政権は戦時中の犯罪史をごまかそうと望む勢力に迎合する危険な遊びに手を出している」。
⑫安倍首相らは「70年前の日本についてどう考えるか」「日本は隣国との関係をいかに適切に処理すべきか」「日本は将来、平和なアジアのファミリーの一員になるのか、それとも歴史の汚点を持ち続け、軍事再興の野心を燃やす悪しき隣国になるか」といった重要な問題について回答すべきだ。
⑬終戦70周年の今年、安倍首相らは危険で間違った右翼的歴史観と野心を振りまきながら、歴史の十字路で道を見失った。歴史の事実と罪を否定しようとするやり方は逆効果を生み、歴史をごまかそうとする日本の企みに対する警戒が強まるだけだ。
⑭戦時中の歴史をごまかすことで、日本が歴史の重荷を下ろすことはできない。この道理を、安倍首相らは聞き入れてくれるだろうか？