安倍の露骨な中国軍事牽制願望を仕方なく利用するモディ

※敬称略 ◆は参照報道、①〜はその要点

◆安倍首相、中国けん制へ成果急ぐ=インドと温度差も−日印首脳会談12日(時事)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2015121200347
◆課題抱え「日印新時代」 原子力協定に原則合意(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12115584.html?ref=pcviewer

➀安倍首相は、「強引な海洋進出で周辺国との摩擦を強める中国」を日印で共同牽制しようと焦ったが、日本側の共同声明案にあった南中国海情勢に「深刻な懸念」が『変化に留意』に変えられた。インド側は「連携を強化したいのなら強硬一辺倒ではない対中姿勢に変えろ」と要求したのだ。

②安倍首相はまた、インドに中国牽制をさせるために破格の経済協力を提示したが、美味しいところを取られただけだった;

(1) 日本の新幹線システム導入に関する覚書に署名;
商業都市ムンバイとアーメダバード間約500キロで新幹線方式を採用することを確認。日本は総事業費約1兆8千億円のうち、最大81%の円借款を低金利、無担保で供与する。破格の条件を提示した。

インドには7本の高速鉄道計画があり、安倍首相は『インドの他の高速鉄道路線にも導入されていくことを強く期待する』と強調。今年10月、インドネシア高速鉄道計画で中国が受注を決め、「逆転負け」を喫した仕返しをインドでと目論む。だが、エリート専用の新幹線に巨額経費は強い拒否反応。

中印は全国鉄道網改良事業協定を今春締結している。屋根にまで客が乗る在来線で重大事故が多発し定時発着が困難化したことを中国の力で解決する協定である。ムンバイ―アーメダバード間の現在運賃は約360円で、日本の新幹線が採算を取れる運賃は約4200円と、12倍にもなる。

また、ビジネス層は激しい価格競争を繰り広げる格安航空会社を利用しており、新幹線の想定運賃を下回る。

(2) 原子力協定が合意され、技術的な詳細が完成後に署名を確認;
インドは原発40基の増設を計画。米仏と原子力協定を結んでいるが、米仏の原子炉の圧力容器は日本製で、日本が協定を結べば、インドはWH(東芝子会社)などから原発を購入できる。

インドはカナダが提供した原発の使用済み核燃料を再処理して核爆弾を製造し、1974年に核実験し、98年に再び核実験。同国は核不拡散条約に未加盟で、「核開発は自国の権利」としている。インドが核実験を再開した場合は協定を停止させる条項はインド政府から拒否され、署名した覚書にも規定無し。

(3) 軍事協力では防衛装備品・技術移転協定、秘密軍事情報保護協定に署名;
日本は核燃料ウランを輸入しなくなった豪州は、中国も製鉄用石炭の輸入が激減し経済が停滞。この危機を救うために、安倍は豪州がウランをインドに輸出する道を開いた。

インドでは3億人が電気無し生活で、大停電も多発し、インドは原発が欲しい。これで豪州とインドと日本は軍事同盟を結べると安倍は考える。その日印軍事協定は豪軍を巻き込もうと画策している。それには米軍の後ろ盾が必要だが、東芝子会社のWHは米国籍の企業であり貸しになる。

安倍政権と外務省は中国へのリベンジに固執して、このような軍事外交ばかりを考える。世界で最も危険な、ISよりも性質の悪い軍事政権と言えるだろう。