BRICSとSOCのウファ宣言

(1) BRICS首脳会議 ウファ宣言
(2) BRICS開発銀行初代総裁にインドのK・V・カマト氏
(3) 上海協力機構(SCO)首脳理事会 ウファ宣言
(4) 中国が安倍首相を抗日戦勝70周年記念式典に公式招待
(5) インドとパキスタンの和解本格化
※敬称略 ◆は参照報道、①〜はその要点


………(1) BRICS首脳会議 ウファ宣言………

7月9日、ロシアのウラル山脈西山麓のウファで開催された。
【出席者】
中国の習近平主席、ロシアのプーチン大統領、ブラジルのルセフ大統領、インドのモディ首相、南アフリカのズマ大統領
【招待され出席した首脳】
アルメニアのセルジ大統領、アフガニスタンのガニ大統領、ベラルーシのルカシェンコ大統領、イランのロウハーニー大統領、カザフスタンのナザルバエフ大統領、モンゴル国エルベグドルジ大統領、パキスタンのシャリフ首相、タジキスタンのラフモン大統領、ウズベキスタンのカリモフ大統領。
【招待され出席した組織】
ユーラシア経済連合(EEU)加盟国、上海協力機構(SCO)の加盟国

BRICS首脳会議ウファ宣言】
BRICSは、米国が国際通貨基金IMF)の2010年の改革計画を批准しなかったことに、深く失望。
BRICS開発銀行は2016年初に第1期投資プロジェクトを確定し、既存および新たな金融機関(アジアインフラ投資銀行AIIBを含む)との緊密な連携に関する提案を歓迎する
・採択した宣言は計43ページで、77種類の内容を網羅し、BRICSの多国間協力の最も重要な問題に対する共同解決案を示している。

カナダ紙『グローブ・アンド・メール』
ロシア中部のウファで、第7回BRICS首脳会議と第15回上海協力機構首脳会議が、8−10日にかけて開催された。BRICS上海協力機構の首脳会議が、同じ場所で相次いで開催されるのはこれが初めて。共通の利益を巡る中露の近年の緊密ぶりを示している。

◆世界の注目を集めるBRICS首脳会議、多項目の協力合意を達成(新華社
http://japanese.china.org.cn/business/txt/2015-07/10/content_36029638.htm
①ロシアのリヤブコフ外務次官
BRICSが大きく前進し、国際情勢に直接影響を及ぼす要素になった。BRICSは西側諸国の差別的な政治連盟とは本質的に異なっている。これは21世紀の真新しい出来事だ。多極化した世界の新中心、より民主的な国際関係の新体制がBRICSの位置付け。

イタルタス通信
プーチン大統領BRICSの枠組み内でエネルギー協会もしくは連盟の設立を提案した。
・中国の習近平国家主席は同日のテーマ演説で、BRICSのパートナーシップの強化について、
1)世界平和を維持するパートナーシップ
2)共同発展を促進するパートナーシップ
3)多元的な文明を発揚するパートナーシップ
4)グローバル経済ガバナンスを強化するパートナーシップ
――という4つの主張を行った。

BRICS首脳会議「ウファ宣言」
BRICSは、米国が国際通貨基金IMF)の2010年の改革計画を批准しなかったことに、深く失望。

BRICS開発銀行は2016年初に第1期投資プロジェクトを確定し、既存および新たな金融機関(アジアインフラ投資銀行AIIBを含む)との緊密な連携に関する提案を歓迎する

・採択した宣言は計43ページで、77種類の内容を網羅し、BRICSの多国間協力の最も重要な問題に対する共同解決案を示している。

④「BRICS経済パートナーシップ戦略」
・エネルギーや製造業における多くの協力成果を発表した。ロシアのシルアノフ財相は、中国の投資家が今年すでに500−600億ルーブルの債券を購入しており、中国の対露投資が拡大を続けていると発表した。

アラブ首長国連邦の現地紙
BRICS開発銀行は世界の新秩序を創造する砲火だ。成功すれば、我々がよく知っている世界の終焉が始まる。この動きは、西側主導の金融システムが、間もなく瓦解するというメッセージを発した。

・時間の経過に伴い、新開発銀行は名高い世界的な銀行になり、アジアインフラ投資銀行と提携して慈悲と優しさにあふれる世界を作るかもしれない。これはIMF世界銀行が、過去71年間でやり遂げなかったことだ。

⑥イタリアの経済学者Graziani Tiberio氏
・欧州経済が不確実性を増す中、BRICS上海協力機構の首脳会議の開催は、世界経済の歴史的な出来事となった。世界経済の中心は、東半球に急速に移ろうとしている。

BRICS開発銀行の他に、中国がアジアインフラ投資銀行AIIBの設立を主導している。これらの金融機関はBRICSおよび世界の経済に力強い刺激をもたらし、ロシアもこれによって欧米の制裁を退けることができる。

・二つの首脳会議の同時開催は、西側諸国が地政学および世界経済における主導権を失いつつあることを示した。

習近平主席、第7回BRICS首脳会議で『パートナーシップを共に構築し、素晴らしい未来を共に創造する』というテーマの基調演説(新華社
http://jp.xinhuanet.com/2015-07/10/c_134400979.htm
①中国側は各当事者と共に、BRICS諸国の協力を絶えず深く着実に行うよう共同で促進し、世界の平和と発展のために大きな貢献を作り出してゆきたい。

②四つのパートナーシップが不可欠である。すなわち、世界平和の維持/共同発展の促進/多元的文明の発揚/グローバル経済ガバナンスの強化を実現するためのパートナーシップである。

③グローバル経済ガバナンスを改革し改善するには、より多くの国々がBRICS銀行、BRICS基金アジアインフラ投資銀行シルクロード基金、一帯一路(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)という提案を支持し、世界経済成長や国際金融システム改革の原動力になるべきだ。

習近平主席、BRICS諸国とユーラシア経済連合、上海協力機構の加盟国、オブザーバー国及び招待される国の指導者の対話会に出席(新華社
http://jp.xinhuanet.com/2015-07/10/c_134401319.htm
習近平首席
・中国側がシルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロードの建設の提案を提起した後、各当事者の積極的な応答を得た。

・最近、中国側は「一帯一路(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)」構想を巡って国際社会と積極的にドッキングしており、具体的な協力プロジェクトの実行を実務的に推進している。アジアインフラ投資銀行シルクロード基金の設立は、その中の重要な措置である。


………(2) BRICS開発銀行初代総裁にインドのK・V・カマト氏………

7月7日、BRICS開発銀行がモスクワで初の理事会会議を開き、インドのK・V・カマト氏が初代総裁に任命された。任期は5年。本部は上海。

67歳になるカマト氏はインド民間銀行最大手ICICI銀行の元頭取で、インド最大の情報科学技術企業インフォシス(Infosys)の社外取締役。カマト氏はアジア開発銀行での任期期間中にも中国やインド、インドネシア、フィリピンなどの国々のプロジェクトを担当してきた。

カマト氏は新開発銀行の最初の貸付金を、来年4月1日までにBRICS諸国のインフラ建設分野に貸し付けることを明言している。

BRICS開発銀行が世界銀行アジア開発銀行の業務と重なり競争が生じるという疑問に対しカマト氏「我々はパートナーであり、敵ではない。新開発銀行であろうとその他の国際金融機関であろうと、すべての国と地域の融資需要を満たすことはできない。我々には十分大きな市場がある」。

カマト氏はまた、世界金融のイノベーションを強調し、「この銀行自体が先駆的事業であり、斬新かつ実務的な措置を講じて発展させていく必要がある。まだ誕生間もない銀行だが、すでに拡大を待ちわびている、特にアフリカ諸国は最も期待を寄せている新メンバー」と述べた。

BRICS創設の「新開発銀行」総裁にインド金融界の「老兵」就任(人民日報)
http://j.people.com.cn/n/2015/0710/c94476-8918828.html
①カマト氏は銀行界で経験が豊かであるだけでなく、業界内で積極的なイノベーションを進めてきた人物。70年代末、カマト氏は巨額を投じてICICI銀行にコンピューターシステムを導入した。その判断は今日インド国内の同業界内でリーダー的地位を確立することに繋がっている。

②世界経済が衰退を辿っていた90年代、それは同時に情報化、デジタル化経済が到来した時期であり、経済のグローバル化は大きく加速していた。カマト氏率いるICICI銀行は国内外の多くの金融・非金融機関を吸収し、インドで最もグローバルな銀行へと成長していった。


………(3) 上海協力機構(SCO)首脳理事会 ウファ宣言………

ロシア中部のウファでは、BRICS首脳会議に続いて、上海協力機構(SCO)首脳理事会が10日に開かれた。

【出席者】
中国の習近平主席、ロシアのプーチン大統領カザフスタンのナザルバエフ大統領、キルギスタンのアタンバエフ大統領、タジキスタンのラフモン大統領、ウズベキスタンのカリモフ大統領
【招待され出席した首脳】
アルメニアのセルジ大統領、アフガニスタンのガニ大統領、ベラルーシのルカシェンコ大統領、イランのロウハーニー大統領、モンゴル国エルベグドルジ大統領、パキスタンのシャリフ首相
【招待され出席した組織】
ユーラシア経済連合(EEU)加盟国

上海協力機構(SCO)ウファ宣言/共同声明】
・世界の政治経済は複雑な変化の時を迎えており、世界の多極化が主な流れとなった。SCOの協力を深め、テロリズム、過激主義、分裂主義の撲滅を進め、地域のテロ撲滅への取り組みを強化し、伝統的・非伝統的な脅威に共に立ち向かい、総合的な安全を維持していくことで各国首脳は合意した。

シルクロード経済ベルトを構築し、経済社会の持続可能な発展を保障し、貿易投資の円滑化を促し、物流、情報通信といった分野のインフラを整え、工業、交通、通信、農業、イノベーション協力を促し、文化、科学技術、衛生、観光、スポーツといった分野での協力を深めるべきだとの共通認識に達した。
・中国が主導する「一帯一路経済ベルト」建設、ロシアが主導する「ユーラシア経済連合(EEU)」を有機的に結合し、ユーラシア大陸全域にインフラ建設を促進し、経済発展を促す。そのために、BRICS銀行、BRICS基金アジアインフラ投資銀行AIIB、シルクリード基金を活用する。

・準加盟国インド、パキスタン両国の新規加盟手続きを開始することが決議された。
・準加盟国イランについては、国連常任理事会が制裁を解除すれば、直ちに正式加盟となる。国連にはイラン核協議の早期の最終合意を呼び掛けた。

【世界反ファシズム戦争並びに第二次世界大戦勝利70周年に関する共同声明】
・われわれ、SCO加盟国元首は、巨大な犠牲と物質的損失をこうむって、世界に奴隷のように酷使されることと壊滅するのを免れさせた各国人民に深く感謝している。
・われわれは中国人民の英雄的な精神と功績を高く評価している。彼らは日本軍国主義に反撃する戦争において勇ましく戦い、世界反ファシズム戦争勝利のために巨大な犠牲を払ったからだ。
・SCO加盟国はファシズム軍国主義への反撃に参加した世界各国の人民に敬意を表し、彼らが勝利を勝ち取るために果たした貢献を心に刻んでいる。
第二次世界大戦は人類の大多数を戦火に巻き込ませた。この歴史はわれわれに力を尽くして、新たな反人類の危ない思想の台頭を防ぐよう要求した。われわれは道徳と法律の面で第二次世界大戦の成果を歪曲し、また、この全人類の悲劇の教訓を忘れようとする企てに断固として反対するよう呼びかける。

各国首脳は加盟国が開催する第2次世界大戦勝利70周年の記念活動を高く評価し、ファシズムからの支配、物的損失や壊滅的な犠牲から世界を救った人々に対し心から感謝の意を表した。そして、平等と共同安全保障、相互の利益配慮、法治などの原則を踏まえ、第二次世界大戦後に形成されたグローバルガバナンスの仕組みを固めることを呼びかける。第2次大戦の歴史の改ざんに断固反対する。

インドとパキスタンとイランが正式加盟すると上海協力機構SOCの人口は地球人口の60%、購買力平価GDPでG7の85%に達する規模になる。今回はBRICS首脳会議と一体化された感があるが、拡大されたSOC加盟国にBRICSのブラジルと南アフリカを加えるとG7よりも大きい連合体になる。

インドの正式加盟は、非同盟中立を国是とする同国憲法に違和感がないのか気になる。非同盟中立だが核武装し強い軍事力で侵略を防ぐというインドだから、非同盟中立にも派生する理屈が成り立つのだろう。そうでないと、米国公式訪問は不可能だし、今回のパキスタンとの歴史的和解も説明できない。

インドは購買力平価GDPで日本の1.7倍の大国である。核兵器もミサイルも空母も保有する。だが人口が15億で、生活水準を上げるには原油天然ガスの輸入量を倍増させる必要があり、その安定供給国が不可欠だ。米国はそれに値しない。その対象はロシアとイランというSOC加盟国なのだ。

ところで、IMFが使用する経済力指標、購買力平価GDPで日本と比較すると、SOC+BRICSは7〜8倍の経済規模である。米国は輸入どころか輸出倍増で国家破産危機を乗り切ろうとしている。それはTPPとアジア回帰政策である。EUは金融破綻の後遺症を克服するために20年かかると予想されている。

日本企業は海外子会社を含む「連結決算」では史上空前の利益を上げているが、日本への貢献はほとんどなく、むしろマイナスばかりだ。その海外子会社は中国内需依存である。米国は輸入しない、EU内需が細っている。

ASEANにつくった子会社はそこから中国に輸出して稼いでいるから、中国の内需が細ると、日本企業は連結決算ベースでも重体に陥る宿命にある。ここ1ケ月の日経平均の浮沈は8割以上が上海株式市場と連動している。香港株式も上海と一心同体である。中国が風邪を引けば、日本は肺炎になる。

安倍が秘密折衝で中国政府に土下座している可能性を感じる。その内実がBRICSとSOC首脳会議で開陳され、習近平が安倍を9月3日抗日戦争勝利70周年軍事パレードに公式招待し、日本政府とのやり取りがあると、SOC共同声明に付属する会見で公式に述べられた。

習近平の公式招待を安倍が土足で踏み躙り、拒否するかと思いきや、安倍側は国内説明の困難さから、9月3日だけは避けて、その直後に訪中し、8月に出すのであろう、安倍個人談話の歴史反省部分を直接説明させて欲しいと言っているらしい。そうでもしないと、日本経済がいよいよ破綻するからだ。

上海協力機構加盟国元首がウファ宣言 戦後の仕組み維持呼びかけ(新華社
http://jp.xinhuanet.com/2015-07/11/c_134402709.htm

◆SCO加盟国元首の世界反ファシズム戦争並びに第二次世界大戦勝利70周年に関する声明(新華社
http://jp.xinhuanet.com/2015-07/11/c_134402865.htm

G7に対抗、声明採択=印パ加盟へ、歴史改ざん反対−ロシア・上海協力機構(時事)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int&k=2015071000934&utm_source=twitter&utm_medium=jijicom&utm_campaign=twitter

◆日米欧けん制、勢力拡大画策=「歴史」「経済圏」で思惑−中国(時事)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2015071000943&utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter

習近平主席が10日、上海協力機構(SCO)首脳理事会第15回会議で講演(人民日報)
http://j.people.com.cn/n/2015/0711/c94474-8919031.html
①本地域の運命共同体を構築し、加盟国の安全と安定を共に守り、協力の内容を充実させ、世代を超えた善隣友好関係を結び、互いに学び合い開放を堅持し、新たな出発点から上海協力機構の新たなる飛躍を実現させよう。

◆インド、パキスタンの加盟手続き開始決議 SCO元首理事会(新華社
http://jp.xinhuanet.com/2015-07/11/c_134402844.htm

◆インドが上海協力機構加盟を渇望する理由(人民日報)
http://j.people.com.cn/n/2015/0710/c94474-8918725.html
①今月8日のウファサミット開催直前、習近平国家主席はインドのモディ首相と会談した。両国はいずれも発展途上の大国であり、急成長を続けるBRICSの構成国である。
②今年5月、中国は訪中したモディ首相を国賓待遇でもてなした。両国首脳は西安で中印戦略パートナーシップの中身を充実させ、より緊密な発展パートナーとしての関係を構築していくことで合意し、世界に向けて協力と共同発展という積極的なシグナルを発信した。
③今回ロシアのウファで再びモディ首相と会談した習主席は、「双方の共同努力の下、我々の各分野の共通認識が実行されつつあり、両国の立法機関、鉄道、産業パーク、スマートシティといった分野の協力が安定的に進められている」と喜んで語った。
④ウファサミットでは「インドとパキスタンがSCOに同時加盟」が決議され関係国の批准によって正式加盟になる。
⑤インドの「経済時報」紙
SCO設立後14年間で最大の新規加盟(日本の人口の14倍、購買力平価GDPでは2倍)。また、インドとパキスタンは核保有国。SCOの核保有国は4国となり、G7の3国を凌駕した。これは良し悪しではなく、ユーラシアの安全維持にとって軽視できない重要性がある。
④SCOが重視する「3つの勢力」(過激宗派問題、民族分裂勢力、テロ勢力)の撲滅という課題は、まさにインドとパキスタンが直面する課題であり、中国の新疆ウイグルで活動する無差別テロ組織の温床がパキスタンの北部にあるからだ。
⑤中国上海協力機構研究センター常務理事、中国国際問題研究院上級研究員の石沢氏
・今回の加盟国拡大で、安全を維持する地域が中央アジアから南アジアへと拡大した。インドとパキスタンはこの地域で影響力のある国。緊密な協力関係を結ぶことは現実的に意義あることだ。
・SCO創立以来10年が経過し、中国の法整備プロセスも成熟したものになった。
・インドの加盟は、中印両国の新たな分野での協力も開拓することになる。さらに、国際社会において中印が協力を深めることは発展途上国の利益を守る上でも重要な意味を持つ。中印は手を携えてグローバルガバナンス体制の改善を進めていかなければならない。
・もう一つ軽視できないのが、SCOに加盟することによってインドにもたらされる経済的メリットだ。インドは世界最大のエネルギー消費国の一つであり、SCOに加盟すればロシアや中央アジア諸国とより円滑なエネルギー協力交渉を進めることができ、より緊密な相互信頼関係を構築することに繋がる。


………(4) 中国が安倍首相を抗日戦勝70周年記念式典に公式招待………

◆习近平已邀请安倍参加纪念抗日战争胜利70周年活动(環球時報
http://world.huanqiu.com/article/2015-07/6973039.html
①中国外交部の程国平副部長記者会見
・ウファSOC首脳会議に先立ち、日本の安倍晋三首相に9月3日の反ファシズム・抗日戦勝70周年記念行事への公式招待状を送付した。
・安倍首相の公式招待はウファSOC会議首脳から全面的に支持され、SOC構成国の6ケ国首脳が参列することになった。それが共同声明「第2次世界大戦勝利70周年の記念活動の全面的支持」と「歴史改竄を断固拒否し、歴史に対する真摯な反省を求める」として具現化された。

◆日媒称安倍9月或将访华并出席抗战阅兵 日使馆就此回应本网(環球時報
http://world.huanqiu.com/exclusive/2015-07/6973764.html
①7月11日の《朝日新聞》報道
安倍晋三首相は9月の中国訪問を検討している。安倍は恐らく、9月3日抗日戦争勝利70周年閲兵式を避けて訪中したいらしい。国内の反対が強烈で説得不可能なためである。
・しかし外務省はその問い合わせを完全に無視し、駐中国日本館の報道官は公式招待状を受け取っていないと言っている。
・かといって、安倍は中国の公式招待を拒絶できない。拒絶すれば安倍外交の国際的孤立が極限に達するだけでなく、日本経済の破たん懸念が現実性を帯びてくることが明白だからである。だから安倍側が9月3日を避け、その直後に訪中し、習近平との首脳会談を望んでいる。

◆安倍首相、9月訪中を検討 抗日記念行事外す方向で調整(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/ASH7B75DGH7BUTFK023.html?iref=comtop_list_pol_n02
①安倍首相は周囲に「(中国から)招きがあるのに逃げたくない」との趣旨の発言をして訪中に意欲をみせているという。しかし、9月3日の記念行事への出席は日本国内で反発を招きかねないとみて、この日は避け、その前後に訪中する方向で調整している。
②安保関連法案の国会審議などの影響で、安倍内閣の支持率は低下傾向にある。今後も、九州電力川内原発1号機の再稼働など世論の批判が強い政策課題が待ち受けており、政権としては日中関係改善を訴え、支持率回復につなげたいとの思惑もある。
③ハードルもある。通常国会は9月27日まで延長され、9月初旬は安保関連法案の国会審議が山場を迎えている可能性がある。政府高官も「最終決定は国会の状況次第だ」と話す。
④また、安倍首相が戦後70年の節目に出す「安倍談話」も障害になりうる。首相は談話の閣議決定を見送る意向を示したり、アジア外交に関心が強い公明党と事前調整する方針を固めたりするなど一定の配慮をみせているものの、内容次第では中国側の姿勢が硬化するおそれもある。


………(5) インドとパキスタンの和解本格化………

上海機構会議にオブザーバー参加したパキスタンとインドの首相がロシアで会談し、和平を確認。上海機構は両国からの正式同時加盟を決議した。なおイランの正式加盟は国連の兵器禁輸制裁が解除されれば自動的に正式加盟となる。

◆印首相、16年にパキスタン訪問 交流通じ紛争終結めざす
首脳会談で合意 (日経)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM10H6D_Q5A710C1FF1000/?dg=1
①インドのモディ首相とパキスタンのシャリフ首相は10日、上海協力機構(SCO)首脳会議のため訪れているロシア南部ウファで会談した。モディ氏はシャリフ氏の招きに応じ、現職首相としては12年ぶりとなる2016年の訪パを約束。両者は軍関係者の会合開催など5項目で合意した。
②モディ氏が約束した16年の訪パは、南アジア地域協力連合(SAARC)首脳会議の一環。インドの現職首相の訪パは、バジパイ首相(当時)が同会議に出席し、ムシャラフ大統領(同)と会談した04年まで遡る。
③印パ首脳が合意したのは、
1)両国の安全保障担当顧問の会合開催
2)国境警備隊の会合の早期開催
3)相互に拘束する漁民の15日以内の釈放
4)地域観光の活性化策の検討
5)ムンバイ同時テロ関連の裁判の加速
――の5項目。
④印パ両国はカシミール地方の国境線などを巡り3度戦火を交え、対立してきた。08年の「ムンバイ同時テロ以降はほとんど前進がない」(インド外交専門家)。今回の合意内容からは、両国首脳がカシミール紛争の終結に道筋を付け、経済交流を促進させたいとの意向がうかがえる。


………………

◆中国の活動「不安定要因」=ロシア含め4カ国警戒−次期制服トップ(時事)
(URL消された)
記事タイトルの「次期制服トップ 」。この記者は、日本は米国の一部であり、わざわざ「米国の」と書く必要もないと思っている。日本報道の傾向。デンプシーの後任の書面発言だが、米国が「虎」なら中国は「ライオン」あることに留意すべきだ。

◆米軍次期統合参謀本部議長、最大の脅威は「ロシア」
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2537067.html
デンプシーの後任統合参謀議長は米軍の厄介者「海兵隊」あがりか。

◆中ロを強く警戒=大国の動向に懸念−次期米軍トップ(時事)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int&k=2015071000105&utm_source=twitter&utm_medium=jijicom&utm_campaign=twitter
①米軍の次期統合参謀本部議長に指名されたダンフォード海兵隊総司令官は9日、ロシアを米国に対する「最大の脅威」と位置付け、中国もこれに次ぐ危険な存在だと名指しした。南シナ海での岩礁埋め立てや米軍に対抗する装備開発を進める中国への警戒をあらわにした形だ。
 ダンフォード氏は自らの人事を審議する上院軍事委員会の公聴会で、「国家の安全に対する危険」に関し順位を付けるよう問われ、「第一にロシア、第二に中国」と明言。中国について「目下の脅威では必ずしもないが、米国が太平洋に有する権益と比較して検討すれば、安全保障面の懸念と考える必要がある」と強調した。

記事の通りなら、この男は「虎」の威を借りる「きつね」。その狐が「ライオン」に噛みついた構図。愚か

自衛隊の空飛ぶ「虎の子」、米欧も注目(日経)
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO89000350X00C15A7000000/?dg=1
「虎」は米軍、その子供は自衛隊、殺す潜水艦は「ライオン」に成長した中国・・・無謀で戦争の危機を作り出す兵器。