自衛隊が南中国海に「進出」;対中戦争準備着々

※敬称略 ◆は参照報道、①〜はその要点


安倍と外務官僚の強迫された自衛隊は南中国海に進出した。哨戒機P3Cを沖縄から派遣し、片道4時間、往復7時間、中国実効支配島嶼の哨戒飛行2時間という演習をフィリピン軍と共同実施した。

東中国海の領土紛争島嶼は釣魚(尖閣島嶼だけだが、南中国海の係争当初は数十におよび、その分布も千キロに及ぶ。哨戒飛行は24時間切れ目なく、舐めるようにが鉄則。1回の飛行で2時間が限界なら、海自は対潜哨戒機40機を買い増す必要がある。その予算は約1兆2千億円。

哨戒飛行をするにはスクランブル追撃し中国軍を追い払う戦闘機が不可欠である。それには少なくとも20機買い増す必要。その費用6千億円。

自衛隊の哨戒機か戦闘機が海上に落ちたら自衛艦が救助する必要がある。中国海軍に救助されたら、自衛官は国土侵略の重罪を課されるだろう。戦闘ヘリとF35を搭載する空母やミサイル・イージス艦の建造が必要。費用およそ2兆円。対抗する中国軍は既に最新軍備を配備済である。

南中国海には中国の原潜基地もある。水中発射可能な戦略原潜は浅海の東中国海にはおらず、2千メートル級の海域がある南中国海に遊弋し、日本もグアム・ハワイも射程範囲に収めている。海自がP3C対潜哨戒機を派遣した理由は中国原潜の音源データ収集だとみられる。海自は潜水艦3隻必要で6千億。

哨戒機の増設数を減らすには、フィリピンのスーピック軍港の租借が不可欠になる。租借の年額は1千億程度か。そこに、P3C等20機、F35戦闘機20機、給油機1機、空母1隻、イージス艦対3、フリゲート艦10隻程度を駐留させ、残りは日本で整備。自衛隊員は1万人程度で、年経費2千億か。

この合計は? 一時費用3兆8千億円、年間経費3千億円。ほかにも問題がある。自衛隊国際法では軍隊ではなく、自衛隊員は普通の国家公務員である。戦闘で捕虜になっても国際法による捕虜待遇義務が無い。中国国内法の国家転覆罪という重罪を課される可能性も法的にはある。

さらに問題は、1万人の増員を行うが、応募する若者はほぼ絶無で、むしろ在籍自衛官の離職が激増するだろう。こんな軍隊よりも危険な玩具軍隊の餌食にされてはたまらないし、命を捨てる大義など全く見当たらない。安倍の怨念を少し癒してやるためだけに命を捨てる阿呆はいない。

沖縄米軍は抑止力だけで、実戦力は中国南京軍区の1/10でしかない。沖縄自衛隊の戦力を加えても1/7程度であり数で圧倒される。奇襲攻撃の緒戦1回だけ勝機があるが、その2日後には沖縄軍事基地を壊滅させる戦力が南京軍区にはある。そんなひ弱な自衛隊戦力を南中国海に割く?

そんな背景を考えながら、次の記事を読みました;
◆日比共同訓練、中国を牽制(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11830390.html?ref=pcviewer(1面)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11830390.html?ref=pcviewpage(3面)