安倍族のマスコミ弾圧第二段階宣言−2

※敬称略 ◆は参照報道、①〜はその要点

◆沖縄・報道の自由、威圧 自民勉強会(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11828505.html?ref=pcviewer
百田尚樹氏は、報道陣に公開された冒頭で「反日とか売国とか、日本をおとしめる目的で書いているとしか思えない記事が多い」とマスコミ批判、議員は「そうだ!」と盛り上がった。
その後、会合は「非公開」に。出席者への取材によると、報道規制を正当化する発言が相次いだ。

大西英男衆院議員】(東京16区、当選2回)
「マスコミを懲らしめるには、広告料収入がなくなるのが一番。安倍晋三首相も言えないことだが、不買運動じゃないが、日本を過つ企業に広告料を支払うなんてとんでもないと、経団連などに働きかけしてほしい」。

井上貴博衆院議員】(福岡1区、当選2回)
青年会議所理事長の時、マスコミをたたいたことがある。スポンサーにならないことが一番(マスコミは)こたえることが分かった」。

百田尚樹氏】
「新聞よりテレビだ。五つの民放が、自由競争なしに地上波という既得権益を手放さない」(高市早苗総務大臣に言って、周波数使用の定期更新で報道に条件を付けるか、更新を拒否する可能性もあると示唆すればすむ)

【長尾敬衆院議員】(比例近畿ブロック、当選2回)
「先生なら沖縄のゆがんだ世論を正しい方向に持っていくために、どのようなアクションを起こすか。左翼勢力に完全に乗っ取られている」(このセンセイ『沖縄のゆがんだ世論』だそうです。)

百田尚樹氏】
「本当に沖縄の二つの新聞社は絶対つぶさなあかん。沖縄県人がどう目を覚ますか。あってはいけないことだが、沖縄のどっかの島でも中国にとられてしまえば目を覚ますはずだ」。議員たちは笑いでざわめくのみで、発言を注意する声はなかった。

百田尚樹氏】
「もともと普天間基地は田んぼの中。周りに何もない。基地の周りが商売になるので、みんな住みだし、今や街の真ん中に基地。騒音は煩いが、そこを選んで住んだのは誰やと言いたくなる。基地の地主たちは大金持ち。彼らはもし基地が出て行ったりしたら、えらいことになる」。

百田尚樹氏】さらに、
「左翼は沖縄に基地があるから、米兵が沖縄の女の子を強姦すると批判するが、データ的にいうとひどいウソだ。米兵が犯したレイプ犯罪よりも、沖縄県全体で沖縄人自身が起こしたレイプ犯罪の方が、はるかに率が高い」とまで述べた。

百田尚樹氏】最後に、
「政治家は言葉が大事。『負』の部分はネグったらいい。いかに心に届くかだ」、会場からは大きな拍手。

木原稔・党青年局長】(勉強会の代表)は会合後「百田氏は自分の強い信念に基づいて発信し、国民に受け入れられている。われわれ政治家が学ばなきゃいけない」と語った。

【出席者の一人】も26日夜、「百田さんの話がめちゃくちゃ面白かったから、居酒屋トークみたいになっちゃったんだよ」と軽い調子で振り返った。

■首相陳謝せず「私的な会」(だから批判させないぞ)
②「事実であるとすれば大変遺憾だが、行政府の責任者としてだれがどう発言したのか報告するのは難しい」。浜田靖一委員長が発言内容を確認したと報告後も、首相が事実関係を説明することはなかった。

③「報道の自由」や「沖縄との信頼関係」を揺るがす発言だが、明確な陳謝もなかった。
首相は「その場にいないにもかかわらず、勝手におわびすることはできない。発言した人物のみが責任を負うことができる」(と唯我独尊そのもの。この男はその本質において絶対に謝罪しない。)

④さらに「私的な勉強会で『自由闊達な議論』がある。言論の自由は民主主義の根幹をなすものだ」と党内処分を否定した。(自民党言論の自由はあるが、新聞TVに報道の自由は無いと言いたげ。この会合は報道弾圧によって民主主義を破壊する勉強会なのだ。)

⑤野党が特に問題視するのは「(勉強会は)首相の応援団。安倍政権の体質が本当に劣化している」(辻元氏)とみるためだ。勉強会には首相側近の加藤勝信官房副長官らが参加したが、逆に、同じ日に開催を予定していたリベラル系議員の勉強会には、党執行部が「時期が悪い」と中止させられた。

⑥異論を封じる姿勢はメディアに対しても続く。昨年の衆院解散直後、党はテレビ各局に選挙報道の公正中立を求める文書を送付。今年4月には党幹部がテレビ朝日とNHKの幹部を呼び、報道番組の内容について事情を聴いた。(慰安婦報道訂正でも安倍側が朝日を総攻撃させ、大企業のCM消滅)

■沖縄2紙「言論弾圧の発想そのもの」;
沖縄タイムス琉球新報は26日、武富和彦、潮平芳和両編集局長名で「百田氏発言をめぐる共同抗議声明」を発表した。

百田尚樹氏の「沖縄の2つの新聞はつぶさないといけない」という発言は、政権の意に沿わない報道は許さないという“言論弾圧”の発想であり、民主主義の根幹である表現の自由報道の自由を否定する暴論。

⑨政権与党の国会議員が「自民党本部」で開いた会合でありことは重大だ。出席議員側が沖縄の地元紙への批判を展開し、百田発言を引き出している。その経緯も含め、看過できるものではない。

⑩百田氏は「(米軍普天間飛行場は)もともと田んぼの中にあった。基地の周りに行けば商売になるということで人が住みだした」とも述べた。戦前の宜野湾村役場は現在の滑走路近くにあり、琉球王国以来、地域の中心地。この種の誤解が自民党内で振りまかれたことは重大だ。その訂正も求めたい。

⑪政府に批判的な報道は、権力監視の役割を担うメディアにとって当然であり、批判的な報道ができる社会こそが健全だと考える。批判的だからつぶすべきだ―という短絡的な発想は、いずれ全国のマスコミに向けられる恐れのある危険きわまりないものだ。

沖縄タイムス琉球新報は、今後も言論の自由表現の自由を『弾圧』するかのような動きには断固として反対する。

■百田氏「冗談のつもり」朝日新聞の取材に
⑬「報道されている発言内容は、出席議員との雑談のなかでポロッと出た軽口。冗談のつもり、本意ではない。出席者の誰かが『沖縄の人やメディアの意識はやっかいだ』と言ったので、『やっかいやなあ、(沖縄の二つの地元紙は)つぶさんとなあ』とは言った。

⑭砂川浩慶・立教大学准教授(メディア論)「今回の百田氏の発言は『本音トーク』。人選段階で何を話すかは想像できる。自分たちの思いを代弁する人を呼んでいるわけで、今の自民党の思いが反映されている。

・安倍政権では、たびたびメディアを名指しした批判が問題になってきた。報道の自由の根っこにあるのは少数意見の尊重。東京から見て『少数』である沖縄の意見を『つぶせ』というのは権力のおごりで、民主主義の根幹を理解していない」。

◆百田氏発言:安倍首相「事実なら大変遺憾だ」(毎日)
http://mainichi.jp/select/news/20150626k0000e010233000c.html
菅義偉官房長官「地元メディアの報道は許された自由だと考える」が、加藤官房副長官の出席についても「政治家としての自由で、制約すべきでない」・・・菅の本音;偏向報道の自由もある。偏向かどうかは読者が判断して、いやなら購読をやめる。まあそういうところをこれからの活動の焦点にするのだろう。

※安倍の本音;
・沖縄の新聞が歪曲報道を繰り返し、沖縄の民意を扇動している。これは報道の自由を逸脱する行為である。だから百田氏に批判されたのだ。

・沖縄新聞の主張を政府が受け入れたらどうなるか・・・中国が尖閣や与那国を軍事的に奪い取るが、両新聞はそれを願っているのか? 中国の侵略を軍事的に阻止できるのはこの安倍だけだ。

・また安倍は、この件に関する他の報道機関がどのように報道したかを個別にチェックする必要があると述べた。政権を不当に貶める報道と判断されれば、抗議し撤回と謝罪を要求し、他社への見せしめにする予定だ・・・『恐怖政治』の域に入ったニッポンを象徴する出来事。

谷垣禎一幹事長「メディアに対して批判、反論はあっていいが、主張の仕方にも品位が必要だ」・・・谷垣の本音;発言は全く正しい。しかし言葉に品位が不足していた。諸氏は言葉の品位を学ぶ努力が必要だ。

※発言の品位を問題にするだけで、発言内容は正当なる主張であると言わんばかりだ。会合そのものがファシズム同好会による民主主義を破壊遊びであるが、しかし彼らの首領が日本の全権力を握って、国民統合の象徴である天皇を睥睨する上皇然としだした。1930年よりもいっそう危険だ。

③二階総務会長は「そこにいた責任者が責任を取るべきだ」と苦言。

◆木原・自民青年局長を更迭へ 党幹部「世が世なら切腹」(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/ASH6W466XH6WUTFK002.html?iref=comtop_6_01
自民党執行部の一人は27日、「青年局長の更迭は当然。世が世なら切腹ものだ。勉強会で問題発言したのは別の議員かもしれないが、責任は免れない」と語った。

※この種の会話が安倍側近では日常的なのだと推測する。その安倍側近間の会話を、「尖閣が中国に取られる」という歪んだイデオロギーだけで議員に採用された、若手議員に面白おかしく訓導する教育係りが百田尚樹。そんなに訓導したのなら、切腹作法とか特攻激突操縦法とかすればいい。