AIIBへの英仏独参加は『トロイの木馬』作戦だと財務官僚

※敬称略。◆は報道、?〜はその要点

◆「AIIBにうなされる財務省が密かに抱く『トロイの木馬』の“黒い夢”」(テレ朝)
http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000050055.html
この記事、タイトルと内容から受ける印象が全く違う。アジアの盟主・永遠覇権を確信していたのに、ADB副総裁に寝首をかかれるかもという悪夢かと思いきや・・

記事のタイトルは「財務省が中国主導のAIIBにうなされ、ついに黒い陰謀を夢に描き始めた」という印象。しかし内容は「財務省は6月末のAIIB正式決定までに中国の身勝手さに嫌気の指した国々が次々と離反する/または離反せずAIIB内部造反劇で中国覇権殲滅してくれる期待」というもの。

AIIBに戦慄する財務省の「猜疑心、自己中心性、陰険さ、官僚的最悪の業務効率」を笑うのかとおもいきや、どうもこの記者の心情が財務官僚に同化している気配濃厚で、性質の悪い記事だとおもう。

この記者は、財務省の悪夢ならぬ白日夢が英仏独などがAIIBから離反し、AIIBが設立前に崩壊する予言を紹介?している。財務官僚(記者自身)の心の揺れを「英仏独の出資金額は微々たるもので、AIIBが破綻しても損害軽微だが、AIIB融資で破綻国がでれば日本のADBも巨額焦げ付き」と日本財務官僚の代弁をしている。ここでこの記事の記者の意見と財務官僚の暗黒の思惑が一致して同化している。私の印象が間違っていないのなら、「タイトルで権力批判と見せかけ、読ませて権力に迎合させる」悪質さだ。

この記事はまた、AIIB正式設立の前に、中国の身勝手さに嫌気のさした離反国が続出し、結局AIIBも創立前に破綻する「期待」を述べている。そもそもこの記事は「中国脅威論」から書き出されている。前原が北京で叫び、世界に日本の若手政治家の低知性・低倫理を決定的に印象付けたことの延長戦。

一昨日も書きましたが、中国脅威論は「日本と同じ言動を中国権力もする」という前提でしか成り立たない代物で、しかも現代中国が「朝鮮族モンゴル族元帝国と同じ」侵略と破壊と略奪しかもたらさぬという、ほとんど180度視野が歪んでいる嫉妬に苛まれたあてつけでしかないのです。

まあ、私たち日本人の6割ほどは朝鮮族で、その朝鮮族は残虐な暴君です。一方、中華民族はほとんど2千年間も朝鮮族蒙古族に国家支配を許すほどの政治権力志向に関心の薄い、従って、自立意志だけが存続の基盤でありえた民族であることを『日本報道は歪曲』しています。

習近平政権は紀元後の2千年間の大部分を支配した朝鮮・モンゴル族の中国帝国を範としせず、やっと280年間だけ中華民族の国をつくった江南(揚子江/長江の南)の明朝を範としている。明朝はモンゴル族元朝のような軍事的支配を忌避し、世界貿易にその活路を見出したからだ。

明朝の海軍大臣であった鄭和は、台湾を自由貿易地とし、元来密接な経済関係にあったベトナムを超えて、タイやインドネシア、そしてインドまで定期貿易航路を確立し、それを維持するために多数の中華民族を東南アジアから南アジアの貿易拠点都市に定住させた。それが今日の華僑の中心をなしている。

明朝の鄭和将軍が確立した中国と南アジアの経済共同体は、いま習近平政権で「海の21世紀シルクロード」として再現されようとしている。それを実現させると、日米欧が覇権を握ってきた世界金融体制を破綻の淵に落とし込むと日米は叫んだが、欧州は違う感想を抱いていたのだ。

明朝の鄭和将軍が構築した南アジア経済ベルトが、軍事的覇権を秘めていたかどう判然としないが、少なくともモンゴル族元朝朝鮮族大日本帝国のような『先軍後経』政策ではなかったといえる。

AIIBに参加申請した英仏独などには失礼な言い方かもしれないが、かっての植民地帝国欧州に、習近平の『先経後軍』が欧州植民地主義の全面的否定を回避する、居心地の良さを提供するといえるのではないか。

テレ朝経済部記者氏の『英仏独のAIIB参入は内部から中国覇権を打破するトロイの木馬』で、AIIBが破綻しても『損失が少ない欧州』はAIIB内部で存分に中国覇権を滅却させる敵地潜入特殊部隊といった主張は白日夢。ドイツは1兆円を出資する。これを捨てて良いと日本は身勝手に考える。

明朝の鄭和をなぞるなら、今のAIIBの目的は東南アジアと南アジアおよび中央アジアの既存經濟を破壊することなく、地域経済体を結ぶ経済ベルトとその経済ベルトに無数の産業特区を設置し、地域経済を活性化することにある。日米の世界金融体制がその実現を頑固に陰湿に拒否してきた因果なのだ。

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日本財務官僚とマスコミ経済部記者連中は『傲慢な中国に脅威を感じた英仏独はAIIBを破壊するに違いない』と期待するが、円札を無尽蔵に印刷する安倍政権と世界は異次元である。

英仏独が各々1兆円の出資をどぶに捨てられるはずはない。そんな背景でAIIB第五回参加国会議が行われ、資本金を倍増する割り当てが審議されている。

昨年10月の設立決起集会は、中国とASEAN10カ国を中心とする21カ国であった。そこで、出資金は6兆円、各国出資比率は名目GDP比例で、最初に75&をアジアの国が負担し、残り25%をアジア外の国が負担するという決議が採択されている。

中国も予想しなかった英仏独サウジなど中東産油国の参加で、当初資本金を倍増させる。6兆円が12兆円になっても、その融資枠はユーラシアが必要とするインフラ投資の3%でしかない(日本財務省)はずで、増資分の負担比率は英仏独豪の希望を優先する。だから、英仏独の出資は各1兆円と言った。

元来中国は、AIIBの資本金は6から12兆円で十分であり、その半分を中国が保有する外貨300兆円から支出する方針であった。国際金融のAIIBが受ける融資制約から除外されるプロジェクトは100%中國が負担するシルクロード基金4兆円を増加させることが容易だ。

AIIB増資の負担比率で英米独豪が離脱しても、大勢に影響はない。もとの計画に戻るだけで、むしろ欧州に気を遣う必要がなくなり、中国とASEANとインドと中央アジアの国で多数をしめる意見で融資政策と優先を決めればよいこといなる。リスクを中国が負う余力がある。

結局は、日本財務官僚の描く英仏独豪のAIIB離脱でも中国は困らず、建設を促進しやすくなるだけ。だから、従来日本財務省が君臨するADBに苦しめられたきたASEAN各国は、中国の脅威とは考えない。元来中国は超大国で、しかも、朝鮮・モンゴル族が支配するかっての偽中華帝国とは違う。

ASEAN各国が日本財務省のADBによるアジア覇権政策の行きづまりとそれによる経済格差の極端化にその救いを日本ではなく中国に求めるのは自然の流れだろう。安倍晋三習近平とどちらに身を託すかと問われれば、それを言う必要もないし、人間としての信義や道徳性で違いすぎる。

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日本はアジアの辺境に位置する絶海の孤島で安穏な平和をむさぼっている。それはもはや強国ではなく、IMFが使う経済力比較指標である購買力平価GDPなら中国の1/4でインドにも負け、ASEAN10カ国の1/3でしかない。安倍と黒田が無限に円札を印刷するほかに手管は無くなっている。

日本と韓国が性奴隷や植民地支配に対する謝罪で言い争いを可能にする土壌は、両国の支配権力が朝鮮族という同族であるからに過ぎず、中国からは全く異次元の寓話にしか見えない。江戸時代にはその認識があった(新井白石など)が、明治維新という軍部クーデターが愚かで野蛮な道を開いたのだ。

明治軍事クーデター(明治維新)の直後の西南戦争があった。西郷隆盛が「偉大な明治維新政府を無視する朝鮮は征伐に値する」と言ったとかいわなかったとかで内戦がおこり西郷は自死して果てたが、なぜか上野に立像が君臨したままで今日に至っている。なぜなのか?

明治維新クーデターの首謀者は日本でも朝鮮族の血が濃い連中である。かれらには日本列島全体に対する愛国心は欠落しており、朝鮮南部の釜山あたりとの親和性が高い。その対馬海峡を超えた玄界灘の親和には3千年の歴史もある。

安倍的に言うなら、明治維新も『レジーム破壊再構築』なのだろう。徳川江戸幕府は日本の残虐性と侵略性を知っていた(秀吉の侵略から)。だから鎖国し、自給自足経済を無理にでも試そうとし、280年間を恙なく過ごせた。外国を植民地にする野望を封じて、ささやかな平安を求めたのである。

周辺国に忍従と犠牲を強いることのない鎖国という小国主義の江戸幕府に西国の朝鮮族がクーデターしたといえば、大いに語弊があるが、敢えてそう言っておく。

征韓論」を主張したはずの西郷隆盛が上野に君臨し続ける原因?「征韓論」なら世界遺産になるらしい「明治富国強兵」政策の国策工場群や慶応大学の創始者イデオロギーと一致し、八紘一宇とも同じであるから称揚するのだろう。しかし、この道徳倫理矛盾を誰も言わぬ。

日本はアジアの辺境に位置する絶海の弧状列島。人口は緻密でその異様なまでに空気を読むことにおける完全無欠さの強迫が国全体を支配している。故に如何なる国、超大国アメリカといえども、日本列島を侵略し、植民地として維持することは、もし日本に自衛隊が無くとも、100%不可能である。

安倍晋三北側一雄(公明)が平和憲法をこころゆくまで踏み躙った。すでに、自衛隊員とは『殺し死ぬ』職業に変化している。安倍が宣伝できる殺しをすること、安倍が宣伝できる殺されかたをすることが、自衛隊の職責である。