米議会には謝罪、アジアでは謝罪せず 安倍

※敬称略。◆は報道、?〜はその要点

◆安倍首相:表敬訪問のペロシ氏「米演説、素晴らしかった」(毎日)
http://mainichi.jp/select/news/20150509k0000m010044000c.html
ナンシー・ペロシさんは民主党下院のトップ議員で、かなりリベラル。彼女に叙勲を与えた安倍晋三と外務省の陰険さ、失礼、巧妙さに、彼女は一応の外交儀礼

ナンシー・ペロシは「安倍の米議会演説での女性活用は素晴らしかった」と建前を述べたが、これは『ほめ殺し』。安倍のうわべだけの謝罪は、米議会だけに受け入れられ、全アジアはそっぽを向いてしまった。それを米国は気にする。米国と同盟を組む日本がこれでは、米国はアジアでものも言えなくなる。

安倍が米議会でした演説は米国議会様専用の型式的謝罪。彼の過去から現在に至る数々の刺激的で反民主主義な発言を一切謝罪しなかった。結局、『安倍は米国との戦争に負けた戦術の失敗を懺悔』したが、『植民地解放戦争といった戦争犯罪糊塗』や『大虐殺』『性奴隷』などの犯罪は一切認めなかった。

『植民地解放戦争といった戦争犯罪糊塗』や『大虐殺』『性奴隷』などの犯罪は一切認めず、アジアだけでなく全世界をして、大日本帝国は人民のための八紘一宇桃源郷を目指して、欧米列強に残っていた植民地主義と一人戦ったという、神経衰弱がもたらすであろう、惨めな自己満足に安倍は浸ってきた。

バンドン会議と米議会で戦争だか植民地支配だかについて「深い反省」と謝罪したというが、安倍自身の過去の全発言があまりにも極端で危険に満ちたイデオロギーの発露であったから、彼の場合は、「村山/河野談話を全体的に踏襲」が、その場しのぎの嘘であることは誰にでもわかる。

安倍は戦争犯罪者の末裔にすぎず、犯罪者ではないから、本来なら「痛切に反省し心から謝罪」の言葉で許されるが、彼の場合は、祖父岸信介の名誉回復のための数々の暴言や誹謗的発言に埋もれている故に、自己の発言を逐一反省し謝罪で過去の発言を塗り潰さない限り、許されることはないだろう。

安倍晋三戦争犯罪者ではないといったが、厳密には、彼は性犯罪におけるセカンドレイプに匹敵する犯罪の上塗りを繰り返してきたから、今ではれっきとした戦争犯罪者である。その発言を修正するに必要な謝罪色のペンキは安倍の体重の何倍にもなるだろう。畢竟彼の自己は自立平衡を保てなくなる。