習―安倍会談と女性閣僚の靖国参拝
22日にインドネシアで開幕したアジア・アフリカ首脳会談（バンドン会議）で演説した。侵略戦争であったことは認めたが、祖父岸信介が『そりゃ侵略戦争でしょう、あれは』と発言したVTRが残されており、これを無視できなかったからだ。だが、謝罪の言葉は一切なく、その雰囲気すらもなかった。
中国と韓国、それに米国の政府やマスコミは一斉に「謝罪」拒否と非難報道している。謝罪を拒否するだけでなく、その侵略戦争の反省は「武力を用いて他国の領土を強引に奪うことを絶対にしない」ことで平和に貢献する決意であり、それが積極的平和主義の原点だと言う趣旨をも追加している。
この「武力を用いて他国の領土を強引に奪うことを絶対にしない」は安倍とタカ派外務官僚が得意とする二枚舌外交の典型であり、現在彼らが唯一の拠り所としている理屈であろう。
それが二枚舌と言うのは、習近平主席との会談では日本の侵略戦争に対する反省のニュアンスで語り、米国ネオコンやフィリピンのアキノ大統領らには中国による中国海侵略の有様を表現するニュアンスで語り、中国との軍事的対峙を煽るからである。
韓国政府は政治経済と安全保障で対日関係に日本のレール、すなわち前者では植民地支配と慰安婦性奴隷に対する謝罪を和平の大前提とし、後者では日米と韓米の安保条約に違反しない最低限のコミュニケーションを行なう。しかし、その路線も不可能になるだろうとの観測が出始めている。
バンドン会議の次は、4月29日の米議会演説。米国の議員も退役軍人もマスコミもこぞって「謝罪するか、どこまで謝罪するか、謝罪を行動に移す歴史教育行政の改革はどうか」と演説を注視している。そのあと、中国・韓国・米国・英国・ドイツのマスコミなどから厳しい分析が発出される。
それに対する陰の攻防戦は7月まで続き、その結果8月に安倍「首相」談話が、未来志向という美しい言葉に包まれて吐き出され、まるで「八紘一宇」の曼荼羅図を見せられた大日本帝国天皇の赤子である庶民に戻ったかの錯覚を現代日本の庶民の頭上に写像する恐れが無いとも言えまい。
安倍のイデオロギーは日本国内では最早誰も止められず、止めようとする政治家もマスコミも殆ど絶滅してしまい、それに対する極めて限られた批判は国賊物と凝視され、あらゆる公的活動から排除され生活の維持もままならぬほどに至る。
しかし、国際的には全くその逆で、まさに四面楚歌の状態である。中国と韓国に謝罪しろが20億人、戦争の危機を回避するために中国と韓国に謝罪すべきが20億人、覇権を競う国家間の諍いは醜いとこの問題を忌避する人が20億人といった比喩が可能だろう。
安部晋三と彼の取り巻きである外務官僚はあまりにも世界に露出し過ぎたのだ。稚拙な言辞しか知らず、行動も軍事威嚇とカネで周辺国を味方に引き入れる下劣な外交しか知らぬから、隠しようもなく、また繕うレトリックなど知る由もない。
世界は理解した『安倍晋三という人間は愚かであるにもかかわらず狡猾であり、およそ一国の首脳に選ばれるべき人物からは最も遠く離れた性格である』それ故に『世界平和の問題は、安倍晋三を選び支持する日本人が多数派である現実に収斂する』と。
安倍との会談に応じた中国の習近平主席に「面当て」の閣僚靖国参拝。参拝したことが無い春季例大祭の、女性閣僚（山谷えり子国家公安委員長、有村治子女性活躍相、高市早苗総務大臣）を揃って参拝させる黒幕がいる。これは『踏絵』。極右女性閣僚級といえば稲田朋美も参拝したのだろう。
例の「八紘一宇女議員」は参拝したのだろうな、しないと次回選挙で公認漏れになるぞ。ああ、それに若い女性皇族二人も靖国参拝させられた。「黒幕」は誰だ。世界平和を乱す極道なりしや？
安倍自民党は、これらの極右女性議員に選挙で公認するための踏絵として靖国参拝を忖度させているのだろう。それを長年続けていると、女性たちも高齢化し、身も心も靖国に絡め捕られてしまう。高市などは露骨で、参拝議員団の先頭に立ってTVに正面から写るようにしている。恥も外聞もなし。
（参照報道）
※①〜は報道の抜書要点です。
◆安倍在亚非峰会发表演说 反省侵略战争但未提道歉（環球時報）
http://world.huanqiu.com/exclusive/2015-04/6257091.html
安倍はアジア・アフリカ首脳会談（バンドン会議）で演説した。侵略戦争に深い反省を表明したが、陳謝の言葉が無い
時事通信社；
①安倍晋三首相は22日にインドネシアの首都ジャカルタで開催されたバンドン会議(アジア・アフリカ会議)の60周年紀念首脳会議で演説をし、侵略戦争を行なったことに“深い反省”を表した。
②しかし、安倍は元首相の小泉純一郎が50周年首脳会談で表明したような、“村山の談話”の原文をそのまま復唱して“植民地の統治と侵略”に“心からの陳謝”の表明はしなかった。
共同通信社；
①安倍は今夏に発表する戦後70周年安倍談話に“謝罪を繰り返す必要はない”、村山談話の言葉遣いは、安倍の未来志向型重視の印象を薄めるから、以前の謝罪文を再度述べたくない。
②安倍は講演の中で1955年バンドン会議共同宣言10条の中の第2条「武力を行使した侵略あるいはその脅かしをしない、武力を行使せずに“平和な手段で国際紛争を解決する”を強調した。これが安倍の“過去の戦争に対する深い反省の誓”であると。
③安倍はまた、アジア・アフリカ地区は日本にとって援助の対象ではなく、経済発展のパートナーだ。日本は今後5年間に35万名の人材育成を支援して将来投資とすると述べた。
④過激組織“イスラム国”は日本人を誘拐して殺害した。安倍は“卑劣なテロリズムが全世界に広がっている。テロリストが世界のいかなる土地にも居付けないようにする、と述べた。
◆习近平会见安倍 望日方发出正视历史积极信息（環球時報）
http://world.huanqiu.com/exclusive/2015-04/6260375.html
習近平が安倍と会見し、日本側に歴史の正視を要求
国家主席の習近平は22日にジャカルタで日本の首相の安倍晋三と会見。
【習近平】は指摘した；
①中日関係の大原則である中日4文書※の精神を遵守して、両国関係を正しい方向に発展さるべきだ。昨年、中日双方が合意した4つの原則的共通認識※がこの考えを表している。
②日本の歴史認識問題は中日関係の重大な基礎に係る認識問題である。日本側はアジアの隣国の関心に対して真剣に対応する明確なシグナルを出してほしい。
③日中は様々な多国間・2国間のチャンネルを活用して、政治・外交・安保対話を徐々に再開し、政治的相互信頼関係の構築に努め、中日間の4つの政治文書にある『互いに協力のパートナーであり、互いに脅威とならない』という共通認識を幅広い社会のコンセンサスに変えていくよう努力する。
④中国は「一帯一路」シルクロード経済ベルトを提案しパキスタンと中国新疆ウイグル自治区を結ぶ陸のベルトから建設に着手した。その為に設立されるアジア開発銀行AIIBには世界の圧倒的多数が歓迎し参加している。
⑤平和、発展、協力、ウィンウィンはすでに覆すことのできない時代の流れ。中国は揺るぎなく平和発展の道を歩んでいくが、日本も平和発展の道に沿って中国と共に歩み、一緒になって国際と地域の平和、安定、繁栄により大きな貢献をしていくことを望む。我々両国の指導者はこれに向けてしかるべき責任を担っていくべきだ。
※日中間基本４文書
(1) 1972年日中国交回復共同声明（周恩来―田中角栄）＝含むポツダム宣言８項遵守
(2) 1978年日中平和友好条約（訒小平―福田赳夫、主権・領土保全などの相互尊重などを確認）
(3) 1998年日中共同宣言（江沢民―小渕恵三、友好協力パートナーシップ）
(4) 2008年日中共同声明（胡錦濤―福田康夫、戦略的互恵関係推進合意）
※2014年日中４項目共通認識
(1) 日中間4基本文書の諸原則と精神を順守し、戦略的互恵関係を発展させる
(2) 歴史直視と未来志向で、両国関係の政治的困難を克服することで若干の認識の一致（日本側解釈）
(3) 尖閣など東中国海で緊張状態が生じていることについて異なる見解を有していると認識する。対話と協議で情勢の悪化を防ぎながら、危機管理メカニズムを構築し、不測の事態の発生を回避する
(4) 双方は、様々な多国間・2国間のチャンネルを活用して、政治・外交・安保対話を徐々に再開し、政治的相互信頼関係の構築に努める
【安倍晋三】が応えた；
①再び習近平主席に会えてとても嬉しい。私は日中関係の改善を非常に望みます。
②日中関係の発展は両国の人民と世界の平和と発展に利益があります。私は日中両国が共に発展し、互いに脅威を感じない状態にすることに賛成します。
③日本側は去年成立した4項目原則の日中共通認識の実行を願っている。両国の各領域の交際と対話を進め、両国人民に理解は深まった。
④私と日本内閣はすでに多くの場所で、“村山談話”を承認し継承し、これまでの歴史問題上の認識を引き続き堅持しようと思う。この立場が変わることはありえません。日本は平和な発展の道を歩む決心をしているからです。
⑤日本側はアジア地区のインフラ投資に巨大な需要があることを理解し、この認識に基づいてアジアインフラ投資銀行AIIBの問題を中国側が探求することに関与してゆきたい。
（楊潔チ外交部長も同席した）
安倍晋三表示，很高兴再次见到习近平主席，我十分希望改善日中关系。日中关系发展有利于两国人民和世界和平与发展。我完全同意日中两国发展互不构成威胁。日方愿意落实双方去年达成的四点原则共识，积极推进两国各领域的交往与对话，筯进两国人民相互理解。我和日本内阁已在多个场合承诺，愿继续坚持包括“村山谈话”在内以往历届政府在历史问题上的认识。这一立场不会改变。日本决心继续走和平发展道路。日方认识到亚洲地区对基础设施投资有巨大需求，愿基于这一认识同中方探讨有关亚洲基础设施投资银行问题。
…………
【写真】安倍内阁两名女性成员面带微笑“拜鬼”（環球時報）
http://world.huanqiu.com/photo/2015-04/2773355.html
ワー・シュライン・ヤスクニ（靖国戦争神社）で鬼たちに笑顔振りまく3人の女性閣僚。
◆安倍内阁成员参拜靖国神社 自费献上玉串料(图)（環球時報）
http://world.huanqiu.com/article/2015-04/6264850.html
これは山谷えり子国家公安委員長が靖国参拝した時の日本マスコミ報道の転載と、中国外交部の非難報道。顔写真は山谷えり子。
◆安倍首相が靖国神社に供物を奉納（新華社）
http://jp.xinhuanet.com/2015-04/21/c_134169939.htm
①日本の安倍晋三首相は「内閣総理大臣の安倍晋三」の名義で、靖国神社に「真榊」という供物を奉納した。塩崎恭久厚生労働大臣、国会の参衆両院の議長らも靖国神社に供物を奉納した。
②安倍晋三首相は2013年12月26日に靖国神社を参拝し、中韓を含む国際社会からの強い反対を受け、米国もそれに失望の意を表した。今度の春季例大祭期間中に靖国神社を参拝せず、「真榊」という供物を奉納する振る舞いでアジア・アフリカ首脳会議と訪米への影響を回避できると思っている。
③米国の『ニューヨーク・タイムズ』は２０日に社説を発表し、安倍晋三首相に日本の第二次世界大戦の歴史問題を直視して、アジア地域の安定を促進するよう促している。
◆山谷・有村両大臣が靖国参拝 日中首脳会談の翌日に（テレ朝）
http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000049011.html
①山谷委員長は午前9時前に靖国神社を訪れ、「国務大臣」の立場で玉串料を私費で納めて参拝しました。インドネシアでの日中首脳会談の直後ですが、中国などからの反発の懸念については明言を避けました。
②有村大臣も午前11半ごろ、参拝に訪れました。
③高市総務大臣も参拝を予定しています。
◆靖国神社春季例大祭、山谷・有村両大臣が参拝（TBS）
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2475853.html
①「国のために戦い、尊い命をささげられたご英霊に感謝の誠をささげてまいりました」（山谷えり子国家公安委員長）２３日午前８時半過ぎに靖国神社を参拝、「国務大臣・山谷えり子」と署名し玉串料。
②「塗炭の苦しみを味わわれたご遺族の皆さんのその後のあゆみに、思いを致す政治家としての信念」（有村治子女性活躍相）また有村大臣も１１時半過ぎに参拝。「国務大臣」と署名し玉串料を納めた。
◆高市総務相:靖国神社を参拝（毎日）
http://mainichi.jp/select/news/20150423k0000e010221000c.html
◆高市総務相も靖国参拝 私費で玉串料 春季例大祭（朝日）
http://digital.asahi.com/articles/ASH4R5JLKH4RUTFK00W.html
①高市氏は外交への影響について「国家のために命を捧げられた方を追悼することについて、外交問題であるべき性質のものではない」と述べた。
◆日本の国会議員100人余りが靖国神社に参拝（新華社）
http://jp.xinhuanet.com/2015-04/22/c_134174672.htm
