AIIBは博打ローンを捨て、金融資産を全世界に合理的に再配分する

※①〜は報道の抜書要点です。

◆亚投行意向创始成员国筯至57个 瑞典等7国正式加入(環球時報
http://world.huanqiu.com/article/2015-04/6194307.html
アジアインフラ投資銀行の創始国加盟申請が57ケ国に達したと中国財政部(財務省)が発表。
※AIIB(アジアインフラ投資銀行)創始57国
東北アジア】3・・・中国、韓国、モンゴル
ASEAN】10・・・フィリピン、ベトナムブルネイラオスカンボジア、タイ、マレーシア、シンガポールインドネシアミャンマー
【南アジア】6・・・バングラディッシュ、印度、ネパール、パキスタンスリランカモルジブ
中央アジア】4・・・カザフスタンタジキスタンウズベキスタンキルギススタン
【中東】12・・・サウジアラビア、ヨルダン、クウェートオマーンカタールアラブ首長国連邦UAE)、トルコ、エジプト、イスラエル、イラン、グルジアアゼルバイジャン
【アフリカ】1・・・南アフリカ
中南米】1・・・ブラジル
オセアニア】2・・・ニュージーランド、豪州
【欧州】18・・英国、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ルクセンブルク、スイス、オーストリアデンマークスウェーデンノルウェーフィンランドアイスランド、スペイン、ポルトガルポーランド、マルタ、ロシア
…………
BRICS】5国(全て参加)
・参加国(5)・・・ロシア、ブラジル、南アフリカ、中国、印度
G20】19国とEU
・参加国(14)・・・英国、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア、中国、印度、ブラジル、南アフリカ、豪州、韓国、インドネシアサウジアラビア、トルコ
・不参加(5)・・・米国、日本、カナダ、メキシコ、アルゼンチン
【G7】7国
・参加国(4)・・・英国、フランス、ドイツ、イタリア
・不参加(3)・・・米国、日本、カナダ

◆亚投行以GDP为基础分配股权 中国需在道紱制高点(環球時報
http://finance.huanqiu.com/zcjd/2015-04/6201816.html
①57か国の創始国が確定しました。

②今後、アジア投資銀行の規程草案−株式比率、銀行総裁候補選定、銀行組織、議決権比率などを創始国代表会議で協議して決めます。
・創始国代表会議は今年4月末に北京で第4回、5月末にシンガポールで第5回を開催します。
・アジア投資銀行の規程草案の決議と締結の目標期限を6月末とします。

③出資金である銀行株式割り当て比率は、2014年10月の設立決起集会で決議されたGDPを基礎とする割り当てをベースに協議します。すなわち、アジア各国は全体の70%〜75%、アジア以外の国は残りの25%〜30%の株権を割り当てます。
・香港メディアの推定
出資比率%−名目GDP購買力平価GDP)―出資金(単位10億US$)
中国39%―10,380(17,617)―4.68兆円
印度7.7%― 2,049( 7,376)―0.92兆円
韓国5.3%― 1,416( 1,779)―0.64兆円
独国4.8%― 3,859( 3,722)―0.58兆円
英国3.7%― 2,945( 2,549)―0.44兆円
仏国3.5%― 2,846( 2,581)―0.42兆円
伊国2.7%― 2,147( 2,128)―0.32兆円
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(日本17%−4,616(4,751)―2.04兆円)?
・構成国が増加すれば、すべての国の株式割合も下がります。中国も例外でありません。

④AIIBの構造と管理
・AIIBが収益を得ることを基本に、柔軟かつ開放的に運営する。
・AIIBは国際金融機関や民間銀行などの金融機関と協力して金融秩序を維持しながら、利益を分かち合うことを方針とする。
アジア開発銀行ADBと世界銀行国際通貨基金IMF)はAIIBに対して協力の意志を表明しており、投資プロジェクト案件の相互連絡から分担・協調融資などを協議する予定です。
アジア開発銀行ADBと世界銀行国際通貨基金IMF)には問題があります。官僚主義的で審査と評価があまりにも回りくどく、融資申請側の負担が過大な上に、審査に長時間かかる問題です。AIIBはこの問題に陥らない運営管理を目指します。
・初代総裁はAIIBが正式に創立された後に開催される閣僚級理事会で任命します。(今のところ、AIIB臨時事務局総長であり元アジア開発銀行副総裁の金立群の評判が高い)
・AIIBは理事会と董事会(取締役会)と管理層の三層によって、公正で透明性が高く、効率的に管理運営されます。そのために優秀な人材を採用します。

⑤現行の国際金融機関の(市場開放や規制撤廃を融資条件とする)ローン方式は採用しない
・「AIIBの融資目的は中国が提案する“一帯一路”シルクロード経済帯の建設にあり、その中に北京〜バグダッド間の鉄道建設がある」と報道するメディアがある。
・AIIBの目的は各構成国の基本建設に集中的に長期投資することです。
・一部の国家は開発後進国であり、融資の審査では慎重な評価が必要です。不良債券化や返済遅延を発生させないような、借入能力の限界を見極めて融資し国際信用を維持しなければなりません。
世界銀行IMFには審査専門の組織があり、アジア開発銀行は“合規審査グループ”を設立して、専門的に債権者の資格を審査しています。
・しかし、AIIBはこれら既存の国際金融機関の審査構造を真似るべきではありません。“IMF発展途上国に市場開放や規制改革を要求して国家利益をひどく損ない、1997年にアジア金融危機を発生させました。そのときのIMFに対するアジア各国などからの怨嗟の嵐を思い起こすべきです。
・AIIBはその問題を解決する独自の融資と回収のシステムを構築するでしょう。ですが、創立当初の審査能力が万全でない期間においては、第三者すなわち米格付会社(スタンダード&プアーズ、ムーディーズ、フィッチ・レーティング)などの助けを借りて審査を短縮することになるでしょう。
・将来的にはAIIBが格付機関を創立することになると思います。

⑥世界のAIIBは“博打”を捨て、全世界の金融資産を合理的に再配分する
・AIIBは全世界の金融資源の配置モデルの改革を推進するでしょう。
・中国などの大量の外貨準備の大部分が低収益の米国債に投資されてきましたが、これは中国にとっても米国にとっても良くないことなのです。
・中国が米国債などの資産を回収して、発展途上国の基本経済の建設に回すことは、大いに合理的な金融資産の再配置であり、全世界の利益に合います。※この考えは既に米国連銀に説明されている。米国連銀はこれによって金利上昇を余儀なくされる可能性がある。
・中国のこの構想は道徳によって守られる要害の高地となるでしょう。そして、米国も反対し続けることが不可能になるでしょう。ヨーロッパの各国が理解し次々と加入したように。
アジアインフラ投資銀行AIIB(亜投資銀行)の出現は、新型の国際関係を反映しており(超大国の衰退と世界の多極化、及び金融資産の世界的再配置による発展途上国の飛躍と結束)、その目標は各国の経済と社会の発展を促進するので、経済発展に注意力を集中させるでしょう。
・中国財政部部長の楼継偉が言ったとおりです:『亜投資銀行発展途上国が主導する多辺開発機関になる。発展途上国の要請が増え続けることを考慮しなければならない』。

◆中国主導のインフラ銀参加、カナダが積極的に検討=高官(ロイター)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0N525P20150414?feedType=RSS&feedName=topNews&utm_source=Sailthru&utm_medium=email&utm_term=JP%20Daily%20Mail&utm_campaign=JP%20Daily%20Newsletter%202015-04-15
※カナダは日本と同じようなことを言っている。G20でAIIBが外国為替市場でのリスクを高めるという討議をしたいらしい。G20で不参加は米国、日本、カナダ、メキシコ、アルゼンチンの5国のみ。

◆台湾因亚投行调整傲娇心态 权衡利害得失(環球時報
http://taiwan.huanqiu.com/article/2015-04/6201801.htm
①台湾はAIIBの創始国になれなかった。さて台湾はどうしますか?
②この問題は14日に台湾の与野党を困惑させた。与野党入り乱れて罵り合いの様相すら呈している。馬英九政府はGDP比率に見合う20億ドル出資してAIIBの創始国に成ろうとしたが、大陸中国は婉曲に、台湾に断らせた、台湾は恥をかいた、という見方も香港で囁かれている。
③野党の中には、日米と連合してアジア開発銀行世界銀行IMF体制のなかでこぢんまりとアジアの周辺で暮らせばいいのさ、という諦めの声と、いやそういうわけにはゆかない、国家の損失は甚大だ、と意見が割れている。
④問題の本質は“名称”と“権利”が台湾の尊厳を侵さないことに固執したことにあった。
名称問題とは、“中国台北”を嫌がり、“中華民国”あるいは“台湾”に固執したことである。しかし、アジア開発銀行APECもオリンピックも“中国台北”でしか参加を認められていないではないか。
⑤権利問題とは“理事を送り込み”“議決権”を平等に保有することであるが、AIIBは国際多辺開発機関に属しており、その規約の制約をうける。すなわち、創始国は独立国家でなければならず、台湾は明らかにこの条件を備えていないのです、と《中国時報》。
⑥結局大陸中国は台湾に対する兄弟の情義によって、国家としてではなく中国の一地域として参与することを勧めたのであった。そのために中国が保有するであろう権限の一部を分けてもいいと。香港は最初からそれを受入れている。
⑦台湾のGDPは中国の1/20でしかない。国の大きさが違い過ぎる。それに国連から除名されたままだ。それでも大陸中国は兄弟の情義で声をかけた。台湾は猥雑とも感じさせる雑音めいた罵り合いを終息させる必要がある。民進党の支持率が5%に下がってしまった。国民は呆れている。
⑧北京も、「台湾内部の激論を見守り、その結果を尊重します」と公式発言した。北京は台湾に手出ししない。したらペンキを掛けられるのがオチで、割に合わないからだ。台湾政治は少々大人になる必要がある。


◆“オバマ大統領にTPP交渉の権限”法案 議会に提出(テレ朝)
http://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000048620.html
昨日中国の環球時報がAIIBの運営基本方針を開示。そこで米国が拒否権を持つIMFなどのような「融資の条件に市場完全自由化と規制撤廃要求」という非道徳的なローンはしないと明言した。

また、中国政府など多額の外貨準備を低利子の米国国債に投資することは中国にとっても米国にとっても良いことではない。中国は米国国債投資を一部引き上げ、AIIBに投資して、全世界特に発展途上国に再配分する。それが道徳的なのだと確信しており、必ずや世界の利益に貢献する」と述べた。

「中国は世界銀行IMFおよびアジア開発銀行という金融体制を破壊するつもりはないが、迎合はしない。この新しい国際金融体制は、世界が多極化して変化する一環であり、米国といえども反対し続けることができない道徳的な高所を目指す」と述べている。これに米議会は追い詰められたのだろう。

その結果、米連銀は利上げを迫られ、浮沈の激しい米国景気から都合の良いデータだけを取り出し、利上げを正当化しながら中国による米国債売却を牽制し、議会もTPP交渉をオバマ大統領に全権委任する法律案を提出して、「一帯一路」シルクロード経済ベルトに対抗させようと必死の形相である。

AIIBにこれほどの参加国が集まったからには、中国提案の21世紀シルクロードは成功し、既存経済を破壊することなく、既存経済を結ぶベルトを密接化して、新しい市場と工業園区を多数産みだし、発展途上国を潤すだろう。

TPPなど米国による搾取の恫喝に過ぎないが、TPP交渉参加国の殆どはAIIBにシフトし、AIIBの主流をなす創始国になっている。IMFの恫喝に負けて発生したアジア金融危機後の怨嗟の声を誰も忘れない。既存経済を温存しながら新しい経済基盤を構築する中国の提案に米国強欲資本主義は敗北するだろう。