トランプ来日、安倍は蜜月演出

(1) 泥沼のトランプ、苦しいアジアの旅
(2) トランプ「日本はさらに大量の兵器を米国から購入する」
(3) トランプ・文在寅会談 ズレ隠しきれず
(4) 泥沼の日産、神戸製鋼と同じ悪質で大規模な偽装工作

※1 ◆は参照報道;①〜はその要点で、論旨明確化と背景説明を加えた「意訳」です。敬称略。
※2 ❶〜や※で始まる文章は私見です。
※3 Web登録後も関連報道などを追記します。


(1) 泥沼のトランプ、苦しいアジアの旅

◆日米首脳会談:北朝鮮圧力を最大限に 共同記者会見(毎日)
https://mainichi.jp/articles/20171106/k00/00e/010/215000c?fm=mnm
①安倍「北朝鮮に対し、今は対話ではなく最大限の圧力をかけるときであり、北朝鮮に政策を変えさせるため、国際社会と連携し、圧力を最大限まで高めていくことで完全一致」。

◆軍事行動も議論 有事対応を想定、だは詳細は一切不明(日経)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO23163580W7A101C1EA2000/
①共同記者会見で軍事行動の可能性を繰り返し問われたが具体的言及なし ②日本政府側の説明でも朝鮮半島有事の際の韓国からの邦人退避の話もなかった・・・

Donald Trump: I would sit down for talks with Kim Jong-un(ガーディアン)
https://www.theguardian.com/us-news/2017/nov/05/donald-trump-i-would-sit-down-for-talks-with-kim-jong-un?CMP=share_btn_tw
①トランプは訪日直前の全米TV番組で;
「私は金正恩と会って会談するだろう、遠い未来ではない」
②トランプは横田米軍基地に降り立ち、日本に駐留する米軍を前に演説:
「いかなる国も米国を過小評価すべきでない」
北朝鮮労働党機関紙
「精神不安定なトランプが横田でなにやら騒いでいるが、自分を追い込む無謀な発言はひかえた方かいいだろう」
❹共同会見で安倍「北朝鮮と会談するべきでない、日米が全力で軍事威圧すべきだという趣旨で、トランプと安倍は『完全一致』した」と誇らしげに述べたが、トランプは習金平とプーチン北朝鮮との和解会談の設定を頼み込んでもいる。
➎少し前にトランプが「北朝鮮との対話は有り得ない、軍事侵攻を含むすべての対応を見せつける」と安倍に迎合する発言をしたが、即座にティルソン国務長官マティス国防長官から否定され、「北朝鮮との外交交渉が最優先」とたしなめられている。
➏だが弾劾される可能性もあるトランプは日本に逃げてまた矛盾演説。
➐だから北朝鮮から「精神不安定に陥ったトランプ」と揶揄された。

荒川強啓デイキャッチ
「トランプ安倍共同会見での記者質問」:
 ・日本記者二人「今回首脳会談の成果」
 ・米国記者二人「ロス商務長官のロシアとの相関取引」
 ・北朝鮮、TTP、FTA、その他懸案事項の質問無し
 ・トランプの機上ツイート「盛りだくさんの米国兵器輸入が成立した」
「トランプ韓国訪問」;
 ・米韓首脳会談のレセプションにトランプが慰安婦生存者を招待した
 ・文在寅大統領は習金平主席に擦り寄って、実質的な謝罪をしている
北朝鮮と対話すべきでない、軍事威嚇に全力」;
 ・北朝鮮の武力威嚇と軍事進攻も辞さないというスタンスは、
  トランプではなく安倍晋三が強要したシナリオだと米欧メディア、トランプ側も否定しない。
北朝鮮も貿易問題もトランプのアジア歴訪の主題外」;
 ・商務長官など経済閣僚が不参加、TPPもFTPも話題にはなりえない
 ・日本2泊、中国2泊に対して韓国1泊は、北朝鮮問題も主題でない
 ・結局、日本に数兆円の「兵器を買わせる商談だけ」が来訪目的

※トランプは弾劾の瀬戸際へと追い詰められている:
・元選対部長と政策顧問ら三名が逮捕された
・政策顧問は犯罪を認め、容疑事実を全面告白
・ロス商務長官が露企業との悪質な相関取引が暴露された
・ティルソン国務長官も悪質な相関取引が暴露された
・セッションズ司法長官もロシア大使との秘密会議の議会偽証
・国家安全保障担当のフリン大統領補佐官も辞任に追い込まれた
・トランプの長男も、娘イバンカの夫クシュナーも、ロシア関係交際が露呈
・イバンカの中国とインドネシア企業では過酷な不当労働強制に非難集中
・特別検察はトランプ大統領自身に対するFBI長官解雇介入疑惑を調査中

トランプ大統領は今日韓国に移動し、会談する文在寅大統領は;
・習金平主席と北朝鮮対応で和解し、対話政策へ本格転回
・米軍による北朝鮮攻撃は許可しないと明言
・日米軍事同盟に韓国は不参加、核開発はしないと明言
・森友加計疑獄の1/7規模の贈収賄容疑で朴槿恵前大統領の裁判が進行

トランプ大統領文在寅大統領と会談後に北京に移動する、その中国は:
中国経済は「一帯一路」政策の進展によって、対米貿易依存から脱却可能
金正恩に核弾頭ミサイル追加実験を抑制させているのは北京である
・北京はトランプに率直で具体的な対応をしながら、面従腹背を見せるだろう

トランプ大統領は北京からハノイ、そしてマニラに移動するが;
・安倍政権はハノイ会議をTPP最終仕上げと宣伝
・だが、APEC首脳会議に習金平もプーチンも出席
ハノイは北京に共産党代表団を送り、謝罪し和解している
・マニラも北京で中国と全面和解している

トランプ大統領は来年1月20日に就任1年を迎えるが;
・現在まで政権公約で実現した政策は皆無
・最後の頼みである減税案も議会承認を得る見通しがない
法人税率半減はその骨子であり、もし成立したら、トランプ支持率は更に激減し
・国民の批難を恐れた共和党議員の離反も相次ぐ可能性

※トランプ政権の瓦解は避けがたい;
・弾劾回避に大きな掛けにでる可能性
・それが不可能なら、リベラル人材を主力にする内閣改造しかない
・大きな掛けとは、プーチン蜜月演出で米国を抑えることだが、成功するとは思えない
プーチンとの些細な取引だけだろう

※「安倍と蜜月、文在寅に説教、習近平に要求」の成果を、 トランプはマニラで安倍晋三に報告するだろう。 だが、安倍晋三による完璧ともいえる報道統制に護られたトランプは、 日本マスコミ向けに安倍晋三並の虚言を披露して逃げおおすだろう。 そして、トランプが帰国する米国では「弾劾序奏」!

◆安倍首相との昨年11月の初会談、断りたかったが…トランプ(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/ASKC66X23KC6ULFA031.html
①安倍首相が電話で早く会いたいといってきた
②就任後の1月20日以降という意味で『いつでもいい』と回答した
③その後に安倍首相は今すぐ会う考えだと知った
④側近から、タイミング不適切などいろいろ言われた
⑤安倍首相に電話をしたが留守電
⑥安倍はすでに飛行機でニューヨークに向かっていたので、会うことにした
⑦だが、会ってよかった。


(2) トランプ「日本はさらに大量の兵器を米国から購入する」

◆当惑=米防衛装備品売込、重い財政負担(時事)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017110701124&g=use
トランプ大統領は「日本は大量の防衛装備を米国から買うことが好ましい。米国のミサイルで、日本はもっと安全になる」
②安倍首相も「米国からさらに購入していくことになるだろう」と応じた
③中期防5カ年計画(〜18年度)にオスプレイや戦闘機F35などが盛り込まれ、陸上配備型迎撃イージス・アショアも導入するなど、既に多くの米国製兵器調達を計画し、装備には巨費
④さらなる購入表明に防衛省幹部は戸惑いを隠せない。GDP比1%の防衛費が大幅増になる。野党の反発は必至。

◆防衛産業各社「衝撃」 米兵器購入発言(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/ASKC75GY0KC7UTIL04G.html?ref=tw_asahi
①トランプ「日本が膨大な兵器を買うことが重要」安倍「米国からさらに購入していく」
②兵器売買に前のめりなトランプ米大統領安倍晋三首相の発言に波紋が広がった
防衛省内は「首相官邸主導で、米国製の装備品の新たな導入や追加導入の圧力が強まる可能性もある」と警戒
④軍事ジャーナリスト清谷信一「防衛費が圧迫される結果、必要な維持整備費や訓練費にしわ寄せが行くため、練度が下がり事故が増えるなどの恐れがある」・・・すでにヘリや戦闘機の相次ぐ墜落に
⑤湯浅一郎「北朝鮮のミサイル発射や核実験といった『脅威』について、在日米軍が関わる米韓軍事演習などが影響している。軍事力によらない安保政策の可能性を検討すらせず、オスプレイ配備やミサイル防衛体制の議論も不十分。米国に言われるがままの外交姿勢が正常とは思えない」
⑥政治評論家小林吉弥「奇異に映った。突っ込んで話しすぎだ。会見で初めて話題にあがったのなら、あのような発言はできない。首脳会談で具体的なやり取りがあり、それを『追認』したとみる。今後、兵器を次から次へと買うようにという米国からの圧力が強まることは間違いない」

※トランプはNATO加盟国にGDPの1%以上、目標は2.5%まで軍事予算を倍増させる要求をしている。
日本やドイツは1.2%から1%であり、2倍以上(政府税収の20%以上)の軍事国家になることを要求している。

日本なら、軍人恩給なども含めた軍事費は6兆円を超え、GDPの1.2%(政府税収の10%)だが、それを12兆円から15兆円(政府税収の25%)に増額せよとの要求で、これは安倍晋三がトランプに言わせているふしがある。

※トランプのアジア歴訪の目的;
・「安倍に数兆円の兵器購入を約束させる」
=トランプ「米国兵器を多量に買う約束を得た。米国兵器産業の失業を防ぎ、ついでに日本の防衛力も強化される。一石二鳥の大成果だ」
・日米マスコミ「トランプは、安倍と『蜜月』、文在寅に『説教』、習金平に『要求』」

※トランプ―安倍共同会見:
・共同声明もTPPもFTAもなし
・安倍は「北朝鮮に最大限の軍事対応することで完全一致」と宣伝し
・トランプの「日米貿易不均衡の特効薬として米国兵器大量購入」要求に歓喜
・だが、安倍にそう発言させたのは外務省であって、防衛省は苦り切っている
・日本は核攻撃を防げない
・既に巨額の兵器購入を約束しており、追加の購入など全く不要
・トランプ要求は日本の軍事費を倍増(GDP比1.2%→2.5%、年12兆円)させる先駆けとなり、露骨な憲法違反。また日本政府の財政を破綻させる
・日本政府財政破綻の先には、韓国台湾の属国化と軍事支配が待っているだけだ。


(3) トランプ・文在寅会談 ズレ隠しきれず

◆「トランプは戦争演習を止めよ」…光化門で反トランプろうそく文化祭(ハンギョレ新聞)
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/28913.html
①民主労総など200以上の市民団体で構成された「NOトランプ共同行動」;
「戦争をちらつかせ、武器購入を強要し、通商圧力を加えるトランプは米国に帰れ」
「トランプは対北朝鮮敵対政策と大規模戦争演習を止めるべきだ。対北朝鮮平和交渉を開始し、韓米自由貿易協定(FTA)改悪の試みも直ちに中断せよ」
②参与連帯や主権者全国会議などの市民団体も光化門「NO WAR!平和念願のろうそく文化祭」
③ムン・ギュヒョン神父と韶成里THAAD配備撤回を求める星州住民対策委員会など、THAAD配備に反対する市民団体はソウル鍾路区世宗文化会館の前から大統領府サランチェに向けて三歩一拜行進。

◆韓国のトランプ氏歓迎夕食会、元慰安婦を招待 竹島のエビも(日経)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23202200X01C17A1FF2000/
文在寅大統領は7日夜にソウルのトランプ米大統領歓迎の夕食会に旧日本軍の元従軍慰安婦の女性を招待
②サンダース大統領報道官やホープ・ヒックス広報部長らホワイトハウスの女性スタッフと同じテーブルに座る
③夕食会には、「独島(竹島)エビ」を使った韓国料理のチャプチェも用意された。

北朝鮮核「平和解決へ努力」 米韓首脳一致(日経)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23206230X01C17A1MM8000/
①トランプは「北朝鮮は全世界の脅威で、全世界の行動が必要だが、軍の能力を使う必要がないことを望む。北朝鮮にとっては対話の席に着き、取引をするのが道理だ」と対話を呼びかけた。
②文大統領「北朝鮮が自ら核を放棄し、真摯な対話に応じるまで最大限の制裁と圧力を加える戦略を再確認した」
③米韓FTA再交渉に関し、トランプ氏は「互恵的な貿易関係をめざす」と貿易不均衡の是正に重ねて意欲を示した
北朝鮮問題について「多くの良い解決策がある。最終的には全てうまくいくだろう」と自信を示した.

◆米韓、ズレ隠しきれず 対北朝鮮(朝日)
 文在寅大統領「対北朝鮮 平和的解決を」
 トランプ大統領「必要なら軍事力行使を」
http://digital.asahi.com/articles/DA3S13218140.html?ref=nmail_20171108mo
①軍事的措置をちらつかせて圧力をかける米国と、対話に意欲を見せる韓国はギクシャクした関係が続く。両国は協力を取り繕った形だが、思惑のずれは隠しきれない
②ソウル市内の沿道に、太極旗と星条旗に紛れて「NO WAR」と書かれたプラカードが揺れるなか、トランプ氏を乗せた車両が過ぎていく。市内では数日前からトランプ氏を批判する集会やデモが相次いだ。
文在寅大統領は国会演説で「半島での武力衝突はだめだ。韓国の事前同意なしに軍事行動はあり得ない」と強調した。韓国政府高官も「首脳会談は平和解決を確認する機会になる」と
④これに対し、トランプ大統領は「必要ならば、(北朝鮮に)不釣り合いなほどの軍事力を最大限に使って、自国と同盟国を守る準備がある」と、軍事的措置の可能性をちらつかせて北朝鮮を牽制
北朝鮮は9月15日に弾道ミサイルを発射して以降、武力挑発を控えている。韓国政府高官は「非常に肯定的に評価している」と語り、対話に結びつけたい意欲を隠さない
⑥文氏は3日のシンガポールメディアとのインタビューで、日米韓の協力について「国軍事同盟の水準に発展することは望ましくない」と明確に否定した
⑦韓国国防省は、韓国軍と自衛隊との間で武器の部品や弾薬、燃料などを相互に融通し合う日韓の物品役務相互提供協定(ACSA)について「いかなる議論も進んでおらず、今後も締結する計画はない」と否定し、日本が求める朝鮮半島有事の際の韓国在住邦人の避難を巡る協議も拒んでいる。


(4) 泥沼の日産、神戸製鋼と同じ悪質で大規模な偽装工作

◆日産、監査時だけ「適正」装う 複数の工場で組織的隠蔽(朝日)
http://www.asahi.com/articles/ASKC674FTKC6UTIL05W.html
◆日産、検査員試験で不正 試験内容漏洩、解答案の提示も(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/ASKC66R00KC6ULFA02X.html
国交省監査時だけ有資格者で検査
②通常は有資格者バッジを無資格者に配っていた
③検査書類用の有資格者印を無資格者に貸し出す印鑑貸出名簿が発見された
④国際規格ISO認証審査でも偽装が組織的かつ長期にわたってルーチン化
⑤さらに、完成検査員資格受験講習で試験内容を事前漏洩し、正解を教えていた
➏日産の完成検査員有資格者も違法講習により失格し、日産から有資格者が消え失せる可能性。