「英EU離脱は政争の具」と悪質大報道

(1) 「英EU離脱は政争の具にされた」と悪質大報道
(2) 東電社長のメルトダウン隠蔽問題と同質の鳩山「宇宙人」報道
(3) 阿呆な安倍政権の負け惜しみ―「釣魚」海域に中国軍」
(4) サンダースとウオーレンは民主党を社会民主化しようと頑張る
(5) 軍事は殺人である
※敬称略 ◆は参照報道、①〜はその要点


………(1) 「英EU離脱は政争の具にされた」と悪質な大報道………

この報道は悪質
◆(離脱の衝撃)国民投票を政争の具、大誤算 英EU離脱(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12432265.html?ref=pcviewer

日米英報道は英国離脱投票を「米国のトランプ支持者と同次元の愚かなポプリズム汚染」と大宣伝。1%富者側に立って、99%を愚弄している

英国民の半数が英国離脱を選んだ原因はサッチャーに遡る。サッチャーは経済学者ハイエクの書をバイブル同然に掲げ、英国病からの脱出を低賃金高学歴移民受け入れと英国若者を大陸に追い出すことによって、国営企業を民営化し、企業労務費を大削減させた。

その結果、英国に住む働く東欧などの移民は830万人にもなり、それに見合う若者が授業料無料の独仏に脱出してしまった。若者が圧倒的にEU残留というのは、大陸への逃げ場を塞がれたと宣伝されたからだ。人口6300万の英国で移民が830万で、40歳未満の人口比では30%を超える。

20台若者では英国人と移民の間で激しい就職争いとアパート争奪戦がある。就職争いは不安定雇用と低賃金を加速し、ロンドンの1寝室アパートの賃料が高騰。その結果、手取り月額20万円から家賃11万円を支払う状態に陥っている。それを法律で許したのがサッチャーで、放置したのがキャメロン。

EU憲章の「移動の自由、学ぶ場所と働く場所の選択の自由」は素晴らしい。だが、最低賃金や不安定雇用の規制を全く行わないことによって、国民に危機感を与え、甘えを拒絶するサッチャーハイエクフリードマン)のパニック政治に民衆が抗議したのだ。米国も英国もフランスもオランダも・・・

高度成長し成熟した先進国は賃金が上昇する。高度成長過程で労働者を働かせるために必要だったからだ。だが成熟し成長が限界に達すると、企業はグローバル化し、低賃金の途上国に空洞化する。空洞化を防ぎながらGDPを2〜3成長させる手立てとして、移民を受け入れ、低賃金競争をさせたのだ。

成熟してもなお経済拡大を目指すことは人類が自己破滅する道でしかない。永遠のローマは植民地を全て失ってから1000年、質素にしかし心豊かな生活を静かに営んできた、エジプトも同じだろう。米英は若者人口の3割を移民に置き換え、成長を持続させようとしたが、持続可能ではなかったのだ。

大量に移民労働者を受入れ、逆に若者を国外に脱出させる政治は若者を閉塞感から解放する唯一の政策なのだろう。だがそれには、➊最低賃金と就労環境規制、➋家賃高騰規制ないしは安価公立アパート大量建設の両方が必要だ。難しい話ではない。そして、ロンドン問題は強欲金融規制という別次元問題。

日本国債や日本円が「比較的に低リスク」とされる理由はなんだろうか? そこには、経済専門家のおっしゃる理由とは別の、少々乱暴な仮説がある。

日本経済をドル換算で見ると、GDPは4割縮小し、生活消費もドルベースで4割デフレを意味する。日本は安倍の目論見とは真逆の「縮小均衡=足るを知り、価値観の本質的転移」へと向かっているが故に、持続可能なのだという意味で、低リスクなのだ。

日本も米英の二の舞を演じつつあるが、破局回避には、最低賃金規制、公共住宅建設、大学授業料無償化、海外留学就職者の社会保障確保などが必要で、それには周辺国に支援してもらわないと成り立たない。安倍の反中国・先軍事外交は最悪で、日本にリスクがあるとすると、「安倍的権力の存在」だ。

◆移民への嫌がらせ行為急増、EU離脱派勝利後 英国(AFP)http://www.afpbb.com/articles/-/3092118
若者社会で移民は決して少数派ではない。3〜4割に達するからだ。だが、移民へのヘイトは犯罪だ。政府に向かって、最低賃金と不安定雇用の規制ならびに公営住宅建設を要求すべきだ。

◆【EU離脱を選択】 EUのトゥスク大統領も会見を行い、英国の新首相の選任を待つ姿勢を示したうえで、離脱後の英国が貿易や外交でどのような関係を築こうとしているのか示すよう求めました。(NHK)http://www3.nhk.or.jp/news/liveblog/brexit/index.html#detail2469#nhk_news

「英国はさっさと出て行け、リスボン条約50条発動を今日宣言しろ」と昨日まで喚いていたEU委員会議長(元ポーランド首脳で右翼)が、メルケルに叱られて、「9月まで待つことにした」と声明。

9月というのは、英国保守党の新党首選挙制度で2ケ月かかるからだ。二人(ボリスとメイ)に候補者を絞り、米国のように地区ごとに予備選を積み上げ、9月の党大会で最終決定する規則だからだ。

離脱派リーダーのボリス・ジョンソンを「英国のトランプ」と言い募り、危険な狼藉男だと大宣伝が始まっている。EU首脳はその報道効果に自信をもったのだろう。対立候補テレサ・メイ内相の評判を浮上させ、残留派の彼女を新首相にさせて、交渉するつもりなのだろう。これがメルケルの陰謀。

◆Opinion: here's what a Prime Minister Boris Johnson should do next (ideally nothing...) (FT)
http://on.ft.com/292bcFr  pic.twitter.com/4Ofj7cNCSY
離脱派リーダーのボリス・ジョンソンを英国のトランプだと罵倒する米英の大報道の一つ。徹底的に、1%富裕者側、強欲金融側に立っている。東ドイツを含む東欧はソ連崩壊前からハイエクの極右経済思想にかぶれてきたから、精神が歪んでいる。

◆投資ルール維持を=日本企業、英大使に−EU離脱 (時事)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016062900810&g=eco
日本の大企業は中国投資を引き揚げ、英国に年間何兆円も投資を集中してきた。さて、嘆いても始まらない、安倍からのサッチャー「投資タックスヘイブン英国」への投資を喜んで選択した自己責任である。


………(2) 東電社長のメルトダウン隠蔽問題と同質の鳩山「宇宙人」報道………

◆東電の炉心溶融隠しで意見書=国に真相究明求める−福島県議会(時事)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016062900840&g=pol
東電社長だかが口走った「官邸の要請」。官邸の誰を指すのかが焦点。 東電は明かすことを徹底拒否しているが故に、憶測が飛び交う。

例えば「東電社員が経産省に出向し、彼が官邸に送り込まれ、東電はその官邸社員にしか情報を流さず、その社員は情報を握りつぶし、また官邸の意向だと自分の意見を東電に流した。情報の途絶に怒った菅直人首相はヘリでフクシマに乗り込んだ・・・」

官僚組織が官邸に補佐官などを送り込み、情報を握りつぶし、また官邸の方針だと官僚側の意見を報道に流した事実は、鳩山首相も在任中に述べている。辺野古視察に向かうことにしたのは、情報が途絶し、報道では官邸は何やら勝手な方針を述べているからだ。鳩山は沖縄への機中で書店で買った辺野古など沖縄軍事問題本を読んだと言っていた。

最近の「アジア・インフラ投資銀行AIIBから世界経済分析顧問の打診が鳩山にあり、彼は正式要請なら受諾する」という報道に関する、鳩山侮辱に満ちていた。それはトランプやボリスに対する罵倒と同次元で、報道権力の悪質化を証明している。

AIIBは「一帯一路」経済ベルト建設構想を実現させる財政基盤。 「一帯一路」計画は上海協力機構の首脳会議から生まれたが、 それを中国が提案したのは、鳩山―小沢による「東北アジア共同体」創立と 「ASEAN共同体」との連結、更に「ユーラシア経済同盟」との連結構想がもとにある。

上海協力機構は、鳩山の「東北アジア共同体」構想と、東南アジアの「ASEAN共同体」と更にロシアの「ユーラシア自由経済圏」を結びつける場となり、それが「一帯一路」経済ベルト構想に結実し、インドもパキスタンもイランも加盟する大連合体にと拡大した。鳩山は象徴として崇拝される人物。

鳩山が「東北アジア共同体」を提案し、推進する強力な実務トップに小沢が居た。米「超大国」の終焉を見込んだもので、多極化世界の始まりとなるものであった。米国の産軍複合体は焦り、小沢を潰し、鳩山を宇宙人に仕立てた。オバマは「アジア軍事ピボット」を打ち出し、現在に至っている。

◆北京で中日韓自由貿易圏設置加速呼びかけ 3カ国関係機関(新華社
http://jp.xinhuanet.com/2016-06/29/c_135474181.htm
この会議は鳩山氏が首相時代に提唱した「東北アジア共同体」がきっかけで始まった会議。


………(3) 阿呆な安倍政権の負け惜しみ―「釣魚」海域に中国軍」………

自衛隊機、中国機に緊急発進 今月中旬、尖閣諸島周辺(朝日)http://t.asahi.com/jnhy
釣魚海域に海警船だけでなく、軍艦と軍機も常態化しだした。今まで中国は遠慮しすぎていたのだろう。だから南中国海で馬鹿にするような侵入をされた。だから中国は認識した。口だけでは日米には通用しない。

………(4) サンダースとウオーレンは民主党を社会民主化しようと頑張る………

◆‘Most progressive in history’? Bernie Sanders seeks to push DNC platform further left (RT)
http://on.rt.com/7h4z  pic.twitter.com/boVjIHMAX3
➀サンダース(とエリザベス・ウオーレン)は民主党綱領を社会民主主義化ようと頑張っており、トランプ追い落としという追い風で、成功に向かっている。


………(5) 軍事は殺人である………

共産党幹部の一人が「防衛予算は殺人の為の予算」と発言し辞任に追い込まれた。わからないでもないが、理屈として歪んでいる;

防衛予算は「人を殺す予算」であり、自衛官は「人を殺し、殺される職業」である。抑止力であり殺さないは詭弁、殺さないのなら抑止力にならない。

軍事封鎖も人を殺す。飢餓や医薬品欠乏で。イラクで何十万人も死んでいる。日本帝国陸軍によるベトナム「無血」占領で200万人が飢餓と医薬品欠乏で死んだと言われている。軍事とは殺人の事である。