ベトナムに続いてフィリピンも中国との関係正常化へ

(1) 中比関係が正常へ
(2) ミャンマー総選挙;アウン・サン・スーさんのNDL劇的勝利
(3) 日韓首脳会談で安倍が失態
(4) 米国移民社会の変遷;東欧移民、ヒスパニック、中国人
※敬称略 ◆は参照報道、①〜はその要点


………(1) 中比関係が正常へ………

習近平主席、G20サミットとAPECに出席(新華社
http://jp.xinhuanet.com/2015-11/09/c_134796887.htm
①11月14日〜16日、トルコで第10回G20サミット ②11月17日〜19日、フィリピンのマニラでアジア太平洋経済協力APEC)非公式首脳会議に出席。

◆中国、中比関係が正常な軌道に戻るよう呼びかけ(CRI)
http://japanese.cri.cn/2021/2015/11/09/181s243157.htm
王毅外相が今月10日からフィリピンを公式訪問。フィリピンの首脳および外相と会談、習近平主席のAPEC出席に関する事前準備や、中比関係の改善策について、意見を交わす。

②洪報道官「中国とフィリピンは南海問題で、試練に直面している。これは望ましくない。中国は交渉と協議を通じ、問題を適切に解決することを堅持する。フィリピンは去年のAPEC会議で両国首脳が合意した共通認識を実行し、中比関係が一日も早く正常な軌道に戻るよう条件を作っていくべきだ」。

王毅部長がフィリピンのアキノ大統領と会談(人民日報)
http://j.people.com.cn/n/2015/1111/c94474-8974858.html#0-twi-1-66210-7250227817ecdff034dc9540e6c76667
①王部長『習近平国家主席は大統領の招待とメッセージを受け取り、フィリピンで開催されるAPEC首脳会議に出席したいと考えている。昨年北京で行われたAPEC会議で共通認識に達した協力関係を、今年の会議が経済と貿易協力に焦点を合わせ、推進することを希望する』。

②アキノ大統領『習主席を最大の熱意と友好的姿勢をもってもてなす。しっかりと主催国を務め、地域の経済協力に焦点を合わせる。会議に争いを持ち込むことはなく、そうすべきでもない。フィリピン側は習主席や他の指導者と前向きで良好な雰囲気を創造し、前向きな成果を確保することを望んでいる』。

③王部長『現在中比関係は困難な局面にある。これは両国民の利益を損なっている。中国はフィリピンとの関係発展を重視しており、正常で安定して健全に発展する善隣友好関係の再建を望んでいる。対話と協議を通じて、海上問題を含め全ての問題を適切に処理することを望んでいる』。

④アキノ大統領『フィリピン側も平和的解決を望んでいる。中国側とオープンで率直かつ誠意ある意思疎通を行いたい。双方が共に受け入れられる解決策を見出すことを希望する』。

◆瀾滄江―メコン川対話協力外相会議、12日雲南省で開催(CRI)
http://japanese.cri.cn/2021/2015/11/10/241s243169.htm
①中国外相、カンボジア副首相兼外相、ラオス副首相兼外相、ミャンマー外相、タイ外相、ベトナム副首相兼外務大臣が出席。

②瀾滄江―メコン川対話協力メカニズムは李克強首相が2014年11月の中国・ASEAN首脳会議で提案したもので、中国とメコン川流域諸国との全方位的な友好協力関係を一層深め、準地域全体の発展レベルを向上させ、地域一体化のプロセスを推進し、「ASEAN経済共同体」の建設を後押しが目的。

◆南中国海に本来波風は立っていない(人民日報)
http://j.people.com.cn/n/2015/1111/c94474-8974595.html#0-twi-1-60280-7250227817ecdff034dc9540e6c76667
①米国だけが南中国海で挑発を繰り返す。
国防省は「ラッセンミサイル駆逐艦を中国の領海内に侵入させ、カーター米国防長官は南中国海を航行する空母「セオドア・ルーズベルト」から中国を威嚇した。
国務省は「ラッセル」次官補が正当なる人工島建設に悪意をもって航行の自由侵害という冤罪を中国に押しつけ、ケリー米国務長官は拡大ASEAN防相会議で、議題に無い南中国海関連を押し込もうと難癖をつけ、共同宣言を反故にした。

②米国が南中国海をいかにかき乱そうと、歴史と事実を変えることはできない。
南中国海での中国の活動には二千年以上の歴史がある。国際法でも確固たる中国領である。
1970年代から一部の国は中国の南沙諸島の島・礁を侵略・占拠し、資源採掘まで行ったが、その領有権主張を支えるものはなく、違法行為である。

③中国には国家の主権と安全を守る決意と能力があり、一部の国の挑発行為に断固として対応する。
黄岩島事件後、中国は黄岩島で常態化巡航化し、仁愛礁の補強、軍艦の不法な浅瀬乗り上げなど菲国の行為を、緊密に監視している。

習近平主席は先日ベトナムシンガポールを公式訪問した。中越は友好的な協議によって溝をコントロールすることで合意した。
シンガポールも「南中国海における関係国の行動宣言」に従い争いを処理することに賛成している。
中国はASEAN各国と協力して、南中国海の平和・安定を維持できる。
中国は自国領土でないものは少しもいらず、自国領土であるはずのものは寸土でも必ず守る。
南中国海に本来波風は立っていないことを米国は明確に認識すべきだ。

◆中国の王毅外相がアキノ大統領と会談(時事)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201511/2015111100759&g=int
①議長国のアキノ大統領は王外相にAPECでは南シナ海問題を取り上げないと確約。
②しかし、米国務省報道官は南中国海議論を表明。
③全ASEAN国が中国に配慮し、日米の孤立と自己中心際立つ。

◆中国「米国がAPECで南中国海問題を議論」に反発(NHK
http://nhk.jp/N4MA4K0n
①米国務省副報道官「APECで南中国海の中国人工島造成問題が話し合われる」。
②中国外交部報道官「APECは経済・貿易協力の場で、南中国海問題は不適切」。
※中国の王毅外相は11日、フィリピンのアキノ大統領と会い、APECの議題にせず、中菲交渉再開で合意している。

RT 写真は沖ノ鳥島。これってあれか、自分のこと棚に上げて中国叩いてる日本政府の愚かさへの皮肉なのかな? ⇒「国が作った人工島が酷すぎる どうみてもただの岩をコンクリートで固めただけ」
https://twitter.com/mokkosumosu/status/658851633460154369


………(2) ミャンマー総選挙;アウン・サン・スーさんのNDL劇的勝利………

◆Myanmar election: Aung San Suu Kyi calls for reconciliation talks with military(ガーディアン)
http://gu.com/p/4e4qd/stw
①NDLは90%獲得、少数民族政党5%、国軍与党は5%
少数民族小選挙区もNDLが76%で議席を得ている。雲南少数民族はNDLに投票した。タイ山岳民族は自分たちの政党に投票したと想像している。
③アウン・サン・スーは北京訪問時に❶政治は社会主義➋経済は開放政策を堅持すると話していた。

◆AungSanSuuKyi emerges victorious in Myammar elections, announces electoral commission (CCTV
pic.twitter.com/B5PiEVMIzT
中国国営TVの中央電視台CCTVもアウン・サン・スーチーさんの野党が圧倒的な支持で勝利したことを報じた。彼女の父は同国国軍将軍として抗日戦争を戦った。彼女はオバマと会談してすぐに北京にきたと報道 https://twitter.com/cctvnews/status/664292082324901890

スー・チー氏野党「過半数確保」=他党を圧倒−ミャンマー総選挙(時事)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201511/2015111000757&g=int
①判明すみだけでも、過半数に必要な333議席を超える380議席を獲得したと地元報道。少数民族政党(華人系、タイ人系)も30議席程度獲得。

※下両院定数合計664人、このうち164人は国軍任命で、選挙は500議席で争われるが、国会の過半数を取るためには選挙で67%以上の議席(333議席)が必要。現在判明分ではNDLが450議席と90%の議席を得た。雲南少数民族政党も5%を得ており、95%の圧勝。

90〜95%の圧勝に対して、西側報道はアウン・サン・スー・チーを危険人物視;
アウン・サン・スー・チーが独裁政治の可能性。憲法規定で彼女が大統領になれないが、憲法を無視してNDL党首が大統領を指揮すると言っている」
「彼女は民主主義を護ると公約しながら、こともあろうに選挙前に北京で習近平に会った。ティンセン大統領によって急速に進んだ日米企業の進出に暗雲」などと。

国軍は憲法改正時に、彼女が選挙に勝っても、大統領になれない規定(連れ合いや子供が外国籍の人は大統領になれない)を押し込んでいる。露骨なアウン・サン・スー・チー排除であり、非難すべきはかかる憲法条項を制定した国軍に向けられるべきだ。

ミャンマー:ティンセン大統領府「国民の支持得たスーチー氏に祝意」(毎日)
http://mainichi.jp/select/news/20151112k0000m030100000c.html
ミャンマー大統領府は11日、総選挙の開票でアウンサンスーチー氏(70)率いる最大野党「国民民主連盟(NLD)」が圧倒的に優勢な状況を踏まえ「国民の支持を獲得したスーチー氏に心より祝意を表する」と声明を発表。

②スーチー氏はこの日、テインセイン大統領、ミンアウンフライン国軍最高司令官、シュエマン国会議長のトップ指導者3人に書簡を送り、政権交代に向け「国民和解について話し合う会談」を提案した。大統領は「選挙結果が確定すれば調整する」と応じた。

③イエトゥ大統領報道官「(旧軍政が選挙結果を無視し政権に居座った)1990年には憲法がなかった。今は選挙に勝った政党への権力移譲を憲法(2008年制定)が保障している」。


………(3) 日韓首脳会談で安倍が失態………

◆「今月2日の日韓首脳会談で安倍首相が失態と週刊現代(中国網)
http://japanese.china.org.cn/jp/txt/2015-11/11/content_37034760.htm
①朴大統領は開始早々慰安婦問題で発言。安倍首相はろれつが回らず声が出なかった。会談に出席した韓国の関係者は、会談で安倍首相の顔色が「みるみるドス黒くなった」と述べた。
韓国の関係者はまた、岸田文雄外相や谷内正太郎国家安全保障局長が、慌ててフォローしたと述べた。

②首相は講談社に抗議文書「全く事実と異なる。個人を中傷し、我が国の外交政策に多大なる誤解を与え、国益を著しく害しかねない悪質極まりないもの。誠実な対応が取られない場合には、法的措置も」。

週刊現代編集部は「記事に書いた通りだ」と書面回答
④多くの日本人は「首相は度量が狭い」、「首相が週刊誌に文句を言うとは大失態だ」と考えている。

◆韓日局長 慰安婦問題で接点模索もなお隔たり(朝鮮日報
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/11/11/2015111104142.html
①日本側「1965年の韓日請求権協定で法的解決済。法的責任ではなく人道的見地からアプローチ」  ②韓国側「慰安婦問題は反人道的な不法行為。韓日請求権協定で解決されていない。日本政府の法的責任が残っている。日本政府が謝罪し、日本政府が法的責任を履行しなければならない」・・平行線

③韓国側「韓日首脳会談後の日本メディアで事実に反する内容が次々と報道されたことに抗議する」
④日本側「ソウル日本大使館前の慰安婦像撤去」「妥結前提は韓国側が蒸し返さぬ最終解決の保証」
⑤韓国側「少女像は民間のもので政府は関与できない。日本が問題をこじらせるからこうなる」。

⑥日本側「植民地時代に日本に強制徴用された韓国人による日本企業相手の損害賠償訴訟」、「産経新聞の加藤達也前ソウル支局長が朴大統領の名誉を毀損した罪で在宅起訴」、「日本産水産物に対する輸入禁止」などについても要求した。

※日本側は、朴槿恵―安倍会談での要求を再びむしかえした。
慰安婦問題の政府責任は965年の韓日請求権協定で法的解決済。人道見地からなら交渉に応じる
・ソウル日本大使館前の慰安婦像撤去すること
・韓国側が蒸し返さぬ最終解決の保証をすること
・強制徴用された韓国人による日本企業相手の損害賠償訴訟を棄却せよ
産経新聞ソウル支局長が朴大統領の名誉を毀損した容疑の起訴を取り下げろ
・放射性物資汚染は健康被害が無い軽微、日本産水産物輸入禁止を解除せよ

これに対する韓国側の暗黙の回答は、伊藤博文を射殺した安重根銅像を韓国国会前に建造し除幕式

◆ソウルの国会憲政記念館前で11日、安重根(アン・ジュングン)の銅像除幕式が行われた(朝鮮日報
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/11/11/2015111102645.html
安重根朝鮮総督伊藤博文を射殺した抗日活動の英雄で、中国のハルビン駅にも記念館がある。

※韓国側の要求は日本と真っ向から対立している;
慰安婦問題は反人道的な不法行為。韓日請求権協定で解決されていない。日本政府の法的責任が残っている。日本政府が謝罪し、日本政府が法的責任を履行しなければならない
・少女像は民間のもので政府は関与できない。日本が問題をこじらせるからこうなるのだ
・韓日首脳会談後の日本メディアで事実に反する内容が次々と報道されたことに抗議する

日本報道が事実でない報道をしたとの批判は中央日報が報じている;(再録)
◆韓日首脳会談後の日本メディアの報道が度を超している(中央日報
http://japanese.joins.com/article/037/208037.html?servcode=A00§code=A10
①読売「日本政府が慰安婦問題を(首脳会談から)切り離そうとして韓国政府が難色を示したが、日本側が『(慰安婦問題のために)会談ができないのであればやむを得ない』と伝えると韓国側が折れてきた」⇒嘘である。日本側は、初めから慰安婦問題を扱うことを前提に首脳会談を要請してきた。

②産経「韓国側が(慰安婦問題の)『早期妥結』について安倍首相に『年内』と明言することを求め、朴大統領主催の昼食会などを交換条件に譲歩を迫ってきたが日本が拒んだ。安倍首相は周辺に『昼飯なんかで国益を削るわけにはいかない』と話した」⇒これも嘘である。

韓国外交部当局者「年内と釘をさそうと提案をしたことはない。当然昼食を条件にしたという事実もない」「日本側は1日に日韓会談を要求したが、中韓日三国首脳会談で時間が無いというと、では2日に日韓会議ただし昼食会もと要求した。そのスケジュールは無理だった」

③朝日「首脳会談の前日に開かれた韓日外相会談で日本側が米韓両国の各地に設置された慰安婦像の問題などを持ち出した」⇒事実ではない。当時会談では少女像(慰安婦像)という単語自体が出てこなかったと韓国政府関係者。

④毎日「昨年12月、斎木昭隆日本外務省事務次官が当時の趙太庸外交部第1次官と会って『安倍晋三政権は総選挙に勝って4年間を保証されています。朴槿恵政権は、あと3年。そちらがかたくななら日韓関係は3年間動かない。それでいいのですか』と圧迫したことが功を奏した」⇒全くの嘘。

安倍首相が帰国直後のインタビューで『首脳会談後、私たちが飲食店に行くというと朴大統領が多少驚いた表情だった』述べた⇒これも嘘。朴大統領は『そうなんですね』と答えたのが全てだと青瓦台

⑤当局者は「日本政府が自国内の世論を意識して意図的にメディアプレーをしている」と批判

※韓国政府当局者が述べた「日本政府が自国内の世論を意識して意図的にメディアプレーをしている」を裏打ちする安倍の国会答弁⇒

◆安倍首相、BPO意見書に国会で反論(TBS)
news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2632809.html
ファシストなら当然こういうだろう;
①安倍『(悪政府の)イメージつくりだ。BPOは法定機関ではない、法的責任と指導権は総務省。当然のことだ。」(安倍首相)
②安倍『自民党がNHKの幹部を呼んで事情を聞いたことも、NHKの予算を我々は正しく使われているかどうかということを議論して予算を国会で承認していく。国会議員が果たして事実を曲げているかどうかについて議論するということは当然だ』。

『正しく報道しているか検閲するのはNHK予算を容認した国会の義務である』『放送許認可権を持つ総務省が正しく報道しているか検閲することも当然の義務である』という趣旨の安倍発言。
・・・彼の憲法観と民主主義観ならごく当然なのだろう。安倍は「ファシスト」そのものである。

◆安倍首相:「憲法改正への橋は整理された」と意欲示す(毎日)
http://mainichi.jp/select/news/20151111k0000m010027000c.html
安倍『国民投票法も制定した、選挙権年齢を「18歳以上」に引き下げる改正公職選挙法を成立させた、(報道統制も、歴史教育も完璧)。「憲法改正に向けて渡っていく橋は整理された』

改憲派が集会 国会に憲法改正の発議求める(NHK
http://nhk.jp/N4M94Jy7
ファシストが1万1千人も集まった、『櫻井よしこ』が呼びかけた憲法改正派集会で、日本会議が全国から動員し、観光バスを連ねて武道館に。


………(4) 米国移民社会の変遷;東欧移民、ヒスパニック、中国人………

◆トランプ氏、TPP「恐ろしい合意」=米共和が第4回討論会(時事)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201511/2015111100130&g=int
①「TPPは恐ろしい合意だ。承認されれば、ますます雇用が失われる。私は自由貿易主義者だが、TPPはトラブルにしかつながらない。最悪の貿易協定の一つだ」。

共和党のトランプ候補は支持率を落とすと、急にまともな意見を言い出した。
➊アフガンとイラク派兵は大間違いだった、ISを産み落とす原因を作った
➋TPPは失業者を増やし給料を減らす最悪の貿易協定だ、と。

◆トランプ候補はアイゼンハワー大統領に心酔。アイゼンハワーナチスドイツを崩壊させた米側将軍だが、大統領になると『米国の「産軍複合体」が軍備縮小を拒否し、共産主義戦争を煽り、世界から嫌われ、米国経済を破壊するだろう』と警告(WP)
https://twitter.com/washingtonpost/status/664291642669666304

トランプが支持を失った原因は彼のヒスパニックに対する過激な罵りである。メキシコから国境を乗り越え住み着き、何年が住むと市民権を与えており、このペースなら20年後には白人人口を超えると予測されている。彼らが白人を失業させ、低賃金化も促進したと非難する。間違いではない。

ではヒスパニックをメキシコやプエルトリコに強制送還したら済むのか? トランプはその答えを持たない。米国経済がリーマンショック金融恐慌から脱出したかにみえる経済バランスを作ったのはヒスパニックによる安価労働人口の激増で、貧困な彼らの生活は中国からの安価生活必需品が支えている。

トランプはヒスパニックだけでなくアジア移民も拒否する可能性。しかし米国経済を立て直したのは;
➊ヒスパニック移民による安価大量労働者
➋中国系留学生が卒業後も一定期間米国企業に勤め、ITなど先端企業製品を産み出している
の二要件で成り立つ。❶も❷も拒否すれば、米国は鎖国状態同様になる。

オバマ政権は❶ヒスパニック安価大量労働者で米国経済を維持するが、➋中国系留学生が米企業に勤めてから帰国することを「知的所有権」を奪うと非難し、帰国した中国人技術者が米企業の先端技術情報をサイバー略奪していると中国政府を非難。それは米国が陥った二律背反からのあがきにも似ている。

米国が大国になれたのは欧州からの白人移民の経済と科学技術レベルの高さと、広大な略奪領土のおかげであったが、WWⅡ後に超大国化したのは、主として東欧からの優秀な移民を大量に受け入れたからである。政治も企業も東欧移民によって成長飽和から脱皮できた。

しかし東欧移民の多くは政治的弾圧から逃れた難民であったから、彼らが米政府の報道官や次官補などの実務を支配すると米国は戦争を求めて世界をかき回した。それがアフガンとイラク戦争の惨めな敗北で失敗すると、オバマが当選し、ヒスパニックの時代に代わった。それが現状である。

余談:30年前に米国の製造業でプラント自動制御システムの設計と導入を担当した。ハードもソフトもGEに発注した。GEが送り込んできたプログラマーはリーダーを含め全員がポーランド移民であった。