習近平―オバマ共同記者会見

習・オバマ共同記者会見の全文翻訳をしてみました。憶測にすぎませんが、朝日の嫌中国報道とは少々違う実相を感じています。朝日は、サイバーテロと南中国海問題とダライラマの扱いで、オバマ習近平に怒り、顔も合わさず、握手もしないで、中国に怒りをぶつけたが、習にあしらわれたなどと。

私が感じたのは、オバマが徹底して中国を同盟国扱いしたことです。サイバーテロは民間企業の犯罪であり米中が共同捜査する機構を設置、南中国海は「米国は当事者ではなく要求する権利はないが、関係国の懸念は伝えた」といった調子。米国記者のきつい質問にも全く同じ回答をさらに詳しく述べた。

習主席の方は、6項目の成果を上げています。経済減速の世界影響についての意地悪質問にも、正確な経済数値を挙げ乍ら、政府が関与し得る限界の対策とそのメカニズムをこんこんと説いていました。南中国海は中国領土であるとも断言。

しかし、フィリピンやベトナムは不法に10の島を占領し基地化している。中国側は中国の台湾が占拠する1島を除き、一島も占拠してこなかった。だが、これ以上占拠を広げさせることには反対せざるを得ないので、監視要員が滞在する基地を環礁を埋め立てて造らざるを得なかったのだ。

ところで、南中国海問題は中国とフィリピンの二国間問題である。日米は一切の介入を停止すべきだ。マレーシアとベトナムとは問題解決の方法を決める二国間条約が成立し、実務交渉中。そして日本が1945年まで版図に繰り入れていたことから、「尖閣」のように、暗に主権を主張しているふうだ。
………………
オバマが中国を同盟国並みに扱ったという印象と、習主席が1週間も米国滞在するのにオバマは実質1日だけで議会演説も拒否したとの朝日報道と、米メディアのローマ教皇の訪米報道騒ぎの異様さと、下院議長の突然の辞任発表と、シアトル習演説に米国を代表するIT経営者が一堂に揃ったことの関係

習主席は国連でのサミットに合わせて訪米日程を決めた。するとローマ教皇も同じ日程の訪米になった。オバマはシアトルの習主席をほったらかして、ローマ法王の接待を盛大に挙行、米議会で特別説教をした翌日に下院議長が辞任表明、習―オバマ共同記者会見でも下院議長辞任の質問を繰り返す米人記者。

CNNやNYTがサイバー攻撃の被害を訴える女性記者のVTRを百回も報道し、習主席すら「主婦レポーターに感謝」などと冷やかされるしまつ。それやこれやで、オバマは習の主張を全て受け入れた。それは米国市民には裏切りと映る。だから、ローマ法王や下院議長の報道で埋めつくしてしまいたい。

オバマが習と親しげにすれば、米国市民の怒りに油を注ぐ、しかもその怒りは事実を誤った嫌中国のパフォーマンスに過ぎず始末に悪い。それにローマ法王の議会特別説教はオバマが少数派となった議会対策として下院に予算案とイラン制裁解除を承認させる道具に使ったが、結果は失敗。

議会で少数派になった窮地と議会工作の苦労はかなり詳細にオバマから周に説明され礼儀を失した謝罪もしたという話も伝わってくる。ともかく、オバマは議会工作に専念し、首脳会談共同声明は中国側が作成しライスに渡し、習はシアトルで米企業のそうそうたるメンバに直接遊説活動してきた。

習は米国遊説、オバマは法王を利用して議会対策という奇妙な分業が行われたと思っている。そしてまた、ローマ教皇の米議会での特別説教には習近平が主張してきた、「違いを認め合いながら協調の道を探れ」がそっくり含まれていた。
………………
米軍は国旗も国籍をしめすマークもつけないで中国などの領海に近い接続海域を偵察する。米国だけが国際慣例を無視している。中国のミサイル駆逐艦が米領アリューシャン列島を抜けてベーリング海に入った時は中国国旗を掲揚したから米国も問題にできなかった。ともかく米軍は国籍不明の隠密行動。

だから、米国は中国に艦艇間と軍用機間の直接交信の仕組みを提案し、不測事態を避けようとした。それが今回米中首脳のサイン条約が完成した。これも首脳会談の大きな成果だ。

余談になりますが、中国は航空識別区を設定したとき、抗議の意思表明にB52を釣魚近海に飛行させた。このときB52は速度を落とし、窓を開いて星条旗を出して、無武装飛行だと無線で。なんとも滑稽だ。米軍は「尖閣」を中国領だと追認したことにもなる。


………………習―オバマ共同記者会見(全文)………………

◆Full text of Presidents Obama and Xi’s joint press conference during state visit(CCTV中国中央電視台
http://www.cctv-america.com/2015/09/25/full-text-of-presidents-obama-and-xis-joint-press-conference-during-state-visit#ixzz3mmgrzmmr

オバマ大統領】
習金平さんが副主席であった3年前に私は彼をここに招待した。それ以来私たちは6度の会談を行った。米中は密接に連絡しあい一緒に動いてきた。それが世界に良き結果をもたらしていると思う。

・中国への米国の輸出は倍増し、米国に200万人に雇用を生み出した
・アフガンの安全保障
ソマリア海賊海域の治安維持
・西欧アフリカでのエボラ出血熱流行の封じ込め
・イラン核開発問題の解決

今回の会談で数多くの果実を実らせることができた。
(1) 最も重要な成果は「米中相互投資条約」の締結である。これは高い標準の協定であり、その中には知的財産権保護や「民間の商業ネットのセキュリティに対する懸念を除く米中の共同作業」が含まれている。

私達は、米国も中国も政府は、企業秘密または商取引に関する情報をサイバーで窃盗しないこと、また窃盗行為を故意は勿論未必の故意でもサポートしないことに合意した。さらに、米中は「サイバースペースでのセキュリティを確保するために国際的な規則」を策定することにした。

(2) 第二の果実は、「気候変動対策」である。昨年米国は二酸化炭素排出量の削減目標を公約し、途上国を支援するためにも30億ドルの基金を準備した。今回「中国は最貧国を支援」する具体的な政策を表明し、米中の気候変動対策が具体的な実施面で補い合う状態になったことは、非常にうれしい。

「国連次期気候変動対策プラン」が策定される予定であるが、米中が一致協力することで、その厳しい目標も達成可能になるだろうと期待する。

(3) 第三の成果は、「アジア太平洋の安全保障体制」である。「米中両軍間には直接回線を使用した不足事態回避システムが空と海で完成」した。海上艦艇について締結済みであり、不測の事態発生を防いでいる。今回、両軍の軍用機間の直接回線の設置条約を追加した。

朝鮮半島問題に関しても、証明可能な非核化を米中が協力して北朝鮮を説得すること、そのために国連安保理事会でも強調することで一致した。

「東と南の中国海問題」も率直に話し合った。航空識別区は「民間機の通行を妨げない」こと、「軍事基地建設は関係国に摩擦懸念」を伝えた。ただし、米国は当事者ではない。民間機や船舶の自由通行を願うだけだ。中国は関係国と協議を重ねているが、それがルール化され海域を安定させることを期待。

最後に「台湾関係法(兵器輸出)」に関して米国は運用に関して米国は「一つの中国という原則」を護る守ること再確認した。

(4) 第四の成果は、「国連を中心とする貧困解消対策」に共に常任理事国としての責任を全うすること。
国連では「アフガニスタン安定化のための建設プロジェクト」を策定するが、米中がその中心となって貢献することにした。「イランの核査察」も中国が協力して円滑にすすむだろうと期待している。

エボラ出血熱を封じ込め」に中国は多大なる貢献をし、偉大な成果を上げた。今後米中は病気が流行する原因である「貧困の解消」で一致した。「世界的な健康管理センター」の設置から始まり、農業改善や災害対策や難民救済などである。

(5) 第五の成果は、「人権問題」について、率直な意見交換ができたことである。私は「少数民族問題」や「社会派の弁護士とNGOの扱い」で懸念を伝えた。中国という巨大な単一の国を維持することとこれらの問題を予防することは相当に難しい。

その点で私と習主席は一致している、「違いを認め合う」ことから始めようと。例えば、「チベット問題」。私たちは文化的なアイデンティティを守ってやるべきだと考えている、それはダライラマ対応もであると伝えた。

(6) 第六の成果は、「文化交流による相互不信の解消」である。
米中は「観光ビザの大幅緩和」する。それは来月から始まる。また、「中国の英語教育」の充実に米国が協力することになった。「米国の中国語教育」は5年間で100万人が中国語を学ぶ政策の実施を約束した。

バイデン副大統領の二人の孫は中国語を学んでいる。習主席の娘さんはハーバードを卒業した。互いの言語を話すことは、相互の認識を深め、誤った不信感の生起を防ぎ、共同作業を生産的にする。これからの米中二大大国はこのように謙虚に勤勉を重ねるだろう。

中国が米国に迫る大国となるにしたがって、不信感と危機感が増長して、ついに戦争にいたるという昔のジンクス「トゥキディデスの罠」を米中は回避できる。ジョセフ・ナイ教授が主張することに同意する。

(関連)【習近平主席の訪米は相互信頼を深め疑念を解消する旅】
http://d.hatena.ne.jp/SukiyakiSong/20150918/1442513860
(1) ジョセフ・ナイ「米中はトゥキディデスの罠を回避できる」

会議全体として、私たちは極めて生産的な議論とおこなった。無意味なイデオロギーや相互不信の対決などは無く、問題をどう認識し、妥協点を探し、具体的な実行プランの指針を決めることができた。
ありがとう。

習近平国家主席
オバマ大統領、親愛なる記者の皆さま、婦人と紳士、友人−−おはよう。
オバマ大統領とともにあなたたちすべてと出会うことができ、とても嬉しい。
私を、再び親切に歓待するために思慮深い手配をなさったオバマ大統領と米国政府に感謝します。

昨日と今日、オバマ大統領と私は、両国の国内と外交方針、両国関係、世界及び地域状況の重要トピックについて深く議論した。私達の会議は建設的かつ生産的で、私達は広範囲の重要な合意に達した。

議論の間、オバマ大統領は今進みつつある国内政治日程と外交方針優先事項について私に説明した。そして、私は、それらの領域で彼が実現させて進歩について賛辞を送った。オバマ大統領は平和的で着実な中国の発展を歓迎し、私は感謝した。それは中国が国際社会においてより大きい役割を担うことを支持しているからだ。そしてまた米国は中国の開放政策支持している。

私は、中国が全体的で包括的な改革を進め、法治政治体系を構築し、共産党の風紀を厳格化することによって、社会的信頼を築き上げる目標に邁進していることを、オバマ大統領に示した。中国の改革が立ち止まることはない。

中国は平和的な発展を強く約束する。世界の全ての国との友情と協力関係を育てることを約束する。衝突せず、相互尊敬と相互利益に基づく協力によって主要国間の新しい関係モデルを米国と共に築くことが中国外交方針の優先事項である。

2013年のサニーランド会談で、私達は中米関係を発展させることの高い重要性について話し合った。そして、両国間だけでなく世界や地域での実際的な共同作業を拡大し、意見の相違や敏感な問題を冷静に建設的に管理し、中国と米国の間に主要国としての新しい関係モデルを構築することに合意した。

私達は、両国関係の様々な分野において実用的な協力を深めることに合意した。
私達は、高い標準の「相互投資協定」交渉を強力に推し進めることに同意した。
私達は、エネルギー、環境保護、科学技術、航空、インフラストラクチャー、農業、健康、その他の分野で相互利益の生まれる強力を拡大するだろう。
中国と米国「政府およびその関係機関が多くの協力協定」にサインし、私達の企業は「一連の商業取引契約」にサインした。

中国と米国の経済は高度な補完関係にあり、高い将来性を秘めている。米国が「民生用のハイテク技術」を中国に輸出する規制を緩和するなら、両国の相互利益を増加させるだろう。

〔国際経済と国際金融〕
私達はまた、現在の国際経済と国際金融の情勢について突っ込んだ議論をおこなった。私達は、マクロ経済政策を統合させ、世界の経済成長と財政安定を共同して牽引することに合意した。

この目的のために、私達は、中国財務部副部長のウォン・ヤンと米国財務副長官のヤコブ・ルーが経済上の懸案事項について定期的に電話会議するメカニズムを設置した。二人は尊重しあい親密に連絡して世界経済の主要課題を提起するだろう。

私達はまた、G20世界銀行国際通貨基金、および他の多国間機構でも共同作業を立ち上げる。
国際通貨基金の一定標準が満たされるなら、人民元国際通貨基金特別引出権に追加することに米国政府が賛成したことに感謝する。そして、私はまた、2010年G20サミットで決定された国際通貨基金割当てとIMFのガバナンスを改革する米国の約束を評価する。

〔南中国海問題〕
私達は、両国軍の間の信頼関係を築く新しい進捗をなしとげたと断言する。私達は米中両軍間の全てのレベルで交流を増加させ、合同演習や合同訓練を維持する方針に合意した。テロは人類共通の敵であると信じ、私達は、多方面での両国のテロ対策で密に協議し合同して行動することに合意した。私達は、海賊対策、人道的支援、災害予防、国際平和維持活動、反腐敗などの国境を超える破壊活動に対する共同戦線を決断した。

私達はアジア太平洋の状況についても深く議論した。そして、私達は、中国と米国が、この領域に広い共通の利益を持っていると信じ、平和と安定と繁栄を強化するために、意見交換と連携を強め、積極的な行動と包括的な協力を促進しなければならない。

中国は、平和的な発展の道筋と、友愛およびパートナーシップに性格付けられた隣国外交を約束する。南中国海の島々は古代(宋、明)から中国の領土である。私達は合法な領土主権と海上利権を持っている。私達は関係国と相互利益を達成するために交渉し、協議するという平和な会議によって南中国海の論争を整理し妥協点を探し、紛争を解決することを約束する。

私達は、航海と航空の自由を国際法に従って尊重することを約束する。中国が南沙の環礁に建設している正接はいかなる国をも対象とせず、軍事基地化もするつもりはない。

中国と米国は、南中国海問題に共通の関心を持っており、両国政府は南中国海の平和と安定性を支える。直接関係する国は、論争と交渉と協議を通じて、平和的方法によって主張すべきである。私達は、国際法に基づき、意見の相違を会議と対話によって管理することによって航海と航空の自由を支えている。ASEANと中国の共通認識に基づいてまとめられたDOCおよびCOCの精神である。

サイバー攻撃問題〕
中国と米国は、2つの主要なサイバー国であり、私達は対話と協力を強化するべきである。諍いと摩擦の道は両国ともに選択肢にしない。私の訪問中に、両国の管轄庁がサイバー犯罪に対して合同で対処する重要な合意に達した。両国は、犯罪の分類、調査補助、および情報共有で一致した。そして、両国政府は知的所有権の窃盗を故意に支援しない。

そして、私達は、サイバースペースの適切な状態の維持管理を共同探究する。そして、サイバー犯罪および関連問題にするハイレベルの共同対話メカニズムを構築し、ホット・リンクを設立する。

〔人権問題〕
民主主義と人権は人類の普遍的な権利である。同時に、私達は、各国が異なる歴史過程と現実を持っていると認めなければならず、私達は全ての国の人々が各国の発展過程を独自に選ぶ権利を尊重する必要がある。

中国人民は、中国の歴史の中で、国家の壮大な再建築を希求している。本質的にはこのプロセスは、社会的な公平と公正と先進的な人権を達成するプロセスである。中国は、平等および相互尊敬の精神心の中で、共通認識を広げ、違憲の相違を減らし、互いに学びあい、共に進むための、米国との人権会議を主導する準備ができている。

〔気候変動対策〕
私達は、世界規模の挑戦に取り組み、国際的なコミュニティにより多くの公共財を提供するために共に継続的な作業をおこなうことを決定した。中国と米国は気候変動に関する共同発表を再びおこなった。私達は実用的は協力を拡大することに合意し、多方面の交渉において、合同し、重要な進歩を生み出すためにパリ気候変化会議を推進するために共同作業する。

〔米中開発協力協定〕MOU
私達は中米開発協力MOUにサインし、私達は、食料安保、公衆衛生システム設立、緊急事態即応、および災害縮小についてアジア、アフリカおよび他領域で三辺協力を拡大することに合意した。そして、私達は、ポスト2015を策定する会議のためにより公平でバランスの取れた世界開発のパートナーシップと通信と統合を、日程を実施することに維持し、釣り合いが取れているグローバルな開発パートナーシップを促進し、開発途上国が共通の開発を達成することを手助けする。

〔核不拡散〕
私達は、国際的な核不拡散体制を堅固に支持することで合意した。オバマ大統領と私は、イランの核問題について、関係国が進める行包括的な計画を歓迎する。私達は、全ての関連組織が、協定を完全に実施し、関連する全ての国連安全保障理事会の決定を実施するために共同作業を行うことを再確認した。

私達は、朝鮮半島の完全で証明可能な非核化を平和な方法で実現する私達の約束を再確認する。そして、私達は、朝鮮半島での緊張を起こすか、または国連安全保障理事会の決議に違反するいかなる行動にも反対する。私達は、6カ国協議および関連する国連安全保障理事会決議の9月19日の合同声明が完全実施されるべきであると信じ、全ての関連組織は、朝鮮半島の非核化プロセスを確実に進め、北東アジアの平和と安定を達成し維持するためにいっしょに共同すべきである。

〔米中の相互認識の深化〕
米中二つの民族間のフレンドシップは、長期にわたる安定した米中関係を構築するための最も信頼できる基礎であり、中米この重要な基礎を固めることに努力すべきである。

私達は、2016年を米中観光旅行の年にすることを決定した。今後の3年間で、5万人の相互留学生に予算を割く。米国の大学生と生徒百万人に中国語を学習させる決定を歓迎する。

中国のフレンドシップの扉は米国の人々の為に開き続けるだろう。私はまた、中国の人々が休日またはもっと容易に米国訪問できること(ビザのこと)を希望する。

オバマ大統領、中国と米国が国交を回復して36年間、絶えることなく関係を発展させてきました。両国の関心は深く結びあい、私たちは世界平和と人類の進歩のために増々大きい責任を持つようになった。
両国は共同作業をすべきだし、それが可能である領域が広がっている。

中国側は忍耐の精神を止揚するために、米国と共に働く用意ができ、立ち上がっている。
米国と中国とそして世界の人々のより良い利益を探すために、米中関係は更なる発展を遂げるでしょう。
ありがとう。(喝采

………………【Q&A】………………
オバマ大統領)
OK、私達は、少しの質問を受け付ける。
まず、ブルームバーグのマーガレット・ターレフ記者。

(マーガレット・ターレフ記者)
オバマ大統領と習国家主席に感謝します。

私は、サイバー問題についてあなた方に話したい。私がアメリカのビジネス関係者で、私がハッキングされ、中国の海賊に私の知的所有権を盗まれようとしていると仮定します。あなた方が今日到達したと言う合意によって、何時ハッキングの無い堅い安全保障が与えられるのですか?

オバマ大統領、貴方はこの目的のために、あらゆる新しい制裁を中國に課すと言っていましたが、今日の米中合意は制裁検討を取り下げるに値するほどに十分に満足したのですか? あるいは、貴方はまだ今後の中国を注視する必要があると考えるのか、どちらでしょうか?

そして、習国家主席、貴方が米国のビジネスをハッキングした中国の人々と組織を起訴すると私たちは期待してよいのでしょうか? もしも米国が中国を制裁したなら、貴方はどのように対応なさるつもりですか?

それから、もし私が質問しなかったら、誰もが私を殺そうとするだろう――Boehner下院議長が辞任し議員も止めると先ほど声明しましたね。大統領はそれにどのような反応をなさるのか聞きたい。(笑い声) 
彼の辞任は貴方に人生にとって朗報ですか、それとも悲報ですか? 

臨時予算案の否決を防止できなかったことが原因ですが、それは政府機関の閉鎖を回避することが再び困難になったのか、それとも政府謝金の上限を挙げることを懸念しているのですか? それから、Boehner下院議長が辞任前に移民法改革を成立させると考えるのか? ありがとう。

オバマ大統領)
では順番にお答えする。
〔サイバー問題〕は、Sunnylands牧場で私達初めてが会って以来の、私と習主席間の深刻な課題である。そして、それに関するグッドニュースとは、それは私の感想ですが、その問題を解決する下準備を行い、今日の私達会談によって終結させたことです。

今日の合意は意義の深い進展があったと私は考えます。その合意内容は以下を含んでいるからです。
・両国の法整備の強化方法
・両国部門による共同捜査
・そのための情報交換方法の具体化
・それによって、サイバー犯罪またはサイバー攻撃を企てる個人または機関の追跡すること

また、両国政府は企業の商業利益を守るためにサイバースパイ活動に従事しない原則を共同で確約した。以上が、重大な進展を成し遂げたことの全てである。

私が、習国家主席と米国の人々に言ったことがらは、問題を解決する「行動」を伴う言葉である。そして、私達は、この領域での進歩がなされたかどうかについて、慎重にアセスメントをするために注視するつもりだ。

私達は伝統的な法執行規則を保有している。それは私達の企業を攻撃するか、または企業秘密を引き出そうとしている人々に対する様々な法執行ルールだ。

けれども、行動を伴う約束の言葉と、先ほど私が述べたように、両国は、米国の企業や個人をハッキングしたという証拠が見つかった個人または機関に制裁を課す機能も創設されたのだ。

両国は、各レベルの問題に対応し得る具体的な議論をしてこなかった。そこで私は習主席に提案した。私たちは過去から将来まで広範囲にサイバー犯罪者を追跡するツール持っていると。それは、一般的に政府が関与しないツールであり、識別可能な個人または組織に向けられるものである。

そして、それらは中国だけをターゲットにしたものではない。世界中のサイバー犯罪者を追跡するために使うツールである。

国家主席は「13億人の人々が暮らす中国の全土で、全ての個人行動を監視し保証することは不可能だと」述べた。私もまた「全ての米国人の行動を保証できない」。

それ故に、両国政府はハッキング活動のスポンサーをしていないこと、および非政府の機関または個人がそのツールの活用に魅力を感じるように、法律を施行することで協力できると提案し合意に達したのだ。

サイバー問題に関しての私の最後のポイント―これはグローバルな問題で、故に法規則が不十分な国々を巻き込む世界規模の規制が重要であり、私は米中が重要な役割を担うべきだと思い、国連で共同提案する―それによって、サイバースペースを清浄化するアーキテクチャを開発する民間部門を育てる。

サイバー犯罪の防止は両国政府が直接実行するものではないが、政府は法律規則を熟知する機関として役にたち、国家を超えたサイバー犯罪を追跡する民間行動を支援できる。

〔ジョンBoehner下院議長の辞任〕については、私が米中首脳会談を終えたときに、このニュースを聞いたばかりである。私は驚きをもって受け取った。私はこの記者会見の直前にジョンを直接呼んで、彼の話を聞いた。

ジョンBoehnerは好人物だ。彼は愛国者である。彼は長い間彼が勤務した下院を深く心配している。彼は彼の下院を懸念し、彼はアメリカを心配する。私達には確かに沢山の不一致があり、政治の最終目標についての透視も異なっている。

しかし、私はあなたに話したい――彼は常に自己を抑制した、常に私に好意を示し礼儀正しかった。彼は関与した約束を守った。彼は親切で慈愛に満ちた人なのだ。

そして、私がおそらく最重要と思うことの100%を理解し賛成することが、政府機構においてはありえないこと、時に大きく意見のことなる人々とさえ共に働かなければ政府は機能を失うことなのです。

私は、後任の下院議長が誰かを前もって判断ない。彼であり彼女であれ、誰が下院議長になっても、私達は、アメリカが直面する重要問題でどのように前進できるかを話し合える。

だから、後任の下院議長に私が述べたい唯一のことは、ジョンは私と意見を異にし、時に彼が招集した党員集会は挑発的であったが、彼は政府の閉鎖を意図しなかったことだ。

あなた方は米国に対する完全なる信頼のもとにクレジット使い、個人破綻することなく道路料金と交通の請求書の山を築く。私達の軍人は働き、国立公園が開き、私達の子供が学べることを保証することは政府の基本的な仕事なのだと理解されたい。

それに弱みが全くない。政府は私達の民主主義の中にある。あなたは、要求の100%を望んでも得ることはない。政府によっては、それが半分のパンになり、時には4分の1パンを得る。それがこのオフィスで私が学んだことである。

私は後任の下院議長と働くことが楽しみだ。ジョンは30日後に離任する。従って、うまくいけば、彼はより多くのスタッフ得て、彼ができる多くの課題をこなすかもしれない 。私は、確かに、そこで彼と働くことを楽しみにしている。

(習主席)
奥様レポーターはサイバー・セキュリティ犯罪を告発し、何十回もマスコミやネットでビデオがほうえいされた。そして、問題が世界に広がり、実に、国際社会と中国と米国の潮流の全てとなり、大きな重要問題となった 。

オバマ大統領と私は、この問題について何度も議論し――それは長い履歴書である−−それに対する見通しを交換してきた。その結果、私達はサイバー・セキュリティ問題に対する新しい合意に到着したと、公正にいうことができる。

とにもかくにも、米国はサイバーでの実力が最強の国である。そして中国はアカウントを保有するWebユーザーの数において世界最大のサイバー国である。我々は6億を超えるネチズンが存在するのです。ですから、両国が協力すれば共に利益を享受し、逆に対決すれば双方が甚大な損失を被るのです。

両国は、対決を避け、サイバー・セキュリティを新しい成長リソースに変えるために、政府部門と専門家レベルが協議し情報交換することは、完全に可能なのです。

中国は商用機密情報の窃盗や各種のハッキング攻撃に強く反対し戦う。米国側がそれすら懸念するのなら、私達は既存チャンネルを通じてそれらの懸念を主張できる。中国側は米側情報を深刻に受け止めているが、私達は既に法の執行当局による鎮静化と対話の持続で、適切に処理できる。

私たちはサイバー空間に対する広範な共通の関心をもっている。そして、私達は協力を強化し、対決を避ける努力が必要だ。この問題は政治化されるべきではない。私の今回訪問の間に、中米両国が、サイバー犯罪と共に戦う合意に到着したと言うことがフェアーであると思う。

前に進みましょう。早い時期に、私達には一層広範囲な協定が必要であり、犯罪をその土台に置きましょう。
ありがとう。

オバマ大統領)
さて、今度は中国中央電視台のレポーターに質問をしてもらいたい。

(CCTV記者)
習主席に感謝します。オバマ大統領への質問があります。私は、昨夜の歓迎レセプションだけでなく、今朝の公式歓迎式典でも、そして先ほどの首脳会談の声明でも、貴方は中国の興隆が歓迎すべき平和的なものであり、中国が国際社会でより大きな役割を果たすことを支持すると表明されました。

そのご発言は入念に準備されたものなのですか? 貴方の政権はこの目標達成を可能ならしめるために何をなさってきましたか? そして、私達は貴方の政権の残余の期間にもっと大きな興味があり、あなたが今日声明なさったゴールは遥かに遠いと思いませんか? ありがとう。

オバマ大統領)
さて、なによりもまず、アメリカは第二次世界大戦後のプラットフォームを提供し、その中でアジア市域が安定し、中国が高度成長を維持する環境にもなったと、私は考えます。

そして、第二次世界大戦の後におけるアジアとヨーロッパの再建を助けるために、世界貿易の成長や国際コミュニケーション、旅行、相互影響を可能にするための国際標準と規則を確立したこと、それが平和を維持することを助けたと誇りに思っている

私が大統領であったので、私のゴールは、中国と私達の違いを管理し、協力の機会を最大化する、建設的にかみ合うことで一貫している。そして、人々を貧困から救い出し、市場を拡大させる中国の成長は米国にとっても興味深いものであると私は、何度も述べてきた。

なぜなら、途切れることのない安定したしかも平和的な中国は米国にとっての国際社会に挑戦する効率てきなパートナーになりえたからだ。

昨夜の私たちの議論で、習主席は米国と同じくらいパワフルに述べたー『我々は直面している事態は、気候変動にしても、国際テロにしても、大流行病にしても、難民問題にしても、どんなに巨大な国家でも一国では解決できない規模だ』と。

そして、私達の強さや経済規模と軍隊の強力さによって、私達は特定の役割を果たし、より大きい負荷を担えるが、しかし単独では成し遂げることはできないのだと、私たちは認識した。

中国はその経済規模の巨大さにもかかわらず、発展途上の努力課題を持ち続けている。この課題は一国では解決しえない。それで私達は一緒に仕事をするようになり、協力する関係になった。

親密な同盟国ともいえる英国やドイツとさえ意見の相違があり緊張を生じさせる争いもおこる。争いの場を自分に有利な方向へと傾けようとするからだ。

私達が、中国の成長とパワーを反映させて、国際的なノルマと規則を支持する私達の要望であるが故に、国際組織のいくつかを改革する必要があるとまさに認めている時でさえ、我々二つの国の間に典型的な緊張が生じる場になっている。

それで習国家主席国際通貨基金の改革と出資金割り当ての改革に言及したのです 。中国がIMFにおいて発言力を増すことを希望する改革は中国の国家体制とその国力の強さを反映させるものであり、私達は中国の意見を完全に支持し、賛成投票するものだ。

国連平和維持活動においても、同様の真実味がある。中国は、衝突を和らげるためにとりわけ役に立つ方法によって、その能力を発揮する能力があるのです。

それらの問題の中で、教育と同様に科学や技術においても、透明性を高め相互に影響しあう公正さがありさえすれば、両国が協力し合う場が生まれるだろう。

以前、習主席は私に言った、『中国は米国肩を並べる規模に成長したが、国内には多数の貧困者が残っており、一人当たりGDPは低位にある。それを解消するために中国は今後50年間発展途上国であり続けねばならない』。私は言った『それでも中国を開発途上国であるかのように扱うことができない』。

中国は今世界の発電所である。そして、そのことは中国には存在したことの無かった国際ルールを止揚することを助ける責任と期待が集まったことを意味している。

そして、それは中国が歓迎すべきことなのです。あなたの国が大きい国であるからには、世界の舞台で相応の役割を演じる義務があるし、貴方の国はその能力をもっている。私の灰色になった髪の毛がそれを証言している。(笑い。)

※超意訳;私が大統領になって髪の毛が白くなってしまった。そして私に残された任期は長くない。米国はかろうじて経済の没落を免れ国力を維持はしているが、既に中国が追いつき追い抜こうとしている。そこで私は、中国の習主席が米国大統領の権限の苦労をシェアーしてくださることを望んでいる。

オバマ大統領)
次の質問は、ジュリー・デイビスさんどうぞ。

※ジュリー・デイビス記者はオバマ大統領に対して「来年春の政府の一次的閉鎖を回避できるか」を質問し、習主席に対しては次のように質問した;

あなたは中国経済が減速することによる株式市場の危機を経験した。貴方の取った株式市場と為替レートへの介入策は投資家に不安感を与えた。しかし、貴方が今日オバマ大統領に述べ、この会見で述べられた政策を維持すれば、市場の不安感を払拭し、未来にも禍根を残さないと言い切れますか?

オバマ大統領)
―要約−Boehner下院議長は苦労していた。多数を制している共和党には妥協を裏切りと罵る議員が存在するからだ。だが米国は民主主義の国であり、民主主義とは妥協のプロセスのことなのだ。それを忘れた共和党オバマ・ケアを競争社会に不公正をもたらすとして政府機能を停止させた。

その結果、米国経済が減速し、貧困者の困苦や緊急事態に対処ができなくなり、当該者を傷つけた、政府に努める職員何十万人も所得を失い、軍も活動がマヒし、そして共和党は市民の支持を失った。それから学んだはずだ。

下院共和党が前回の政府機能閉鎖から学んだことに加えて、ローマ教皇が議会を訪問し議会で説教をおこなったことで、Boehner議長は深く感動させられた。私たちは互いに相手を悪魔化すべきではない。互いの意見を敬意をもって聞き、妥協を探ることだ。それを失うなら米国は一挙に脆弱化する。

私はローマ教皇の議会説教がしばらくの間浸透し続けると思いたい。そして、私は、ひそかに、ジョンBoehnerに人となりを知っている。彼は善人であり合理的な人である。だから彼が離職するまでの30日間に私達はいくつかことを成し遂げることができると望んでいる。

(習主席)
中国経済に興味を示してくれた奥様レポーターに感謝します。
中国の人民元の為替市場を2005年から徐々に自由化してまいりました。その結果、人民元は米ドルに対して35%高くなりました。最近もその市場自由化の強化しております。

米ドルが以前よりも強くなったことと、金融市場の多少の乱流に影響された、改革後の人民元為替レートは一定程度のフラクチュエーションを経験したが、長期的には人民元を切り下げる基礎は全く存在しない。中国は為替相場を更に自由化し、人民元を安定させる平衡レベルを維持します。

現在、中国経済は減速のプレッシャーが増大し株式市場は変動している。挑戦する困難さは、明らかに増大した。しかし、私達が採用しているのは、国内景気を牽引する財政政策と慎重な金融政策だ。それは経済成長を安定させ、改革を促進し、人々の生計を改善し、リスクをかわすものだ。

様々な手段を包括的に実行することによって、今年上半期は7%成長をどうにか維持できた。昨年は7.3%であったから、経済規模は「中間的規模」と同等である。今年の後半も7%を維持するだろう。中国経済は「中程度の成長速度」を維持する。そのために新しい経済建設政策をいくつか準備した。

なによりもまず、私達の人々の収入はまだ世界の中レベルにある。発展途上国レベルなのだ。中国の一人当たりGDPは700〜800ドルで、米国よりも遥かに低い。それを高める余地はいくらでもある。地方の産業化、都市化、および農業近代化などでのリフォームである。

例として都市化は毎年2%増大し、今では都市化率が53%になった。毎年1000万人が地方から都市に移動している。だから、私達は、インターネット産業などによって、地方を開発する必要がある。

中国経済は、高度成長から中速成長に変わり、高生産性から高品質性へと変えつつある。皆様の悪評を買っている輸出による高度成長は、国内消費の増大による内需依存成長へと進展している。私達は中国の経済を「新常態」と呼ぶ。健全な経済成長を達成できると、私たちは自信がある。

オバマ大統領)
次の質問者には中国の人民日報からのレポーターにお願いします。

(人民日報記者)
習主席に質問します。今米国では中国の経済成長が米国の主導的地位に挑戦してきたと信じる人々が存在します。米国の現在状況に対する貴方の観方と中国の対米国政策方針をお聞きしたい。

(習主席)
米国は経済力と軍事力において顕著な力を維持している。世界の多くの国も発展しているが、米国は依然として、比べようも無いほどの有利さと強さを持っている。
長かった冷戦は終わり、今日の世界は、国々が相互依存する経済のグローバリゼーション時代に入った。人類は時とともに前進しなければならない。「あなたは負け、私が勝つ」、または「ゼロサム試合」という古い概念に見切りをつけるべきで、平和に満ちた発展と歓喜に満ちた共同体いう新概念が確立される。

もし中国がよく発展するならば、それは世界全体に役立ち、米国にも役立つ。もし米国がよく発展するならば、それは世界と中国にも役立つだろう。

米国に対する中国の方針は一貫しており、誰でも見ることのできる透明性がある。中国と米国は、最大の発展途上国と最大の先進国であり、両国は最大の経済力を持つ二国である。その米中間には意見の相違もあるが、世界平和と人類の発展に対して、広範囲な共通の関心を持ち、重要で普遍性のある義務が両国の肩にかかっており、両国の世界に対する義務感は両国の意見の相違を乗り越える。

中国と米国が、二つの民族と世界の人々の根源的な関心に突き動かされ、二つの主要国の新しい関係モデルを構築することによって、不衝突、無対決、相互敬意、そして協力を実現させることを、私は誠実に希求している。それは、両国が逸脱することなく戦うべき方向として役立つはずである。

中国は、国際システムの建設者、貢献者、開発者、そして参加者であり、受益者でもある 。私達は、第二次世界大戦の勝利の果実と、既存の国際的なシステムを堅固に防御するために、そして同時に、より正しく、より公平を目指す全ての国と共に働くことに喜びを感じている。

中国は「1帯1路」経済ベルトの建設を始動し、AIIBなどの設立を提案した。それらの目的の全ては、国々と相互的で、有益な協力を拡大し、普遍的な発展を実現することにある。

これらのイニシアチブはオープンで、透明性があり、包括的である。故に、一貫して米国および他の国に興味を抱かせる。そして、私達は、活動的に参加する−−米国と他の国々も−−。
ありがとう。