「あの戦争」とは、安倍有識者懇と歴史家加藤陽子さん

(1) 安倍談話、有識者懇が報告書
(2) 戦後70年「あの戦争」とは 日本近現代史究・加藤陽子さん
(3) 中国と韓国の怒り
(4) 広島原爆投下の日、広島と世界は

※敬称略 ◆は参照報道、①〜はその要点

………(1) 安倍談話、有識者懇が報告書………

有識者懇:「満州事変以後、侵略拡大」70年談話へ報告書(毎日)
http://mainichi.jp/select/news/20150807k0000m010098000c.html?inb=tw
◆安倍談話、有識者懇が報告書 侵略明記、おわび言及せず(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/ASH865K7JH86UTFK00J.html?ref=rss&utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter
有識者懇報告書:提言、政府を追認…従来の政策なぞる(毎日)
http://mainichi.jp/select/news/20150807k0000m010133000c.html?inb=tw
◆安倍談話、有識者懇の報告書全文・はじめに
http://digital.asahi.com/articles/ASH8662ZGH86UTFK00W.html
1.20世紀の世界と日本の歩みをどう考えるか。私たちが20世紀の経験からくむべき教訓は何か
http://digital.asahi.com/articles/ASH86636XH86UTFK00X.html
2.日本は、戦後70年間、20世紀の教訓をふまえて、どのような道を歩んできたのか。特に、戦後日本の平和主義、経済発展、国際貢献をどのように評価するか
http://digital.asahi.com/articles/ASH86641MH86UTFK00Y.html
3.日本は、戦後70年、米国、豪州、欧州の国々とどのような和解の道を歩んできたか
http://digital.asahi.com/articles/ASH866487H86UTFK00Z.html
4.日本は戦後70年、中国、韓国をはじめとするアジアの国々とどのような和解の道を歩んできたか
http://digital.asahi.com/articles/ASH8664GYH86UTFK013.html
5.20世紀の教訓をふまえて21世紀のアジアと世界のビジョンをどう描くか。日本はどのような貢献をするべきか
http://digital.asahi.com/articles/ASH8664P2H86UTFK015.html
6.戦後70周年に当たって我が国が取るべき具体的施策はどのようなものか
http://digital.asahi.com/articles/ASH8664VBH86UTFK016.html

※「有識者」は飾り者。違憲なる戦争法案「安保法制」を強引に進める『外務官僚』の作文であることが丸見えだ。外務省の各局の作文である、内部調整が未熟で、各局の業績宣伝に化し、論理性が全くない羅列である。以下それを「羅列」する。

①日本は満州事変以後、大陸への侵略を拡大し、世界の大勢を見失い、無謀な戦争でアジアを中心とする諸国に多くの被害を与えた。日本の植民地支配は1930年代後半から過酷化した。
(1937年に始まった北支事変、上海事変南京事件などを指す)

②国の多くの意思決定は、自存自衛の名の下に行われた(もちろん、その自存自衛の内容、方向は間違っていた)のであって、アジア解放のために、決断をしたことはほとんどない。これらを導いた、日本の政府・軍の指導者の責任は誠に重いと言わざるを得ない。

③日本は先の大戦への痛切な反省に基づき、30年代から40年代前半の姿とは全く異なる国に生まれ変わり、戦後70年の日本の平和主義・国際貢献路線は国際社会と日本国民から高い評価を得た。

④日米関係は「世界史において稀有な成功を収めた二国間関係」と評価できる。米国主導の国際秩序の中で平和、法の支配、自由民主主義、人権尊重、自由貿易体制、民族自決などを前提とした国際システムに「忠実に生きてきた国の一つ」であるが故の国際評価である。

⑤しかし、中国、韓国との和解は完全に達成されたとはいえない。日中は「双方の思惑が十分には合致しなかった70年」、日韓は「いまだ成し遂げられていない和解」だ。
防衛力の水準を「GNPの1%以内」と日本が定めてきたことは、日米安保体制に一定の制約を課すことにもなったが、中国の軍事費が膨張する中で日本の防衛費をGNPにリンクし続けることの妥当性についての検討も必要。

⑥戦後70周年で取るべき施策として、(1)近現代史教育の強化 (2)国連改革 (3)女性の地位向上と活躍推進など16点を挙げた。
(1) 近現代史教育の強化
・高校に近現代史の科目を新たに設け必修科目とする(世界史は必修から選択に格下げ)
・20世紀における戦争、植民地支配、革命などについて、「多くの国が参加」する歴史研究の実施
国立公文書館アジア歴史資料センターを充実し世界に公表
・遺骨収集等の戦没者の問題につき、政府は取組を強化

※02〜05年と07〜10年に、日中間三国で歴史共同研究が行われたが、歴史認識が深まるよりも違いが浮き彫りになった。今回の有識者提言は米国やASEAN各国を含めた「多国的歴史研究」を提案している。中国と韓国の主張を薄める目的であり、動機が不純である。
また、「20世紀における戦争、植民地支配、革命」など日中韓で対立しそうな課題が提示されており、WWⅠ後も植民地侵略戦争を続けた日本の正当化や暴力的共産革命を阻止する必然性などという。
「冷戦の崩壊に伴い、中国共産党にとって一党独裁社会主義体制をいかに存続させるかという点は切実な問題となり、共産党の正当性を強化する手段として愛国主義教育が浮上。訒小平時代よりも強化された愛国主義教育を展開し、特に日本との歴史問題は愛国主義教育の中で中心的な位置を占め」などと。

(2) 国際秩序を支える
・国連安保理の機能が(中露の抵抗により)低下している。日本は国連安保理改革の努力を加速させる
・ODAを増額し、紛争や暴力の大きな原因となっている貧困を削減
・人間の安全保障(環境問題、気候変動、自然災害への対策、人権蹂躙被害者救済)
・女性の地位向上と活躍推進
・軍備、通常兵器の移転等の規制や、核兵器など大量破壊兵器関連の技術拡散阻止
イスラム世界等の他文明、他宗教との対話
安倍晋三首相が国際会議などで提唱してきた国連改革や貧困の削減、女性の活躍推進などを掲げた。貧困削減の実現には政府開発援助(ODA)の増額が必要だと強調。ODAを日本外交の重要な手段と位置づけてきた外務省の意向そのままである。

(3) 平和と発展に貢献する
・日米同盟をさらに充実する
自衛隊はPKOにより積極的に参加
・TPPに加え、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)を牽引、(中国台頭により)陰るWTO復権
・大学と民間企業を各国のインフラ整備や環境汚染・気候変動・防災対策に協力させる

(4) 国を開く
・国内規制を撤廃し、意識を改革して開放型の社会を作る
・国連等の国際機関で国際的に活躍できるような専門性と実務能力を持つ人材の育成
青年海外協力隊の強化
アジア諸国との青少年交流

※『日米同盟を強化』がアジア・太平洋地域の安全確保に不可欠とか、『自衛隊のPKO参加拡大』などと、安全保障関連法案に関する政府の主張の丸写しである。『TPP』やアジア太平洋自由貿易圏『FTAAP』実現などは政府の広報紙の様相。

「国を開く」も、国内規制を正常化させ利益再配分で社会福祉を立て直す気が無いことや、国連敵国条項を廃止させ、常任理事国入りして拒否権を廃止して「多数決」に変更することで中露を抑え込もうと露骨だ。その根回し要員として国連機関に人材を送り込むとIAEAIMFでの成功の再来を夢見る。

➆「おわび」を70年談話でどう扱うかには踏み込まず、北岡伸一座長代理は6日の記者会見で「おわびするかどうかは首相の判断だ」

有識者懇の報告書は「しらけた反応をアジア各国に与えるだろう」
❶「はいはい、侵略戦争でした。1937年以降では特に激しいものでした」「だがしかし、当時は列強が熾烈な植民地奪い合いをした時代であり、日本だけがその非を追及されることは不平等。そのような追及が日本をして前向きの貢献を困難にしている

➋1930年代は数千万の被害者をだしたWWⅠの反省から植民地獲得を「侵略」と反省し、そのような侵略を「戦争犯罪」と定義した時代に、日本とドイツが真っ向から挑戦した犯罪であるとの歴史認識が希薄

➌安倍のような人物が現れなかったら、日本の戦後の反省は相応に評価され得たであろうが、戦後日本の反省も不十分で不徹底であったが故に安倍のような人物をアジアに跋扈させる結果を招いていると言う反省が欠如している。

➍WWⅠの反省から植民地獲得を「侵略」と反省し、そのような侵略を「戦争犯罪」と定義した時代背景を無視する理由は、ポツダム宣言カイロ宣言を、さらには無条件降伏の国際協定を骨抜きにしたいという安倍の歴史歪曲観が色濃く反映している。

ポツダム宣言カイロ宣言による日本の戦後処理に難癖をつけることでしか、安倍の「未来志向」である「積極的平和主義」による「世界貢献」が成立しえないからだ。言い換えると、それにのみよって「中国脅威論」が成り立つとも言える。


………(2) 戦後70年「あの戦争」とは 日本近現代史究・加藤陽子さん………

◆(戦後70年)「あの戦争」とは 日本の近現代史を研究する歴史家・加藤陽子さん(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11898872.html?ref=pcviewer

 ■神の国である「皇土防衛」のために、日本の周辺部で戦争■

村山談話(1995年)は『わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ……』と述べています。問題の核心は“残虐な死”が多発したこと――国家の中心部を守るために(敵前方である)周縁部で戦う――そんな軍の防衛思想を国民に強いた戦争。

②戦場にされた周縁部とは、満州中国東北部)を含む中国やビルマ、千島列島、フィリピン、太平洋の中部や西部の島々など。戦争終盤、指導部によって放棄された戦線で兵士の大半が餓死を強いられたり、現地に住んでいた日本国民が自国軍に置き去りにされて死傷したりする事態が相次ぎました。

戦没者310万人のうち実に240万人が『海外』で死亡した。それが先の大戦の実像でした。日本は、個々の兵士の死に場所や死に方を遺族に伝えることさえできなかった国なのです。

④日本は『神の国』であり、帝国の中心に『本土』がありました。戦争終盤には『皇土』とも呼ばれます。軍部は『代々の天皇が国を治めてきた』という歴史上の理念の擁護者を自認しており、本土そのものの防備を完璧にするより外縁部で守ろうとしました。沖縄もまた周縁部だったのです。

 ■日清・日露戦争の英霊の死を無駄にするな■

⑤勝算のない対米戦争を回避できなかった背景には、様々な要素がありますが、最終的には「中国問題」が要因となって対米開戦に踏み切った。日本は満州事変(31年)で中国内部に満州国を樹立しました。米国から見ればそれは、日本が中国での権益を独占しようとする行動に見えたのです。

⑥最終的に米政府は41年、日本に中国からの撤兵などを求めるに至ります。日本が対米開戦を回避するためには、妥協が必要でした。しかし日本にとって満州は『譲れない条件』になってしまっていたのです」

➆背景には、満州日清戦争(1894〜95年)と日露戦争(1904〜05年)で血を流して獲得したものだという考えがありました。「英霊の死を無駄にするな」という主張が力をふるったのです。

 ■それは典型的な侵略戦争だった■

⑧加えて、中国に対する過小評価もありました。西欧化した日本が中国のためにロシアから満州を奪還した、とする自己中心的な見方です。満州は日本のものであるとの歴史観が『この国のかたち』になったのでしょう。独占をあきらめて自由な貿易に道を開く妥協への道は閉ざされました。

満州事変は日本軍の謀略に基づく侵略。37年からの日中戦争も戦闘本格化以降は侵略。真珠湾奇襲も侵略。2005年世論調査(読売新聞)によれば、日中戦争を日本の侵略だったとする人は68%。侵略ではなかったという積極的な否定論は10%に過ぎません。

 ■最終局面でも愚かな一撃講和論■

⑩敗戦の約1年前、44年の7月には、自ら「絶対国防圏」と定めたサイパン島が米軍の手に落ちました。しかし、指導層は『どこかで敵に一撃を加えることによって講和の条件を少しでも有利にしよう』(一撃講和論)と考えたから、敗戦が確定的になったあとも戦争を終えられなかった。

⑪今から見れば、当時の日本軍には『有効な一撃』を放てる態勢はありませんでした。唯一の『勝てる方式』と自認していた『精鋭による短期決戦での勝利』の可能性がすでに消え、戦争は、勝てないと分かっていた。『長期の持久戦』へ移行していたからです。

⑫戦局を合理的な見極めが出来なかった原因は、日露戦争がぎりぎりの辛勝だった事実を隠すために、戦史を正確に編纂できず、戦争を美談にする国になっていたからです。

⑬最終局面で、徹底抗戦を呼号した軍部にとって、守るべき『本土』とは『国体』を意味していました。万世一系天皇が君臨し統治権を総攬すること、つまり天皇制です。

 ■戦争責任■

朝日新聞が今年春に行った世論調査では、日本がなぜ戦争をしたのか『自ら追及し解明する努力を十分にしてきたと思うか』という問いに、『まだ不十分だ』と答えた人が65%もいました。『まだ分からない、もっと追及するべきだ』が国民の意思。

⑮中国大陸で戦争をしていると思っていたのに、ハワイ奇襲攻撃。気づくと、日本軍はビルマでも太平洋西部のトラック島でも千島列島でも戦っていた。『こんなに広い領域に軍を展開させ、こんなに多くの国を敵とする戦争を、私たちはいつ始めたのか』。当惑するしかないような不可視感があったのです。

⑯降伏直後の45年秋に幣原喜重郎内閣が、大東亜戦争調査会を設置し『後世国民を反省せしめ納得せしむる』記録を残そうとしましたが、後に連合国側の意向で中止させられました。共産主義を敵視する冷戦が始まっていたからです。日本は歴史を正視する記録と反省の機会を失ったのです。

 ■国民は国家に利用される存在ではない■

⑰新しい憲法は「日本人と戦争の関係」を変えたと思います。たとえば、戦争中に『残虐な死』が大量に生み出されたのは、『すべての個人の生』を国家に捧げるよう国民に要請する時代だったからです。

⑱戦後の憲法は『基本的人権の尊重』を明確に定めている。国民はもはや国家に利用されるだけの存在ではなく、国家に対してそれぞれの『個』の存在が確保される形に変わっています。

⑲国民である以上、戦争の苦悩は受忍すべきだ――そんな考えは現憲法の認めるものではありません。

*かとうようこ 60年生まれ。東大教授。「それでも、日本人は『戦争』を選んだ」「徴兵制と近代日本」「満州事変から日中戦争へ」(岩浪新書シリーズ日本近現代史⑤)など戦争に関する著書で知られる。

 ■取材を終えて
満州事変は侵略だった――。安倍晋三首相が近く発表する戦後70年談話から「(日本の)植民地支配と侵略」についての「反省」と「お詫び」が削除されれば、国際社会への負のメッセージになりかねない。加藤陽子さんの言葉からは、歴史研究者としての責務を果たそうとする意志が伝わってきた。


………(3) 中国と韓国の怒り………

◆「安倍談話」関連諮問機関の報告書、「お詫び」触れず(CRI北京放送)
http://japanese.cri.cn/2021/2015/08/06/301s240241.htm
①報告書には戦前・戦時中の日本の行為が「侵略」、「植民地支配」だと明記されましたが、「お詫び」の必要性については記載されませんでした。

②報告書は「満州事変(九・一八事変)以降、アジア大陸への侵略を拡大し、植民地支配が過酷化した」とし、日本の戦争については「アジアを中心とする諸国に多くの被害を与えた」としています。

③しかし、「侵略」について懇談会の一部委員は「国際法上の定義が定まっていない」と異議を表明しました。また、中日・日韓の戦後の和解について報告書は「和解が完全に達成されたとは言えない」としています。

◆安倍談話、侵略戦争の謝罪を回避か 「天皇談話」と真逆になる可能性も(中国網)
http://japanese.china.org.cn/jp/txt/2015-08/06/content_36242169.htm
①安倍首相は侵略戦争の「反省」の問題に何度も言及しているが、詳細に分析すると、この反省は日本が発動した侵略戦争への反省を意味するのではなく、人類は戦争問題について反省すべきだと大雑把に言及するに留まっている。

②8月14日頃に発表される安倍談話はおわび、反省に触れず、日本が新たな段階に入る重要な目的について説明する。何かを話したかのように聞こえるが、安倍首相の戦争に対する反省と同じく、空虚で実質的な意義を伴わない談話になる。

③日本政府が8月15日に主催する全国戦没者追悼式で、天皇が中国や韓国に謝罪するメッセージを出すと予想されている。天皇の謝罪、天皇談話の前に発表される安倍談話の謝罪回避は、日本で大きな波紋を起こすだろう。

◆中国外務省の華春瑩報道官、日本がその侵略戦争に対する正視と反省を促す(CRI北京放送)
http://japanese.cri.cn/2021/2015/08/07/162s240264.htm
①日本側は日本軍国主義の発動した侵略戦争を正視、反省し、特に戦争の性質と戦争責任の問題で、明確かつ正確な情報を発信し、実際の行動を通してアジアの国々と国際社会の信頼を得るべきだ。そうでないなら、日本はアジアの国々との真の和解ができず、未来志向の関係を作れない。

◆中国の王毅外交部長が日本の岸田外相に三要求(新華社
http://jp.xinhuanet.com/2015-08/07/c_134491672.htm
◆中日外相会談、王毅部長「歴史と日本の方向性について話した」(人民日報)
http://j.people.com.cn/n/2015/0807/c94474-8932884.html
①歴史問題において、日本は真剣で責任ある態度をとれ、誤魔化すな
平和憲法を厳守し、戦前の轍を踏むな
③中国脅威論を反省し、パートナーとして歩め

王毅就历史问题表达严正立场 日方不应处处与中国“较劲”(環球時報
http://world.huanqiu.com/exclusive/2015-08/7212946.html
①6日14時30分に岸田外相と会談が始まった。55分後に岸田外相は記者団の質問を振り切って足早に退出した。

王毅外相は笑いながら説明した。『歴史問題で責任ある態度を取るべきだ。ごまかしてはならない。国家の発展方向では、平和指向を堅持すべきで、轍を踏んではならない。中国に対しては、互いは協力パートナーであって脅威にはならないという約束を守り、中国に対する対抗姿勢を改めよ』と要求した。

◆安倍談話:21世紀構想懇談会の報告書、反省と謝罪なし(朝鮮日報
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/08/07/2015080700750.html
韓半島朝鮮半島)を植民地化したことに対する反省も、謝罪の勧告もない「下絵」が出来上がった。

②「近代化を達成した日本が日露戦争に勝利し、西欧諸国の植民地になっていた多くの国の人たちに勇気を与えた」と主張し、日露戦争の直接的な結果が「韓国併合」だったことを無視した。

◆【社説】韓日関係悪化を韓国のせいにする安倍首相諮問機関(朝鮮日報
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/08/07/2015080700795.html
①「盧武鉉李明博朴槿恵3政権を挙げ、全く違うことを要求してきたり、韓国側がしきりにゴールポストを動かす。朴槿恵政権は中国に依存し、対日強硬姿勢につながった」と述べ、これが歴代最悪という現在の韓日関係を生んだというのだ。

②日本は教科書の歪曲を強め、太平洋戦争のA級戦犯の位牌がある靖国神社を訪れ、日本の政治家による退行的な歴史否定・歪曲言動は、数限りない。安倍政権は慰安婦動員の強制性を認めた河野談話の再検討作業を突如として始め、この談話は政治的取引の産物だとけなした。

③それでいて今回は、90年代に河野談話を通して日本が努力したという、つじつまの合わない主張を繰り広げた。(河野談話などで関係を好転させたのは以前の政権、今関係を悪化させたのは安倍政権ではないのか。子供騙しの報告書だ)

◆安倍談話:有識者報告書「日露戦争は植民地に希望与えた」(朝鮮日報
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/08/07/2015080700769.html
①日本が列強国に成長したことだけを強調し、その過程で韓国の国権を不法に侵奪したことには言及していない。

②それどころか、「ドイツも中国・山東省を勢力圏と見なし、米国もフィリピンを植民地として領有した。日本は日露戦争に勝って多くの非西欧植民地人たちに勇気を与えた」と強調し、「日本は韓国を植民地にしたが、西欧もみんなそうだったという見方がにじみ出ている」

③韓国政府「報告書の一部主張は両国国民の和解に役に立たない」。


◆【社説】謝罪のない痛切な反省は見せかけだ(中央日報
http://japanese.joins.com/article/215/204215.html?servcode=100§code=110
①この談話が韓日関係を改善し、両国関係が新たにスタートする変曲点になることを願うが、そのような期待はしないのがよさそうだ。安倍談話の内容に関連する報告書が失望感を与えているからだ。

②「先の大戦への痛切な反省に基づき、全く異なる国に生まれ変わった」と執拗なまでに繰り返し、「痛切な反省」もしたというが、しかしどこにも「謝罪」の表現は見られない。他人事なのだ。

③報告書は韓半島朝鮮半島)強制併合過程に関する説明を省略し無視した。そして「列強は、文明の進んだ国々が、『野蛮』『未開』地域を文明化するために植民地化したのだという構図」を描き、帝国主義における日本の責任を隠した。

④また、韓日関係悪化の責任を歴代韓国政府の一貫性のない対日政策のせいにした。旧日本軍慰安婦動員の強制性を認めた「河野談話」を覆し、靖国神社参拝と歴史教科書歪曲、過去の歴史に関する多くの妄言で韓国人の傷口に塩を塗ったのは誰か、韓国側を『心情』的な外交姿勢と批判する資格は無い。

⑤謝罪が伴わない反省は見せかけである。

◆シカゴ市議会、旧日本軍慰安婦決議案を採択|中央日報
http://japanese.joins.com/article/191/204191.html
①シカゴ市議会は、旧日本軍慰安婦の抑留を含めたすべての人権侵害を糾弾する。韓人社会が慰安婦被害者問題を公正に公開記録に残し、この問題に対する認識を高めて教育するために注いでいる努力に拍手を送る。



………(4) 広島原爆投下の日、広島と世界は………

◆首相、「非核三原則」に言及せず 広島原爆式典で(共同)
http://www.47news.jp/smp/CN/201508/CN2015080601000858.html
被爆者団体「被爆者の願いに背く法案」として撤回を要求(テレビ東京
http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/mplus/news/post_95104/
①また、被爆者団体は、政府が安保法案を「憲法や従来の政府見解の範囲内」としていることについて、「詭弁だ」と批判しました。

RT 安倍晋三 内閣総理大臣あいさつ。 会場のあちこちから「どの面を下げて来た」「恥を知れ」などの声が飛ぶ。 私のとなりの被爆者のかたがたは、黙って、じっと黙って聞いていらっしゃった。口元をきゅっと結んで、聞いていらっしゃった。

RT 8月6日、70年目の広島。安倍首相の挨拶の後、「戦争法案 撤回しろ!」のヤジが飛んだ(TBS)

RT 平和公園、平和記念式典。 小学生の平和への誓いに拍手のあと、安倍総理のスピーチには誰一人拍手する人なし。

◆社评:广岛原子弹的祸因,日本需要铭记(環球時報
http://opinion.huanqiu.com/editorial/2015-08/7203131.html
①中国は日本市民が悲惨な被害をうけとことに同情するが、かといって「被害だけを強調する」ことが、日本の「加害犯罪」を希釈する目的の権力者が背後を操ることには猛反対せざるを得ない。

②米軍は今も日本に駐留し、日本の全体主義回帰に備えている。いまだにそれが続く理由は自民党に戦犯議員の意志が脈々と受け継がれ、日本全国にその意思が張り巡らされているからだが、その戦犯の継承者たちに米軍の庇護にすり寄る陰険さが備わっているからでもある。米国は利用されている。

③米国は日本権力層の戦犯継承者を庇護する実力を失って久しいが、その戦力低下を安倍が補って、米国をして中国との対峙の最前線に押し立てている。だがそれも続くまい。そして日本社会に「加害責任」の自覚が生まれてきたことが希望を与える。

安倍氏の内心の「天使と悪魔」 原爆記念は改憲の単なる口実(中国網)
http://japanese.china.org.cn/jp/txt/2015-08/06/content_36240717.htm
①イタリアのラ・レプッブリカ紙
日本の未来が懸念されている。米国が原爆によって日本の都市を地球上から消滅させた70年後、日本は教訓を汲み取らず、この事件を大々的に記念しようとしている。安倍首相は改憲を推進し、多くの資金を軍事力の発展に注ごうとしている。日本の軍備競争と原子力エネルギーの発展は、社会の分裂を引き起こしている。日本の目的は、平和と復讐のどちらだろうか?人々はこのような疑問を禁じ得ない。

オーストリアの週刊誌
安倍首相は原爆を記念し、さらに靖国神社を参拝している。これは誠心誠意の平和主義ではない。安倍首相にとって、原爆記念は改憲のツールに過ぎない。

ウォール・ストリート・ジャーナル
広島県は木曜日、原爆70周年記念日を迎えた。安倍首相はこれと同時に、新たな法律により自衛隊の海外活動の範囲を拡大しようとしている。

④香港紙・南華早報
安倍首相はあと数日後に終戦70年談話を発表する。安倍首相には日本を率いて新たな道を歩む絶好のチャンスがあるが、間違った危険な道を走り続けることが懸念される。ある腹心は安倍首相の再任後間も、首相の心の中では天使と悪魔が戦っていると明かした。天使は日本経済の回復を促しており、首相の祖父、戦時中の内閣の重要なメンバーだった岸信介という悪魔は、歴史を書き換え日本の政治的な地位を再構築するようそそのかしている。悲しいことに、天使は戦いの中で敗れようとしている。

◆日本外务省同行官员独家回应:安倍9月访华“什么都还没确定”(環球時報
http://world.huanqiu.com/exclusive/2015-08/7211772.html
①中国の王毅外相が5日ASEAN会議で『安倍の9月訪中の話は聞いたことがない』と言った。環球時報の記者はこれに関して日本外務省の官僚に確認した。

②日本外務省官僚『まだ何も確定していません。ですが、日本と中国はアジアの平和と繁栄に共通責任を負っている。今後首脳会談を実現させることによって友好的な関係を回復し、国際社会の期待に寄与しなければばらない』。