日本政府の傲慢、関係国に対して『解らせる』

(1) 安倍内閣を盗聴していた米
(2) TPP交渉の障害−日本政府の傲慢『解らせる』に多国激怒
(3) 大西英男議員『反原発コメンテータを確固撃破せよ』
(4) 東電の強制起訴は核心に迫る議論の場

※敬称略 ◆は参照報道、①〜はその要点

………(1) 安倍内閣を盗聴していたとWikileaks………

NSA spied on Japan govt, companies(RT)– @wikileaks http://www.rt.com/news/line/

第一安倍内閣の時代から米国政府のNSAが日本政府とエネルギー関係商社など30か所を盗聴し、英国などに情報を提供していたとWikileaksが暴露した。日本政府に対する盗聴は、米国の同盟国も米国の誠意を期待してならぬことを証明した。

米国政府は第二次安倍内閣を盗聴しているであろう。第一次内閣よりも一層危険な内閣になったのだから、彼らの本心を24時間盗聴して英国や豪州に流しているだろう。豪州のアボットは「安倍はもう大丈夫にした」と公言していた。米国盗聴情報が無ければこの発言は無い。

WikiLeaks says U.S. spied on another ally – this time, Japan(WP)
https://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/wikileaks-says-us-spied-on-another-ally----this-time-japan/2015/07/31/893e1207-9b4e-4c88-80ad-c8eb79f8df2e_story.html?tid=sm_tw
WikiLeaksの今度のターゲットは米国政府による日本政府の盗聴であった。内閣府首相官邸財務省、日銀、経産省などと、三菱商事三井物産など35か所の“極秘”情報が対象であった。

②ハワイで行われているTPP閣僚会議がこの盗聴を直撃し、米国政府に従順な態度しか示せない安倍政権を窮地に追い込む可能性がでてきた。

③外交や軍事については、安倍政権は完全に従順であるため盗聴の対象とはならず、米国企業と競争関係にある日本企業と貿易政策に絡む官庁、それに首脳セールスを担当する首相官邸などが対象となり、日本が外国に提出する見積や見積条件などが盗聴された。


………(2) TPP交渉の障害−日本政府の傲慢『解らせる』に多国激怒………

◆「米NSAの盗聴公表」がTPP交渉の障害に 米紙ワシントンポストが指摘(テレ朝)
http://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000055933.html

◆TPP:米の強引裏目 準備不足露呈…合意見送り(毎日)
http://mainichi.jp/select/news/20150802k0000m020072000c.html?inb=tw
➊TPPはシンガポールブルネイ、チリ、NZの4国で2006年5月に発効済
➋米国がアジア回帰でTPP乗っ取り、それに日本が乗って中国を押さえつける道具に
➌NZなど原4国は不愉快。原4国は中国貿易に恩恵を受けているからだ。

TPPを乗っ取った米国は6月に大統領にTPP交渉権限を与える法が成立し、一挙合意に突き進んだ。だが、TPP原4国は閣僚派遣すら躊躇するほどで、準備不足で無駄な閣僚会議と批判。それを日米が無視し腕力で押し切ろうとしたので、NZが怒った。安保法案審議と同じ政治手法問題である。

NZなどは自分たち4国で既に施行しているTPPを日米が乗っ取り、中国経済の抑え込みと、軍事包囲に利用していることにいら立ちを隠さない。米国も妥協に継ぐ妥協の連続で、TPPの経済運営標準化と保護貿易完全撤廃の二大方針はガタガタになっている。

NZなど元祖4国は、経済運営標準を押し付けるのなら、保護貿易完全撤廃は当然だ、そうでないなら、出て行ってくれと考えている。

それに加えて、日米加以外は中国貿易に強く依存し、この数年は、中国企業が自国に建設する工場による雇用と税収にも大きな期待をかけている。そこに、TPPを乗っ取った日米が中国との関係を冷却させることは、アジアに軍事関係の不安定を持ち込み、経済にもに壊滅的な打撃となる懸念。

いずれにしても、日米の高飛車な態度は交渉参加国に嫌悪感を生じさせることが必定である。例えば甘利がハワイで記者に語った「ニュージーランドが如何に無体な要求をしているのかを『解らせる』必要がある」。この発言は外交交渉としては最悪のまるで戦争前夜の印象を与える。

安倍晋三も国会答弁で「中国の南中国海での埋め立て、尖閣での度重なる領海侵入、ガス田の単独試掘など、海洋膨張政策が国際法違反であることを(集団的自衛権の行使によって)『解らせる』必要がある」と喧嘩腰。中国は日本経済の4倍、人口10倍、国土面積20倍。その国にこの発言は『怖い』。


………(3) 自民党大西英男衆院議員『反原発コメンテータを確固撃破せよ』……

原発批判のコメンテータは「各個撃破」 自民・大西氏(朝日)
http://www.asahi.com/articles/ASH704GTWH70UTFK009.html
東京16区(江戸川区)に住民は頭が変なのか? 自民党大西英男衆院議員『やつらも一応インテリ。反原発コメンテータを官庁が個別撃破しろ』などと語っていた。

大西議員は自民若手議員の勉強会で「反安倍報道をするTV局は広告料収入を途絶えさせることによって破産させるのがいい」などと発言し、批判を受けて「TV局への批判の方法の一つの例を言っただけだ」と開き直っている。この男はネットウヨ並の見識で国家議員に収まっている。自民体質問題。

「個別撃破」は外務関係者が盛んにしている。ネットでも批判的意見を繰り返すと「一見紳士的物言いで、反論し、反論の途中から怒り出し、最後は、素人は黙っていろ、無駄な時間つぶしをやめ、少しは金を稼げ」などと悪態をついて終わる特徴

「収入を途絶えさせて干上がらせる」も「個別撃破」も説明ではなく、もちろん意見を聞き議論する態度などではなく、外的圧力の手段を繰り広げて批判者を干上がらせるという発想。

この発想は安倍の国会答弁と中国に対して繰り出す挑発言動と全く同じである。中国が全く動じないから「集団的自衛権」による戦争を言いだしたのだ。


………(4) 東電の強制起訴は核心に迫る議論の場………

◆東電元会長ら3人を起訴・裁判へ 検審が2度目の議決(朝日)
http://www.asahi.com/articles/ASH7042B5H70UTIL00H.html
①東京第五検察審査会は31日、業務上過失致死傷の罪で強制的に起訴すべきだとする2度目の議決を公表した。今後は裁判所が指定した弁護士が3人を起訴し、裁判が始まる。

国会事故調も政府事故調も発生後の被害拡大を防げなかったのかに焦点があてられ、なぜ事故そのものが防止できなかったという観点が欠落している。その点で今回の強制起訴は東電が大津波を予期していたのに何らの対策を取らなかったことを起訴理由にしており、初めて核心に迫る議論になるだろう。