安保法案;自公が単独採決強行

(1) 安保法案;自公が単独採決強行
(2) 抗議の渦
(3) 外国の速報
(4) 中国軍は侵略してこない
(5) 現代中国の経済外交
(6) 谷内正太郎土下座外交再び
※敬称略 ◆は参照報道、①〜はその要点


………(1) 安保法案;自公が単独採決強行………

維新は旧みんな系と大阪維新に分裂している。大阪維新は橋下の影響で「安倍親衛隊」なのだ。江田憲治の影響をうける維新の本体は「安倍親衛隊」化を嫌悪する。

公明も全国と関西で分裂している。分裂の根底には、関西公明だけが自民党選挙協力衆院選挙区議席を北側以下が獲得する活動の中で、公明が平和理念を自民の改憲派に売りとばし、関西公明がファシズム賛同になったことにある。

衆院公明は親安倍「地方区議員」と平和の党貫徹の「比例区議員」が正反対の理念で対立している。参院公明は「比例区議員」だけであり、北側のような安倍に心を売った輩は存在しない。故に安倍側は参院での否決ないしは、採決不能を予測し、衆院再可決のため明日衆院で採決を強行する。

内閣不信認案や安保法案で、衆院公明で離反者か欠席者がでれば、安倍は行き詰まるが、そうはならないだろう。結局、安倍を追い込むのは中国であり、米国である。中国は原則を断固曲げない姿勢を鮮明にしながら和解協議を進め、安倍が嘘を言えば大いに怒り、それが米国を狼狽させるといういつもの道。

◆安保法案、衆院委で可決 与党が採決強行(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/ASH7G7QXDH7GUTFK01P.html?iref=comtop_6_01
①総括質疑の終了後、維新の党の対案が否決され、維新が退席。民主・共産が委員長席に詰め寄って抗議する中、自公の賛成多数で法案は可決された。

②法案は16日にも衆院本会議で可決される見通しだが、安倍晋三首相は15日午前の締めくくりの総括質疑で「残念ながら、まだ国民の理解が進んでいる状況ではない」と認めた。審議を続けたら、内閣支持率が更に低下すると判断し、採決に踏み切った。

◆野党「恥ずべき行為」、反発の声相次ぐ 安保法案採決(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/ASH7H35K7H7HUTFK006.html?iref=comtop_6_02
◆安保法案:衆院特別委で可決 与党単独で強行採決(毎日)
http://mainichi.jp/select/news/20150715k0000e010227000c.html
民主党
辻元清美氏「勇気を出して法案を撤回してください。それが国民の声を聞くということだ」。
安住淳国対委員長代理「多くの国民が疑問と思い、専門家は『憲法違反』と主張する。それを与党の数を使って『採決しろ』という姿勢は恥ずべき行為で、末代まで禍根と汚点を残す」。

③維新の党
下地幹郎氏「憲法学者が『違憲』と指摘した問題は未解決だ。最高裁違憲判決が出れば一からやり直しになる」と警告。
松野頼久代表「今後日本が他国の戦争に巻き込まれる危険性を帯びるかもしれない大きな法案だが、審議が尽くされないまま、今日の強行採決となった」。


………(2) 抗議の渦………

◆国会周辺では反対デモ 安保法案 単独採決に抗議(テレ朝)
http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000054739.html
◆安保法案、国会周辺で採決強行に抗議の声(TBS)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2540678.html
①デモの参加者:「戦争法案、絶対反対」「選挙権がない子どものために大人が今、動かなければ、この先心配」「安保法制の内容にも反対だが、何よりプロセスがおかしいし、あまりにも国民を軽視している」

②夕方からは国会周辺で大規模なデモが予定されていて、抗議活動は一日続くことになります。

◆14日には猛暑のなか2万人を超える若者と女性らが抗議集会とデモ(毎日)
http://mainichi.jp/select/news/20150715k0000m040083000c.html
①「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」が主催。野党国会議員や作家が登壇して「安倍政権の暴挙と闘う」などと気勢を上げ、プラカードやのぼりを手にした市民の熱気に包まれた。

②福岡県八女市から夫婦で参加した無職、角田恵二さん(62)は「3歳の孫が大きくなったときに戦争に行くことがないようにしたい」と力を込めた。

◆安保法案NO、学問の垣根越え 学者9766人が賛同、廃案要請(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11859527.html?ref=pcviewer
①「安保関連法案に反対する学者の会」の賛同者が14日には9766人に達した。思想家の内田樹氏や経済学者の間宮陽介氏ら14人が国会を訪れ、特別委員会の各党の理事にあてて「強行採決をせず、廃案にしてほしい」とする要請書を渡した。

②同会は「学問軽視への怒りと、第2次大戦での大学の戦争協力への猛省」を原点に、憲法審査会で憲法学者3人が法案を「違憲」と表明した後の6月15日に「学問と良識の名において、違憲性のある法案に断固として反対します」とする声明を出した。

③発起人にノーベル物理学賞益川敏英・京大名誉教授らが名を連ね、天文学や数学、宇宙物理学、医学といった理系分野から、音楽や演劇などの芸術分野まで、男女や年齢も様々な学者・研究者が賛同する。

④<主な呼びかけ人>
池内了・名古屋大名誉教授(宇宙物理学)、上野千鶴子・東大名誉教授(社会学)、小熊英二・慶大教授(歴史社会学)、久保亨・信州大教授(歴史学)、小林節・慶大名誉教授(憲法学)、酒井啓子千葉大教授(イラク政治)、島薗進上智大教授(宗教学)、永田和宏・京大名誉教授(細胞生物学)、浜矩子・同志社大教授(国際経済)

ノーベル物理学賞を受賞した益川敏英京大名誉教授
「自分の研究が戦争に利用されないためには、戦争自体をなくすしかない。科学者だからこそ、戦争反対を自覚し、声を上げないといけない。若者が声を上げている。怒りを共有している手応えがある。31日には、ともに国会前で抗議デモに立つつもりだ」。
憲法を読み返してみたが、同盟を作って戦争ができるなんて書いていない。改憲の手続きをとらずに、解釈の変更で押し通す姿勢も納得できない。最初から憲法を無視するのは理論的でない」。

海部宣男国立天文台名誉教授(天文学
憲法学者から異論が相次いでいるにもかかわらず、砂川判決を集団的自衛権の行使容認の根拠とする政権の姿に疑問を感じる」。「安倍政権下で中韓との関係が悪化し、研究協力が思うように進まない場面もでてきた。危機感を感じます」。

吉岡斉・九大院教授(科学技術史−東電福島第一原発事故政府事故調査・検証委員会の元委員)
「『原子力ムラ』は人類や社会の利益と関係なく、自分たちの都合で利権を拡大し、あの事故に至った。『安全保障ムラ』にも同じ空気を感じる」。
「背景には原子力ムラ同様、『権限を拡大したい』という思いがある。法案が成立したら次はもっと制約をなくそうと改憲論が勢いづく。その次は派兵、さらには核保有へとつながらないか心配だ」。


………(3) 外国の速報………

◆Japanese bills would expand military's role(AP)
http://bigstory.ap.org/article/4932c50048b643feb95b1bdb4006530c/japanese-bills-would-expand-militarys-role
衆院特別委員会は日本の軍事的役割を拡大する法案を強行可決。憲法学者のほぼ全員と、市民の過半数が明確なる反対の意思表示をしているが、安倍内閣は無視した。

②14日には2万人以上が35度の猛暑の中に集まり抗議集会とデモを行った。1万人の学者が「違憲の戦争法律を撤回せよ」と抗議声明に署名している。今日15日も国会周辺には猛暑の中、多くの庶民が集まり抗議の座り込み。世論調査でも80%が反対しているのに、強行した安倍。

③安倍は中国の軍事的および経済的脅威から日本を守ると公言している。今後日本の軍事予算が増大し経済再生に苦しみを与えるだけでなく、中国や韓国やASEAN諸国の反発が民間交流にも暗い影を投げかけるだろう。

◆日本の安保関連法案、衆院特別委を通過…野党など反発(中央日報
http://japanese.joins.com/article/187/203187.html?servcode=A00§code=A00
①国会周辺にはこの日、安保法案に反対する市民らが集まって採決の白紙を訴えた。これらは「9条壊すな」「戦争法案今すぐ廃案」などと書かれたプラカードを持って抗議の声を高めていたが、自公が強行採決した。

【写真】日本国会衆議院特別委員会で安保法案が強行可決(新華社
http://jp.xinhuanet.com/2015-07/15/c_134414748.htm

中国中央電視台】[朝闻天下]日本:各界反对强行通过安保法案(CCTV
http://news.cntv.cn/2015/07/15/VIDE1436922723203365.shtml
①国会周辺抗議行動「これは戦争法案だ。ぜんぜん国民の声を聞こうとしない。国民は全員反対だ」
②日本の学会が1万人署名の違憲声明
宮崎駿15年戦争で日本人が3百万死んだ。また悲惨な体験を繰り返そうとしている」
民主党長妻議員「審議するほど襤褸がでるから、打ち切って強行採決した」

◆日本安保法案闯过头关 民意难阻执政者“逞强”(人民日報)
http://world.people.com.cn/n/2015/0715/c1002-27310538.html

◆日本の新安保法案は平和のベールをかぶる戦争法案だ(新華社
http://jp.xinhuanet.com/2015-07/15/c_134414715.htm
自衛隊は「極めて強い攻撃性を持つ軍事力になり、アジア地域の安全情勢に不安定の要素をもたらす」。

②「重要影響事態法案」は、自衛隊は米軍などの外国軍隊に提供する支援の範囲は日本周辺から世界範囲まで拡大させる。

③「自衛隊法修正案」は、自衛隊アメリカ、オーストラリアなどの同盟国と准同盟国の軍隊に防衛などの支援をさせる。

④「国際平和支援法案」の実質はいわゆる「軍事大国化」、「正常国家化」という政治的願望を実現するためである。

⑤6月24日に、約3万あまりの日本民衆が日本国会を取り囲み、「安倍がヒトラーのように強引に独裁政権を推進し、旧式の日本軍人のように憲法を踏みにじんでいる」と抗議した。

日本経済新聞の最新世論調査では、57%の被調査者が新安保法案を違憲だとみなし、日本政府の関連解釈が不十分であるとの答えも81%に達している。

➆公民党党首の山口那津男さえも法律専門家の観点(98%が違憲判断)を尊重し虚心に扱うと述べた。元首相村山富市、元内閣官房長官河野洋平、元自民党副総裁山崎拓、元財務大臣藤井裕久なども相次いで新安保法案表明し、安倍政府の独断専行に警告。

⑧日本は不必要な戦争に参加する恐れがあるだけでなく、周辺の特定の国家を仮想敵とし、地域の平和及び安定を破壊する恐れがある。

⑨新安保法案はアメリカのアジア地域リバランス軍事戦略を推し進めることに奉仕する。日本の再軍国化とアメリカのリバランス戦略はアジアにおける政治、軍事の緊張を高めるだけだ。

◆日本众议院安全法制委员会通过安保法案(人民日報)
http://world.people.com.cn/n/2015/0715/c1002-27310156.html
①野党議員の抗議を無視して、自公支配する衆議院和平安全法制特別委員会で、安保法案を単独強行採決した。16日には衆院本会議で可決されるだろう。

②110時間余りの審議を重ねたが、理解されるどころか、戦争法案という疑念がますます強まり、それは憲法の平和主義を冒涜するだけでなく、憲法そのものを日米安保に従属させるという、法治主義の全否定行為であることが明白になった。180人憲法学者の98%、1万人有識者違憲声明。

民主党の辻元衆議院議員は「多数の民意を無視して、違憲である安保法案を強行した。これは日本の立憲主義、民主主義、平和主義を破壊する。安倍政府に法案撤回を要求する」と述べた。

民主党の長妻衆議院議員「安倍は国会答弁で侵略戦争の誤りを承認しない。このような歴史認識の首相がおこなう「総合的判断」は非常に危険だ。こんな歴史認識で正しく安保法を運用できるはずがない」。

⑤安倍は総括答弁の中で「国民の十分な理解が得られていないが、しかし(日米安保条約日本国憲法を凌駕する超法規であるから)期限どおりに安保法案を成立させる」と明言した。

⑥16日に衆院本会議で採決され安保法案は参院に送付される。参院でも自公が過半数を占めるため成立するだろう。(参院公明党が難色を示し、離反者を恐れて採決できないので、衆院再可決までは書かれていない)

➆安倍政権は安保法案を成立させるだろう。自衛隊は「総合的判断」という実質的に首相の一存で、世界のどこででも、最前線哨戒であれ、兵站であれ、前線掃海であれ、戦争に参加できる。また、駆けつけ警護という戦闘の大義名分化は、紛争を戦争に格上げさせる権限を自衛隊に与えたに等しい。

⑧安倍の目的は日米安保の強化であり、その目的は“釣魚”(尖閣)での日中戦闘を予定した米軍参戦の約束を取り付けることにあり、中国側が軍事的行動を自粛するなら、南中国海で集団的自衛権を行使する名分をでっちあげることに使うだろう。

⑨日本の圧倒的多数の法律学者は違憲を表明している。憲法9条集団的自衛権を認めていない。個別的自衛権すら認めているか否か議論が分かれる。しかし、この憲法を成立させた国民投票段階の国民総意は「非武装、非戦」であり「個別的自衛権の積極的禁止」である。いまそれが問われている。


………(4) 「中国軍が侵略してくる」は有り得ない………

日本人の8割は平和憲法の非武装・非戦に感謝している。1868から1945年の77年間は戦争準備と戦争の連続であった。300万人が死に、その半分は餓死か栄養失調による病死だった。1945年8月から今日までの70年間戦争を起こさなかったし、巻き込まれなかった。9条あっての日本だ。

だがしかし、日本人は戦闘好きだった。中国だけでも3000万人を殺した。ASEAN各国でも500万。その殺戮は残虐の限りを尽くしたという。それが多くの日本兵の自発的参加で際限なく繰り広げられ、敗戦後には厳重なかん口令が敷かれ、口を閉ざし心に自己暗示する報償に靖国と恩給を駆使した。

平和憲法を葬った功績の第一は公明党、それも北側ら自民票で選挙区議員となった連中である。民主党の安倍的派閥のお粗末さもあったが、自公で2/3に近い圧倒的議席を、衆参二度の選挙で与えたのは創価学会である。

創価学会信者の公明党が「平和の党」というのは、とんだ食わせ物だった。それはイラク派兵時に明確。創価日蓮の「立正安国論」と法華経の「方便品」を盾にして、日本防衛には中国侵略が不可欠で生命線でもあると、昭和初期の日蓮坊主に軍部若手将校を扇動させ、官僚では岸信介を押した宗派系だ。

今でも公明党の本心は1930年と同じの可能性。代弁するなら「尖閣が中国に取られる。取られたら沖縄も取られる。取られる前に攻め込め。フィリピンとベトナムを属国にして中国との戦場を提供させろ」。そうでなければ幸いですが、竹入氏らが除名されたままで無反省な創価には期待できない」。

安倍も北側も(前原や野田や長島も)、中国が攻めてくると国民洗脳する。中国が外国を侵略したことはある。だが、侵略した中国は全て蒙古・朝鮮族系の中国征服異民族王朝であった。中華純粋政権では一度も侵略していない。国土防衛に四苦八苦しながら外国との貿易に賢明と、いつもそうだった。

「中国が攻めてくる/中国に領土を取られる」というのは、華人純粋政権である現在では100%ありえない。軍事予算はGDPの1.2%と平和憲法の日本と同率で、米国の1/3である。3年前には尖閣どころか、日中の距離的中間線にある試掘プラットフォームの巡視すら事欠く状態だった。

純粋華人政権である宋と明は軍事費を切り詰め、産業と商業と流通と金融とそして貿易の国家の財を集中させて発展している。習近平政権も全く同じである。そこに安倍が再び登場し、「日本が攻めてくる、領土を日本に取られる」が加わったのだ。現状は日本内部と正反対である。


………(5) 現代中国の経済外交………

中国の安倍対応は可能な限り進んでいる。軍事的対応は不必要であり、経済外交で安倍の中国包囲外交を打ち破れる自信がある。「一帯一路」シルクロード政策である。そのエンジンたるAIIB設立では日米を短期間で孤立させた。

習近平政権は軍事費をGDPの1.2%に抑え、豊富な外貨準備をユーラシアのインフラ建設に投資して、既存経済基盤を破壊することなく、新しい経済ベルトを建設しようとしている。これは安倍による「軍事同盟による中国包囲」に対する習近平政権の回答である。

中国の貿易相手国は(1)EU、(2)米国、(3)ASEAN、(4)日本、(5)韓国の順であるが、日本の比率が激減し、激増した韓国に抜かれようとしている。中国側から見れば日本は9.9%でしかない。EUや米国やASEANの半分しかないのだ。

中国は日本との貿易を韓国とASEANに切り替えている。さらに「一帯一路」経済ベルト建設でインドから中央アジアを経てアフリカまでの貿易を激増させ始めた。安倍の「中国包囲」外交の実損失と機会損失は巨大である。日本のGDPを10%ほど押し下げている。

◆中国の上半期輸出、構造変化の中で明るい兆しも(中国網)
http://japanese.china.org.cn/business/txt/2015-07/14/content_36057538.htm
◆「一帯一路」沿線諸国への輸出が好調(中国網)
http://japanese.china.org.cn/business/txt/2015-07/14/content_36057605.htm
①税関管理総局発表の2015年上半期貿易統計
輸出入総額:8兆3800億元(約164兆円)▼6.3%減少
輸出額:輸出入総額の55.3%を占め、△0.4%増加、そのうち一般貿易輸出額は△6.3%増加
輸入額:輸出入総額の44.7%を占め、▼14.5%減少

②主要貿易先の輸出入総額
EU     20.0% 1兆6700億元(約33兆円)▼6.8%大幅減少
米国   19.6% 1兆6400億元(約32兆円)△4.0%増加
ASEAN 16.5% 1兆3800億元(約26兆円)△1.6%増加
日本   9.9%    8300億元(約16兆円)▼10.6%大幅減少
韓国   9.7%    8100億元(約16兆円)
ロシア  3.6%    3100億元(約 6兆円)
インド   2.5%    2100億元(約 4兆円)

③輸出額が維持される一方輸入額は減少して、貿易構造は改善された。
④鉄道設備の輸出は28.3%、携帯電話は19.7%、医療機器は9.3%、紡績機械は6.1%、金属加工機械は3.6%の成長率だった。中国の対外貿易企業は、国際メーカーと協力してハイエンドな高付加価値製品の輸出を進めているが、その直接的成果と考えられる。

⑤貿易方式の構造や市場の多元化、地域分布、貿易主体と製品構造、貿易条件などで優位性や改善がみられた。
⑥中国と「一帯一路」の沿線諸国の輸出入額は3兆元弱で、これは中国の貿易総額の4分の1。輸出が良好。バングラデシュパキスタンイスラエルサウジアラビア、エジプトなど「一帯一路」の沿線諸国への輸出は2桁の成長率。ASEANとインドも増加した。


………(6) 谷内正太郎土下座外交再び………

昨年夏に谷内正太郎が北京を訪問し、日中首脳会談の無条件開催を要請したが、中国側は「日中間四基本文書の遵守再確認」が大前提だと言われて、受諾し首脳会談を決めた。この日中間四基本文書にはその大前提として「日本はポツダム宣言を忠実に遵守する」が含まれている。

ポツダム宣言侵略戦争の犯罪を認め、戦争犯罪法廷を受け入れること、そして4島(北海道、本州島、四国島、九州島)以外の領土主張権を全て放棄することを含んでいる。つまり谷内は「尖閣の領土主張を放棄したことを再確認」し、岸田外相もそれに倣った。

その日のうちに自民党内から批判が沸き起こると、岸田は「ポツダム宣言8項領土条項の遵守までは約束していない」と屁理屈をまくしたて、共同認識文書の英訳と日本語版の語句の相違に問題を歪曲化させた。中国側は『約束の遵守を首脳会談という言動で示してもらいましょう』と応じた。

安倍は文字通り四面楚歌である。唯一の仲間は米国政府に巣食うネオコン官僚と共和党系のジャパンハンドラ―ズだけである。オバマ政権からは中国と韓国と和解せよ、歴史認識を改め反省と謝罪をせよと一貫して突きつけられてきた。今も変わらない。

だから、実際の外交では秘密裏に土下座している可能性が強い。それを日本側で推測されると、慌てて「強面外交の成果」と言い繕うが、これでは、中国や韓国やASEANの首脳から、個人として軽蔑されるだけである。

◆日本の谷内正太郎国家安全保障局長は16日から中国訪問へ(新華社
http://jp.xinhuanet.com/2015-07/15/c_134415334.htm