小池と前原が安倍を延命させた解散総選挙

(1) 総選挙結果
(2) 投票直後の世論調査
(3) 野党が希望も含めて統一されていたら
(4) 巨大与党に野党はどう対抗するか
※1 ◆は参照報道;①〜はその要点で、論旨明確化と背景説明を加えた「意訳」です。敬称略。
※2 ❶〜や※で始まる文章は私見です。
※3 Web登録後も関連報道などを追記します。

(1) 総選挙結果

議席配分
【与党得票2553万票】
 自民284、公明29、維新11、無所属1=325

【野党得票3022万票】
 立憲55、共産12、社民2=69
 希望50(全員民進系、)無所属21(民進所属)=71

比例区獲得票数
 自民33.27%≒1820万票
 立憲19.88%≒1100万票
 希望17.35%≒ 960万票

①立憲民主は、15から55へ+40議席増(本来56議席、比例議席足りず1議席自民へ)。市民、共産、社民の後押しがこの圧勝を実現した。
❷今回は定数465に対して70人しか公認していない
❸公認70で55当選し、15人も激戦を演じた
安倍晋三はもう解散できない。次回、野党3党は統一会派選挙協力し300人を公認すれば過半数に迫る可能性もある
➎自民は支持するが安倍は嫌いが世論
➏維新は消滅への道を歩み始めた
➐盤石の大阪公明も落選し、シンパが消え、信者も離れる
➑来年の参院選を安倍は恐れているだろう

枝野幸男氏の立憲民主党が野党第1党になり、安倍晋三首相が危機感か 朝霞唯夫氏(ニフティhttps://news.nifty.com/article/item/neta/12111-38401/
①安倍首相にはアキレス腱がある。「森友・加計学園問題」です
②日経聞の世論調査ですら、安倍内閣不支持率は48%で、支持率37%を上回る。これではかなり深刻です。NHKも同様な結果
③公明の歴史的敗北;創価学会の婦人部の怒りの矛先が自民党だけではなく、希望の党にも向いたのです。婦人部の一部は立憲民主党の候補者に投票したのです。安倍首相をはとことん嫌っているのです
④維新の会の退潮;希望の党とも話がリンクしますが、安倍政治に対して「是々非々」と言いつつも、与党なのか野党なのか軸足をはっきりしないので有権者が不安になったのです
⑤このままだと国民のフラストレーションは永久にたまっていく一方です
野党第一党立憲民主党になって、安倍首相は今後はイライラする日が続くでしょう
⑦枝野代表は反安倍で、しかも現実路線ですから、与党から「対案を出せ」と言われれば、理屈の通った対案も提出します。今の国会議員は60に満たないですが、あと1カ月もすれば70を超えてきます
⑧清和会は選挙で人材を落としましたので、安倍首相の顔色は冴えません。今までのような強引な国会運営は、もはやできない。さらに支持率が下がれば後ろから寝首をかかれる
⑨実主義者で反安倍の代表格である枝野代表が台頭したというのは本当に脅威です。自民党内政局が揺らげば、枝野代表と組むぞといつでも脅すことが清和会以外の派閥がカードとして持つことができたのですから。

投票率53.60% 戦後2番目に低い水準(毎日)
https://mainichi.jp/senkyo/articles/20171023/k00/00m/010/253000c

◆Japan's Abe may have won election, but many don't want him as PM(ロイター)
http://www.reuters.com/article/us-japan-election/japans-abe-may-have-won-election-but-many-dont-want-him-as-pm-idUSKBN1CU063?feedType=RSS&feedName=topNews&utm_source=twitter&utm_medium=Social
安倍晋三首相は総選挙に勝利したが、朝日新聞の投票翌日の世論調査によると、
「国民の半分以上が『安倍晋三氏の首相留任を望んでいない』。
自民党は国民の信任を得た。だが安倍晋三首相の信任ではないことが明確だ。
③国民の47%が安倍「首相」に反対しているのだから。
自民党公明党の与党連合は、衆議院の2/3を超える313議席を獲得したが、自公の圧勝は野党分裂によ漁夫の利に過ぎない。獲得票数は減少し、野党の得業数に逆転されている。
⑤朝日の世論調査でも、国民の54%が安倍晋三の政権を危険視し、安倍政権に期待する国民は29%に過ぎない。


(2) 投票直後の世論調査

世論調査―質問と回答〈23、24日〉(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/ASKBS3PWJKBSUZPS007.html?iref=pc_extlink
安倍内閣
 支持42%、不支持39%
②支持政党;
(与党)45 ▽自民39▽公明4▽維新2
(野党)24 ▽立憲17▽共産3▽希望3▽社民1
(無し)31
比例区投票先
(与党)39 ▽自民28▽公明7▽維新4
(野党)31 ▽立憲18▽希望7▽共産4▽社民1▽その他の政党1
(無し)30
④自公で2/3議席数;
 多すぎ51、良い35、無回答14
⑤自民圧勝は安倍首相の政策が評価されたと思うか;
 思わない65、そう思う26、無回答9
⑥野党第1党の立憲民主党に期待しますか;
 期待する49、期待しない41、無回答10
⑦安倍政権の公約「9条に自衛隊明記を加憲」;
 反対45、賛成36、無回答19
⑧安倍首相の政策への期待;
 不安54、期待29、無回答17
⑨安倍さんに今後も首相を続けてほしいですか;
 思わない47、続けてほしい37、無回答16

週刊朝日(11.3号)“驕るな安倍政権”
「権力の私物化、加計ロンダリング選挙だった」前川喜平
「国民をバカにする酷さは安倍政権で底が抜けた」中島京子
「森友で『妻はだまされた』はとんでもない暴言」郷原信郎


(3) 野党が希望も含めて統一されていたら

◆野党一本化なら63選挙区で勝敗逆転(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/ASKBR54WCKBRUTFK014.html
➊野党4党選挙協力が成功していた場合の議席配分;
自公=313−63=250
野党=130+63+22(民進籍無所属)=215
維新を与党に移すと;自公維=261 野党=204
野党統一候補が実現していれば;
・東京=与党勝利の19選挙区中、14選挙区で野党勝利に逆転
 萩生田光一下村博文石原伸晃も落選  特に希望が立憲や共産の票を奪って、僅差で敗北させた。

◆全国統一区で完全比例代表制(ドント式)で465議席だったら、各党の議席数が何議席になるか;
得票数はNHK比例代表の数字を合計して出した
結果 自民156 立民93 希望81 公明59 共産37 維新28 社民7 幸福2 大地1 支持なし1
(@Primus Pilus‏ @Primus_Pilus_さん)
得票数;(開票率97%)
自民1838万、公明690万、維新336万=2869万
立民1100万、共産473万、希望959万=2532万
無所属と社民?


(4) 巨大与党に野党はどう対抗するか

◆巨大与党に野党はどう対抗? “再結集”に立憲民主は(TBS)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3192250.html
民進党籍のまま無所属当選した岡田元代表らは、野党が再結集する必要性を訴えていますが
立憲民主党は「希望の党とは政策理念が違うので、結集はありえない」と強く否定
希望の党の当選者は「大惨敗したのだから小池代表は辞めるだろう」「150人余りが屍と化したが、希望の党の当選者はほぼ民進党出身者であり、小池代表が辞めれば第二民進党になってしまう」

民進無所属が立憲民主党統一会派を申し入れへ(産経)
http://www.sankei.com/politics/news/171019/plt1710190021-n1.html
岡田克也元外相や野田佳彦前首相、江田憲司衆院議員ら約20人が立憲民主党統一会派提案
前原誠司代表は衆院選後、参院も含めて希望の党への合流を呼びかけているが、岡田氏らは拒否
③前原氏が民進党代表を辞めない場合は、解任手続きを行うための両院議員総会の開催を目指す。

民進両院議員総会希望の党とは合流せず、週内開催へ(毎日)
https://mainichi.jp/articles/20171025/k00/00m/010/124000c
①24日に両院(衆院無党派当選者、参院は現議員)総会で、
希望の党とは合流せず」を決定
小川敏夫参院議員会長
「前原氏と会談し、早期に辞任するとの感触を得た」

◆“希望”内から小池氏批判(TBS)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3193525.html
小川淳也議員「野党の盟主は立憲民主党です。野党のリーダーです」
 Q;首班指名は枝野さんで?
小川「ごめんなさい、今はそれを言わさないでください」
柚木道義議員「排除の論理で野党がばらばらになって、野党同士が票を奪い合って、小池代表の判断には誤りがあったと言わざるを得ない。小池代表は自らの立場をリセットして、政権交代の受け皿をつくるために出馬すべきだ。それができないのなら小池代表のもとで戦うことは有り得ない」

立憲民主党、24日議員総会、立憲国対委員長辻元清美氏 政権への対決姿勢、鮮明に(朝日)
http://digital.asahi.com/articles/ASKBS5CVDKBSUTFK00S.html
http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000112977.html
辻元清美議員を国会対策委員長に任命。
・政権への対決姿勢を鮮明にする人事
福山哲郎幹事長「持ち前の交渉力も含めて適任」
・辻元氏は9条改憲反対の急先鋒
枝野幸男代表
「野党再編とか、どこのグループとくっつくのか。こんなことばかり開票日以来、聞かれ続けて、若干、いらだちを覚えるが、いらついてはいけないと肝に銘じながら対応している」
「考え方が共通している議員が我々の外側にいるのも分かっているが、永田町内の数合わせ、権力ゲームに我々もコミットしていると誤解されたら、今回、頂いた期待はあっという間にどっかにいってしまう」
「私たちはそういう権力ゲームとは距離を置いて国民の目線で、国民の皆さんの期待に応えていける。そのための歩みを進めるにはどうしたらいいのか。この軸はしっかり守りながら進めたい」
③福山幹事長
(Q.参院民進党民進出身の無所属当選者との連携は?)
民進党参議院との動き等については一般的に他党のことですから、こちらとしてはそれに対し、何らかの発言をすることはないし、関与することもありませんと私からも各議員には報告しました」